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急増する子どものアレルギー。肌のケアがポイントだった!専門医に聞く

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2000年以降、アレルギーの研究は大きく進歩しました。特に小児アレルギーの世界では、かつての医療常識がひっくり返るような大きな変化が起きています。
その一方で、いまだに古く間違った情報を伝える本やネット記事は多く、多くのママやパパが混乱しています。
そこで、国立成育医療研究センター・アレルギーセンター センター長の大矢幸弘先生に、今の小児アレルギーの正しい情報を教えていただきました。

現代は5歳児の6割近くがアレルギー体質

日本を含む先進国では、この半世紀の間に子どものアレルギー疾患が急増しています。
国立成育医療研究センターで出産されたお子さんを調べた最近の調査では、5歳児の6割近くがアレルギー体質ということがわかりました。
年齢が上がるにつれて、アレルギー体質の子どもの割合は増えていきます。

子どものアレルギー疾患で多いのは、「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」「気管支ぜんそく」の3つです。
昔はアレルギーのメカニズムや治療法がわかっていない部分が多かったため、治療もホームケアも思うように進みませんでした。しかし、2000年前後に大きな医学の進歩が見られ、今ではこれらのアレルギー疾患は、重症者であっても日常に支障のない生活が送れ、薬物の副作用もなく治療を続けられるようになっています。
早期にきちんと治療することで、ほとんど薬のいらない状態にまで改善することが多いのが、小児アレルギー疾患の特徴でもあります。治療法などは個々で異なり、主治医とよく相談することが必要です。

アレルギー発症の一因は皮膚バリアの低下にあった!

昔はアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因物質)が妊娠中に母親から移行して子どもが食物アレルギーになり、アトピー性皮膚炎を発症すると考えられていました。しかし、現在ではそれは間違いであることがわかっています。

現在、最も有力な仮説は、文明化した環境とライフスタイルの変化がもたらす体の微生物叢(びせいぶつそう:ある特定の環境に生息する微生物の集まりのこと)の変化が、アレルゲンに対するIgE抗体を作りやすい体質(アレルギー体質)をもたらすというものです。

現在社会の乳幼児は、皮膚や気道(きどう)などのバリアが低下した場所から侵入したアレルゲンに対するIgE抗体ができやすい体質になっており、いったん、そのアレルゲンに対するIgE抗体ができると、次にそのアレルゲンが体内に入ったときにアレルギー反応が起こります。

乾燥肌や湿疹(アトピー性皮膚炎)がある部位は皮膚のバリアが低下して、外界のアレルゲンが侵入しやすくなっています。まだ食べたことのない食物アレルゲンには免疫寛容がないため、皮膚から食物アレルゲンが侵入すると、そのアレルゲンに対するIgE抗体を作る力が働いて食物アレルギーになりやすくなるのです。

アトピー性皮膚炎がある場合、皮膚を早く治療して良い状態を維持した方が、皮膚炎が長引いたお子さんよりも食物アレルギーが早く治る可能性があります。湿疹やぜんそくのあるお子さんは、薬で炎症をなくす治療を早めに受けて、その後も再発しないようにスキンケアをしたり環境整備を行ったりして、症状がない状態を維持しましょう。
特にアトピー性皮膚炎は軽症な方ほど自然治癒が期待できますので、重症化する前に治療を始めることが大切です。

アレルギー体質が始まるメカニズム


通常は顆粒層より下にあるランゲルハンス細胞(紫や青の部分)が、アレルゲン(黒い粒)の進入を感知すると活性化して角層まで樹状突起を伸ばし、アレルゲンを体内に取得してしまい、アレルギー反応が起きます体質になる情報を他の免疫細胞に伝えます。

監修/大矢幸弘先生

※記事内容、監修者の肩書、年齢などは2020年1月当時のものです。

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