【医師監修】赤ちゃんの痙攣は即受診?受診の目安と医師に伝えるべきこと9

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けいれんは、高熱や細菌、ウイルスなどの刺激で、脳の神経細胞が異常に興奮して起こると考えられています。赤ちゃんの場合は、熱性けいれん(※1)や泣き入りひきつけ(※2)が多く見られます。とはいえ、赤ちゃんの月齢や症状などによって受診のタイミングは異なることが多くあるとのこと。けいれんで起こり得る症状と、それに伴う受診のタイミング、考えられる病気などについて、小児科医の山中龍宏先生に伺いました。
※1:熱性(ねつせい)けいれんは、比較的発症の頻度が高い病気で、38度以上の発熱時に起こるけいれんのこと。急に白目をむき、手足を突っ張らせて、ガクガクと体を震わせます。
※2:泣き入りひきつけは、憤怒(ふんぬ)けいれんともいい、激しく泣いたりかんしゃくを起こしたりしている最中に、呼吸が止まったようになり、意識を失います。チアノーゼやけいれんを起こす場合もありますが、多くは1分以内に治まります。
【記事監修】
緑園こどもクリニック 院長

Profile
1974年東京大学医学部卒業。同小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部長を経て99年から現職。NPO法人Safe Kids Japan理事長など。
参照/Safe Kids Japanホームページ、『事故防止ハンドブック』(消費者庁)
“けいれんした”ときの受診の目安と考えらえる病気とは?
「赤ちゃんが初めてけいれんを起こしたときは、基本的に受診します。けいれんの最中は、落ち着いて赤ちゃんの様子を観察してください。熱性けいれんは2~3分で治まることがほとんど。けいれんが5分以上続いたり、繰り返したりする場合は、救急車を呼びます」(山中先生・以下同)
“けいれんした”ときの受診の目安とタイミング
1つでも当てはまったら、該当するタイミングを参考に受診を!
★救急車を呼んで、緊急受診
☑けいれんが5分以上続いた
☑一度治まったあと、24時間以内に繰り返しけいれんを起こした
☑意識がはっきりせず、ぼんやりしたりする
☑呼吸が弱い、おかしい。顔色が悪く、唇が紫色になっている
☑繰り返し吐く
☑頭を強く打ったあとにけいれんを起こした など
★診療時間外でも受診
☑6ケ月未満
☑5分以内で治まって意識が戻ったが、初めてけいれんを起こした
☑嘔吐の症状もある
☑38度以上の熱がある
☑2回目以降のけいれんだが、今までと症状が違う など
★診療時間内に受診
☑過去にもけいれんを起こし診断がついている場合で、けいれんが5分以内に治まり、意識が戻って、いつもと変わりがない
☑けいれんが24時間以内に再発しない など
★おうちケアでOK
☑過去にもけいれんを起こし、泣き入りひきつけという診断がついている場合(ただし、発熱を伴っていたり、いつもと違うけいれんの場合は要受診) など
“けいれんした”とき医師に伝えたいことリスト
1.発熱の有無は?
2.どういう状況でけいれんを起こした?
3.けいれん中の状態(とくに左右の差)とけいれんが続いた時間
4.繰り返しけいれんを起こした場合、頻度や間隔は?
5.治まったあとの様子は?
6.これまでけいれんを起こしたことがある?
7.親族にけいれんを起こした人はいる?
8.事前に使った薬はある?
9.けいれん以外の症状は? など
“けいれんした”ときに考えられる病気は?
□髄膜炎(ずいまくえん)
□急性脳炎・急性脳症(きゅうせいのうえん・きゅうせいのうしょう)
□熱性けいれん(ねつせいけいれん)
□頭蓋内出血、てんかん、熱中症、泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)など
赤ちゃんがけいれんを起こしたら、多くのママが動揺してしまうかもしれませんね。でも、受診時にきちんと説明できるように、落ち着いて様子を観察することが何より大切。“あわてず、冷静に!”対処しましょう。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2019/03/10
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