産後の骨盤トラブルを軽くするツボと、触れるだけで体が変わる「骨盤調整法」
やさしく触れるだけで変わる骨盤調整法。難しい知識は一切不要、わずか数分で変化します。
力をなるべくかけない骨盤調整法で産後の骨盤トラブルを解消するべく、効果的なツボを鍼灸師の和田浩さんに解説いただきました。
和田 浩
整体師・鍼灸学士
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1969年1月14日 生まれ 山羊座 O型
明治国際医療大学 鍼灸学部 鍼灸学科卒(6期生)
骨盤をはじめとする全身骨格を軽く触れる程度のタッチで調整する手技を研究している。
まずは出産でゆがんでいないか、骨盤をチェック
骨盤の形状と位置は皮膚の上から触れて確認することができます。
それは体表解剖学の考え方に基づいています。
「骨盤に触れて痛みを感じる」あるいは「こそばゆく感じる」などは、骨盤が非対称に歪んでいる証拠です。
正常骨盤は、こそばゆく感じたり痛みを感じることはありません。
非対称部分が増えて歪みが増すと、痺れが現れることもあるので注意が必要です。
産後の痛みや違和感のほとんどは“骨盤歪み”に起因します。
産後の骨盤ケアを怠ったために、産後何年もの間、腰痛や恥骨痛などに苦しむママさんは少なくありません。
しっかりと骨盤の歪みと非対称部分を確認して自分の癖を知りましょう。
チェック箇所は大きく2つあります。
ひとつはベルトのすぐ下の腰骨です。
これは、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と呼びます。
ポケットに手を差し入れるとき、てのひらにその骨の突起を感じることでしょう。
また、お風呂上がりなど、鏡を前に正面を向き、目で見て上前腸骨棘の左右バランスを確認する方法もあります。
自分の体が歪んでいると、自分で見ただけでは骨盤の非対称はイマイチ分かりにくいときもあります。
そんなときは友人やご家族の方に手伝ってもらい確認しましょう。
もうひとつは尻えくぼ付近にある骨の突起です。
これは、上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)と呼びます。
自分では確認しにくいため、他人に手伝ってもらい後ろから尻えくぼの左右バランスを確認してもらいましょう。
腰骨も尻えくぼもチェック方法は同じです。
骨の突起に親指や人差し指の腹を当てて高さ違いを感じましょう。
産後の骨盤ケアに効くツボ
まずは、産後の骨盤調整に効果のあるツボを18カ所紹介します。
骨盤(正面)
(C)和田浩
骨盤(背面)
(C)和田浩
股関節を曲げたときに線ができるところが第1腰椎のツボです(パンツのライン)。
腰骨(上前腸骨棘)は、第3腰椎のツボです。
その間に第2腰椎のツボがあります。中指か人差し指の指腹が自然に触れやすいでしょう。
尻えくぼのところが第5腰椎のツボです。ウエストの一番高いところは、第4腰椎のツボです。親指の腹が触れやすいでしょう。
仙骨を整えるツボは左右で8箇所あります。
上から、
「上髎(じょうりょう)」
「次髎(じりょう)」
「中髎(ちゅうりょう)」
「下髎(げりょう)」
左右合わせて「八髎穴(はちりょうけつ)」です。
軽く触れてへこんでいるところがそのままツボに当たります。
親指の腹が触れやすいでしょう。
仙骨の正中線から約1cm外側に縦に並んでいます。
尻えくぼの高さにあるツボはイラストの上から2番目、次髎に当たります。
一番下の下髎は尾骨に近いところです。
ほんのわずかな力でOK 簡単調整
体は外からの刺激に対して敏感に反応するようにできています。
今回の調整方法はそんな体の生体反応を利用するもので、強い力は不要です。
セルフでもできますが、友人やご家族に手伝ってもらうほうが骨盤の力が自然に抜けて調整しやすいでしょう。
具体的なやり方を紹介します。
1.ツボの位置を把握するため、後ろから両手でボールを挟むように骨盤を挟みます。
ツボをイラストで確認して、正確な位置がわからなくても大丈夫です。
骨盤を持ちやすいように持つと指先が自然とツボに当たるようになっています。
2.骨盤のお腹側にある第1〜第3腰椎のツボは人差し指か中指の腹で、骨盤の背中側にある第4〜第5腰椎のツボは親指の腹を当てます。
3.仙骨にある8箇所のツボは親指の腹を当てます。
コツは指先を立てないことです。立てると力が入ってうまくいきませんので指先は伸ばしましょう。
4.触れて数秒、骨盤を意識し感じましょう。
骨盤のわずかな動きの変化を指腹を通じて感じることができます。
その際、歪みがわかっても調整方向に指先を動かすなど力をかけることはNGです。
骨盤の動きを感じることが、そのまま骨盤調整につながります。
回数は1日に1〜2回で十分です。
調整後はイスに座ったまま上半身が落ち着くまで1分ほど安静にしましょう。
コツは慌てずじっくり肩の力を抜いておこなうことです。
骨盤を調整することで腰椎も真っ直ぐになり腰痛解消の一助になります。
産後ママさんのご負担が解消されることを心より願っております。