”まねっこ”は学習行為のひとつ。 子どものまね心をくすぐって「やってみたい!」を引き出すコツ
テレビのリモコンを持って電話で話すまねをしたり、人形相手にお世話のまねをしたりするなど、1・2歳はママ・パパのまねっこが大好き!
この時期は、まねっこを活かして上手にかかわると、できることも増えてきます。子どもの発達心理学や認知心理学に詳しい、お茶の水女子大学名誉教授・内田信子先生に、1・2歳のかかわり方について教えていただきました。
1・2歳のまねっこは、脳の成長の証しです
お茶の水女子大学名誉教授・内田信子先生によると、1・2歳で見られるまねっこは、脳が発達して記憶力がついてきた証し。子どもは頭の中にお手本のイメージを浮かべながら、同じことをやってみることで、さまざまなことを会得しますが、これは学習行為の一つだそう。
1・2歳は、好きな人のまねをよくします。理由は、その人の行動の意味を理解し、その人と同じようにしたいという気持ちからです。ママ・パパのしぐさや口癖をいつの間にかまねをしているのも、ママやパパのことが大好きで、よく見ているからです。
そのため普段の生活の中で、なるべくいろいろなものを見せて、まねっこする機会を作ってあげましょう。そうすることで、1・2歳は新しいことをどんどん吸収し、自分の世界を広げていきます。
まねっこ心を刺激して、成長を後押ししよう!
1・2歳は、自立に向けてさまざまなことを教えていきたい時期ですが、そのときママ・パパに意識して欲しいのが「まねっこしたい!」という気持ちを上手にくすぐることです。とくに次の3つのことは、まねっこ心をくすぐると楽しくチャレンジできますよ。
1.生活習慣
1・2歳は、歯を磨く、着替えをするなどの生活習慣を教え始めたい時期。ママ・パパがお手本を見せて、まねっこ遊びのように誘うことで、「やってみたい!」という意欲を引き出しましょう。自分でできることが1つずつ増えていきます。
2.おむつはずれ
1・2歳は、まだ「おしっこはおむつでするもの」と考えていますが、ママやパパがトイレに行く様子を見せたりしているうちに「自分も!」とまねをしてトイレに行ったり、トイレに座ったりできるようになります。
3.知育
1・2歳は、色や形、大きさ、長さの違いなどが理解でき、記憶力が発達する時期。ママ・パパのやり方を見ながら「どうしたら同じようにできるかな?」など試行錯誤することが、考える力につながります。
もし「まねっこでお手本を見せるのが大変」「おむつはずれを促したいけれど、トイレに行くまねをしてくれない」など悩んだときは、DVDや絵本などを使うのもおすすめ! 子どもの興味を引く教材だと、まねっこ心が刺激され「やってみたい!」という気持ちが自然と引き出されますよ。
夏は、子どもの成長を促すのに最適な季節。たとえば、着替え。夏は薄着になるので、子どもでも脱ぎ着しやすいですし、おむつはずれも、夏は汗をかくのでおしっこの間隔が開きやすく、トイレに誘うタイミングがつかみやすくなります。また水に触ると気持ちがいいので、外から帰ってきたら手を洗う習慣などもつけやすいでしょう。そのため、この夏はまねっこで誘いながら、少しずつ自立を促してみましょう!(文・麻生珠恵)
取材協力/こどもちゃれんじ