【専門家監修】赤ちゃんの歯の生え方と離乳食との関係は?
「歯が生えていないと、手づかみ食べさせちゃダメ?」「まだ歯が生えないから、やわらかいとろとろのものばかり食べさせなきゃいけないの?」など、離乳食の進み具合と、子どもの歯の生え具合って、気になりますよね。
そこで今回は「歯の生え方と離乳食」について、管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。
舌の動きに注目しながら進めよう
歯が生え始める時期には、個人差がありますが、子どもの舌の動きに合わせて離乳食の形状やかたさ、とろみなどを調整します。
<子どもの舌の動きと離乳食の目安>
・5~6ケ月ごろ「舌を前後に動かせる」
→離乳食はなめらかにすりつぶした状態のもの。ポタージュ状からはじめて、ペースト状へ移行していきます。
・7~8ケ月ごろ「舌を上下に動かせる」
→離乳食は舌でつぶせるくらいのかたさ
のもの。みじん切り、粗みじん切りなどの形状が食べられるようになります。
・9~11ケ月ごろ「舌を左右に動かせる」
→離乳食は歯ぐきでつぶせるくらいのかたさのもの。形状は8mmの角切りにしたものが食べられるようになります。
おじややポタージュ状のようにやわらかすぎるものは、まる飲みになりやすいので、形状やかたさが発達に合っているかチェックしてみてくださいね。
とろみは食品の状態に合わせ、かぼちゃのようにとろみがあるものはそのまま、肉や魚のように加熱するとかたくなるものは、水溶き片栗粉でとろみをつける、といった工夫をしましょう。
前歯が上下生えたら、ゆで野菜スティックなど、前歯を使ってかじりとれるメニューも1品程度用意するといいですね。
上下8本の前歯が生えたあとの 離乳食におすすめのメニュー
上下8本の前歯が生えるころには、舌もスムーズに動かせるようになっています。まだ上下8本生えそろっていなくても、煮込みハンバーグ程度のかたさのものであれば、歯ぐきでかむことができるように。
以下のメニューはどれも前歯でかみ切りやすいものばかり。前歯が生えたら、ぜひ試してみてください。
・やわらかく煮たスティック状の根菜
・かぼちゃやさつまいも、じゃがいもをお団子状にしたものや煮もの
・薄切りりんご
・バナナの輪切り
・1口サイズのいちご
・角切りのフレンチトースト
・角切りの蒸しパン
手の込んだものでなくても大丈夫。子どもの舌の動きやかむ力に合わせたメニューを出すことが大切です。
【こんなときどうする?】歯の生え方と離乳食に関するQ&A
歯の生え方と離乳食に関する素朴な疑問・お悩みにお答えします。
Q.歯が生えるのが遅い子の離乳食はどうすればいいの?
A. あせらずゆっくり進めればOK。月齢にこだわらず、舌の動きに合わせた形状やかたさ、とろみに調節してあげましょう。
Q.離乳食をまる飲みしてしまう子へはどうすればいいの?
A,モグモグできる大きさ、かたさのメニューにします。1cmの角切りや輪切りがおすすめ。
奥の歯ぐきを使うことを促せる、薄切りのりんごや、とうもろこし、さやいんげんなどのかみごたえのある野菜を使用したり、野菜のソテー、ひじき煮などのいろいろな食材を試したりすることで、モグモグする練習をすることができます。
早食いがまる飲みの原因になっていることがあるので、ゆっくり食べられるように、楽しい声かけをするのも効果的です。
太田先生によると、歯は食べ物のかじりとりができる器官であり、食べ物のかたさを感じるセンサーのようなものなので、歯を使って食べ物をかじりとることで、子どもは食材を理解していくんだそうです。
上下の前歯が生えそろったら、歯を使う練習になるようなメニューを取り入れてみてはいかがでしょうか。
(文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2019/08/20
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