【医師監修】川崎病、急性脳炎…赤ちゃんに発症する恐れがある難病は?その症状は?小児科医が解説
生まれつき、原因不明、突然の発症など、多くの赤ちゃんに発症しやすい病気ではありませんが、入院治療が必要な病気があります。その症状と治療法について、小児科医の山中龍宏先生に解説していただきました。
知っておきたい、入院治療が必要な赤ちゃんの病気
赤ちゃんに発症し、入院治療が必要な難病には、原因不明の病気、突然発症する病気、先天的な病気があります。
原因不明の病気:全身の血管に炎症が起こる【川崎病】
「川崎病(かわさきびょう)は、4歳以下の乳幼児が患者の約8割を占める原因不明の病気です。
・40度近い高熱が5日以上続く、
・手足が赤く腫(は)れる、
・発疹(ほっしん)が出る、
・目が充血する、
・唇が真っ赤になる、
・舌が赤く腫れてブツブツができる(いちご舌)、
・首のリンパ節が腫れる、
・BCGの接種部位が赤くなる
など、全身の血管に炎症が起こります。心臓の血管の一部に瘤ができることがあり(冠動脈瘤[かんどうみゃくりゅう])、後遺症が残る場合があります。
治療は、入院して大量のガンマグロブリンを点滴します。軽症でも1週間~10日、症状によっては、3週間ほどかかります。退院後も5年間は、冠動脈の定期的な検査が必要です」
突然かかる病気:脳が炎症を起こしたり腫れたりする【急性脳炎・急性脳症】
「急性脳炎(きゅうせいのうえん)は、ウイルスに感染して起こる場合と、感染後の免疫反応による炎症で起こる場合があります。
ウイルス感染時、または感染後に突然高熱が出て、頭痛、嘔吐、けいれん、急激な意識障害が出ます。
急性脳症(きゅうせいのうしょう)は、さまざまなウイルスが原因で急激に脳が腫れ、けいれんや意識障害を起こす病気です。ともに進行が速く、嘔吐が続いたり、けいれんや意識障害がある場合は、すぐに救急車を呼びます」
先天的な病気:生まれつき股が開きにくい病気【先天性股関節脱臼】
「先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)は、先天的に股の関節が緩く、大腿骨(だいたいこつ)の先端が骨盤からはずれる病気です。ほうっておくと歩き始めるのが遅くなったり、片足をひきずったりすることもあります。治療は、矯正装具や、けん引、手術で行います」
先天的な病気:生まれつき足が内側や外側に向いている【先天性内反足・外反踵足】
足が内側に反って、足の裏側が内側に向かい合っているのが先天性内反足(せんてんせいないはんそく)、逆に外側に反り返って、小指が床から反りあがっているものを外反踵足(がいはんしょうそく)といいます。
いずれも先天性の足の形です。先天性内反足の場合、医師が手で変形を矯正する治療を行います。先天性外反踵足の多くは自然に治りますが、変形が続く場合は、矯正の治療が行われます」
赤ちゃんの様子をじっくり観察していて「なにか気になる…」と思うことがあったら、勇気を出して医師に相談するといいかもしれません。何でもなければ安心につながり、何かあった場合は早期発見・早期治療ができます。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2019/02/28
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