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はいはいはいつごろからするの?しない子もいるの?【小児科医監修】

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olesiabilkei/gettyimages
olesiabilkei/gettyimages


寝返りやおすわりが上手になり、腕や脚に力がついてくると、多くの赤ちゃんがはって移動を始めるように。ずりばいからはいはいへとステップアップするのが一般的ですが、はいはいにはいろいろなスタイルがあり、なかには、はいはいをしないままつかまり立ちに進む子も。
赤ちゃんによってさまざまな道筋を通るはいはいについて、慶應義塾大学病院小児科教授の高橋孝雄先生に教えてもらいました。

ずりばいってどんなこと?

はいはいビギナーの赤ちゃんが、最初に挑戦することが多いのがずりばい。手や脚で床を押したり引いたりして移動する方法です。

ずりばいは、おなかを床につけたまま上半身の力で移動するスタイル

ずりばいは、うつぶせ姿勢でおなかを床につけたままひじでこいだり、腰をひねりながらひざをずって前に進むスタイル。主に上半身の力を使って移動します。「ほふく前進」のようなもので、腰やおしりを高く上げないのが特徴です。
首がすわって頭、肩、手指の神経がつながれば、ずりばいが可能に。7~8ヶ月ごろに始める赤ちゃんが多いですが、寝返りができないとずりばいもできないので、寝返りを始める時期によってずりばいを始める時期は変わってきます。
ずりばいは、はいはいの1~2ヶ月前から始めることが多く、ずりばいからはいはいにステップアップするのが一般的です。

慣れないうちは後ろに進んだり、ぐるぐる回転したりすることも

ずりばいを始めて間もないころは、左右の腕の力や使い方が均等でなかったり、腕と脚の動きを連動させることに慣れていなかったりするため、前に進みたいのに後ろに下がってしまったり、同じ場所でぐるぐる回転したりする姿がよく見られます。
これは、ずりばいの初期によくあることで、発達に何か問題があるわけではありません。ずりばいを繰り返すうちに前に進むコツを身につけていくので、赤ちゃんが頑張る姿を見守り、応援してあげましょう。

ずりばいの時期に気をつけることは?

前に進むつもりが後ろに進んでしまったり、ぐるぐる回転しながら思わぬ方向へ移動してしまったりすることがあるので、赤ちゃんがずりばいをする場所には、ぶつかった拍子にけがをするものなど、危ないものを置かないようにします。
赤ちゃんの前方は注意していても、後方はチェックが甘くなることがあります。全方位を確認する習慣をつけてください。
おなかを床につけた状態で移動するので、フローリングのような摩擦が少なくて固めの床のほうがスムーズに進めます。
ふかふかしたやわらかいじゅうたんなどの床は、進みづらいばかりでなく、ずりばいに疲れてうつぶせになったとき、顔が埋まって窒息する危険性もあります。そういう場所ではずりばいをさせるのはやめましょう。

はいはいってどんなこと?

腰がすわり、腰と脚で胴体を支えられようになると、腰やおしりを高く上げて移動するはいはいを始める子が多くなります。
「はいはい」と聞いて多くの人が思い浮かべるスタイルです。

はいはいは、腰とおしりを高く上げた姿勢で移動するスタイル

はいはいは、両手両ひざを床につけ、腕と脚を交互に出して移動するスタイル。ずりばいと違って、腰やおしりを高く上げ、おなかを床につけない状態で移動するので、腰がすわり、腰と脚を使って胴体を支えられるようにならないとできません。
乳児健診では、手、脚、腰で体を支え、手と脚を交互に出して移動できるようになったら、「はいはいができた」と見なします。なお、おなかを床から持ち上げて、両ひじを床につけて進む「ひじばい」は、ずりばいではなくはいはいです。
ずりばいからはいはいに移行する赤ちゃんが多いですが、ずりばいをせずにはいはいから始める赤ちゃんも少なくありません。
はいはいを始める時期や方法、ステップアップのしかたは赤ちゃんによって十人十色。中には、はいはいをせずにつかまり立ちを始める子もいます。「どの道を通るのが正解」というものはないので、赤ちゃんが好むスタイルを尊重し、応援しましょう。

はいはいの時期に気をつけることは?

はいはいができるようになった赤ちゃんは、ママやパパが想像する以上に遠くまで移動し、ちょっと目を離したすきに思わぬ場所にいることもあります。
「まさかここまで来ないだろう」という油断から、赤ちゃんを危険な目に遭わせてしまうことも…。
はいはいを始めたら実行すべき安全対策についてご紹介します。

●段差を乗り越えないようにする
階段はもちろん、ちょっとした段差でもバランスを崩して転倒することがあります。転落・転倒の危険性がある場所は入れないようにガードをつけます。

●暖房機器がある場所、キッチン、浴室などは立ち入り禁止にする
触ったら危ないものがある場所や、やけど、水の事故などが起こりやすい場所は、鍵をかけたり、入り口にゲートをつけるなどして立ち入り禁止区域にします。

●テーブルなどの角をガードする
自分が行きたい方向へはいはいで進んでいく赤ちゃんは、周囲にあるものを見ていません。そのため、テーブルや家具などの角にぶつかってけがをすることがあります。角張っているものはすべてガードをつけましょう。

●コンセント部分をふさぐ
赤ちゃんがコンセント部分で遊ばないように、使っていないコンセントをふさいだり、コードに触れないようにするなど、感電事故対策を施します。

●引き出しや扉にはロックをつける
はいはいの姿勢で手が届く場所にある引き出しや扉は開けてしまうことがあるので、チャイルドロックをつけてください。取っ手が金属製などでぶつかるとケガをする可能性がある場合は、ガードもつけます。

●口に入れたら危ないものは置かない
はいはいをしながら見つけたものは、なんでも口に入れると考えましょう。口に入れたら危ないものは、手の届く場所から取り除きます。ゴミ箱をひっくり返して中のごみを口に入れることがあるので、ごみ箱も赤ちゃんが行けない場所に置くようにして。

ずりばい・はいはい以外にはどんなはいはいがあるの?


はって移動する方法は、ずりばいからはいはいへ移行する赤ちゃんが多いのですが、はいはいのスタイルはほかにもいろいろあります。
どれを選ぶかは赤ちゃん次第。個性と考えていいでしょう。代表的なものを紹介します。

高ばいやひじばいは、よく見られるはいはいのスタイル

●腕と足を伸ばした状態で移動する「高ばい」
ひざを床につけず、腕と脚を伸ばした状態で移動するのが「高ばい」。四足歩行の動物のように進むので、「熊歩き」とも呼ばれます。
はいはいが上手になり、手脚の筋肉がしっかりしたあとにできるようになりますが、高ばいはせず、はいはいのあとつかまり立ちに移行する赤ちゃんもけっこういます。

●ひじを勢いよく床について移動する「ひじばい」
上半身を起こした状態で、左右のひじを交互に床につけて移動するのが「ひじばい」。腕や肩の筋力が強い赤ちゃんに見られるスタイルです。移動するときひじを勢いよく床につくため、かたい床だとひじが痛くなってしまいます。畳やマットの上などでやらせてあげるといいでしょう。

おすわり姿勢で移動する「シャフリング」もはいはいの一種です

はって移動することをせず、おすわりの姿勢のまま移動するのもはいはいの一種。「シャフリング」「しりばい」と呼ばれ、このスタイルで移動する赤ちゃんのことを、「シャフリングベビー」「シャッフラー」と呼ぶことがあります。
短期間のシャフリングのあとはいはいに移行する赤ちゃんもいれば、はいはいはしないでシャフリングからつかまり立ち、伝い歩きへと移行する赤ちゃんもいます。
いわゆるはいはいをしないことで、発達の心配をするママ・パパも多いのですが、医学的にはシャフリングのことを「一般的ではないが珍しくはなく、異常ではない」と考えられています。
歩き始める時期が遅めになる傾向はみられるものの、その後の発達は問題なく進みます。これも赤ちゃんの個性だと思い。見守ってあげましょう。

ただし、まれに障害や病気が原因でシャフリングをする赤ちゃんがいます。とくに運動発達が遅い、声が弱々しいなど筋肉の力が弱い可能性があるとき、また、笑わない、喃語が出ないなど知能の発達に気がかりな点があるときには、小児科医に相談してみるといいでしょう。

はいはいのやり方は赤ちゃんが好きなスタイルでOK

はいはいにはいろいろな方法があり、さらにそこに赤ちゃんが独自に編み出したスタイルが加わることも。「うちの子のはいはいはほかの子と違う」と心配するママは少なくありませんが、ユニークなはいはいをしていても問題ありません。その子にとっていちばん移動しやすい方法なので、そのスタイルを尊重してあげましょう。
でも、どうしても気になる場合は小児科や子育て支援センターなどに相談を。心配が解決できれば、赤ちゃんのはいはいを心から応援できますよ。

ずりばい・はいはいの気がかりを解決しましょう

ずりばい・はいはいは、早くても遅くても発達に問題があるのでは?と不安になってしまうことがあります。
わが子がずりばい・はいはいをする姿を見守り、応援するには、ずりばい・はいはいの気がかりを解消しておくことが大切です。

ずりばい・はいはいの練習は必要?

はいはいをしないことで運動発達が遅くなったり、その後の成長に不具合が生じることはありません。
でも、はいはいをたくさんした子は、体幹や肩甲骨の発達がよりよかったり、バランス能力の育ちがいいともも言われているので、赤ちゃんが「はいはいをしてみたい」「はいはいって楽しそう」と思えるようなはたらきかけをすることは大切です。
ただし、やりたがらないのを強制したり、訓練のように行うのはNG。遊びの中で楽しく誘ってみてください。

●赤ちゃんの目線の先に好きな物を置く
手が届きそうで届かない場所にお気に入りのおもちゃを置いて、興味を引いてみましょう。おもちゃを取りたくて前に進もうとしたら、ママやパパも腹ばいになって、同じ目の高さで赤ちゃんを応援すると効果的です。

●ママやパパがお手本を見せる
ママやパパが楽しそうにずりばいやはいはいをして見せると、「楽しそう」「やってみたい」と意欲が高まります。

ずりばい・はいはいの気がかりQ&A

Q. 生後4ヶ月でずりばいを始めました。早すぎることで何か支障が出ることはありますか。

A. 早くから始めても問題はありません
ずりばいを始める時期が早くても問題になることはありません。ずりばいをするための機能が十分に整う前に始めた場合は、バランスが悪く、体の動かし方がぎこちないかもしれませんが、続けるうちに体の動かし方を覚え、スムーズに進めるようになるでしょう。

Q. 生後10ヶ月になってもはいはいをしません。太めで体が重いせいでしょうか。

A. 太めちゃんは多少はいはいを始める時期がゆっくりになるかも
太めの赤ちゃんは体が重い分、はいはいのコツをつかんで動き出すまでに、少し時間がかかるかもしれません。また、これまでの発達がゆっくりだった場合は、はいはいが始まるのも遅くなりがち。赤ちゃんが自由に動けるスペースを作り、赤ちゃんがその気になるのを待ちましょう。

Q. はいはいをする前につかまり立ちをしました。はいはいをしないと足の発達に影響が出たりしますか。

A. 足腰が弱くなるなどの心配は不要です
はいはいをしないでつかまり立ちを始める赤ちゃんはそう珍しくありません。つかまり立ちができるのは、それだけ足腰の筋肉やバランス感覚が発達しているということ。今後の発達に影響が出たり、足腰が弱くなったりすることはありません。はいはいには「転んだときに手が出やすくなる」「体を腕で支えるため、腕の筋肉が鍛えられる」などさまざまなメリットがありますが、これらは外でたっぷり遊ぶなどの経験を重ねることで十分に身につきます。

先輩ママたちの「はいはい」にまつわる体験談を紹介します

「下の子が9ヶ月のころはずりばいで、移動は高速ずりばいでした。そして、つかまり立ちもしていたので、このままはいはいはしないのかなぁと思っていたら、10ヶ月に入ってから、突然はいはいを披露してくれました」

「やっとはいはいを始めました。現在11ヶ月です。8ヶ月からずりばいを始めて、10ヶ月でつかまり立ち→伝い歩きでしたが、その間はいはいをする気配はまったくありませんでした。本人はずりばいで事足りているし、はいはいはないまま立っちかな?と思っていた矢先だったのでびっくりしました」

「7ヶ月でずりばいを始めて、そこからなかなかはいはいにいかなくて。その間に9ヶ月でつかまり立ちをして、あれ?はいはいはいつするんだろ?と思ったら、10ヶ月ではいはいとほぼ同時に伝い歩きも始めました。11カの月の今は、高速はいはいと伝い歩きで部屋中動き回っていて、数日前から少しずつ1人で立っちするようになってきました」

「小2の息子がはいはいをできたのは1歳1ヶ月でしたよ!! つかまり立ちのほうが早かったです。さらにびっくりなことは、歩けるようになったの1歳8ヶ月でした!!!! そんな息子も、今ではスポーツマンです」

「うちは3人ともだいたい6ヶ月にははいはいしていました。早いから運動神経がいいかといえば、わが家の場合それはまったくない運動音痴な家族です。思うに、うちははいはいしやすいすべらない床、つかまり立ちしやすい高さのテーブルなどもあり、やりやすさにつながったんだろうと思っています」

はいはいは個人差と個性が大きく表れるので、ママやパパは何かと心配になりますね。
でもどんなスタイルであれ、自分の意思で行きたい方向に移動できるのは、赤ちゃんにとって大きな喜び。体の発達はもちろん、心の発達にもとてもいい影響を与えます。
「はいはいが楽しい」という赤ちゃんの気持ちを共有し、親子ではいはいを楽しんでくださいね。
(取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/高橋孝雄 先生

※文中のコメントは「ウィメンズパーク」からの抜粋です。

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