「え、それで泣いてたの!?」はじめて意思疎通した日の感動【夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」#41】
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるのコラム連載「ママ芸人日記」第41回です。
【第41回】「え、それで泣いてたの!?」はじめて意思疎通した日の感動
息子がまだ赤ちゃんの頃、育児をしていて結構大変だなと感じたことは、「意思疎通ができない」ということでした。
赤ちゃんなのでそんなことは当たり前ですし、むしろ赤ちゃんのかわいいところでもあります。
しかし、毎日育児をしていると、泣き止まないときなどは特に、一体何が原因でそんなに泣いているのか、言葉で伝えられないとしても、表情や仕草でいいから気持ちを少しでも表わしてほしいなと切実に思いました。
何で泣き止まないのか、何で眠れないのか、嫌なことの原因を理解したくても、意思疎通ができない、リアクションもほぼ取れない赤ちゃんからは、それらの原因を読み取るのは難しい。
理解できないのは私の母親としての能力が劣っているからでは…?
そう思うこともありましたが、「理由なんて無いんだよ。何で泣いてるのかもわかんないけど何となく泣いてるんだから大丈夫」という旦那の言葉にとても救われたことを覚えています。
成長とともに、いろんなリアクションを見せてくれるようになった息子。
いないいないばあで笑ったり、絵本を読むと、驚いたような表情を見せたり笑顔になったり。
とは言え、まだまだ意思疎通ができるまでではありませんでした。
しかし、忘れもしない生後10ヶ月を過ぎたあたりのある日のこと。
その瞬間は突然やってきました。
そろそろお昼寝の時間かなと思い、いつものように息子に「ねんねしようか~」と話しかけたところ、首を横にブンブンと振る息子。
え…!今私の言葉に返事した…!?
確かめるように、今度は「お昼寝嫌なの?」と聞いてみると、コクンとうなずいた息子。
これは…完全に意思疎通ができている…!!
そう思った瞬間、どこからか光が差してきたような、心がパーっと明るくなる感覚がありました。
ついに、ついに、息子と意思疎通ができる日が来ました…!
来る日も来る日も夢に見ていた息子との意思疎通!
いきなり全ての言葉がわかるわけではないので、完全なる意思疎通というところまではいきませんでしたが、それでも意思を伝えてくれるようになったことはとても大きな進歩でした。
1歳9ヶ月になった今では、意思が強すぎて困ることも増えてきましたが、あの日の意思疎通の感動を思い出すと、息子の成長を感じ、胸がいっぱいになります。
これからもっと言葉を覚えていって、思春期に「クソババア」などと言われることがあったとしても、ひとまずあの日の感動を思い出し、落ち着こうと心に決めています。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。