【発育発達3歳】個性の差が目立ち始め、社会性が伸びる!

1人1人の個性の違いが目立ち始めたり、お友だちとのかかわりの中でたくさんのことを学ぶ3歳児クラス。おうちの方のかかわり方もお子さんの力を伸ばすポイントになるのだとか。
この時期の成長発達の特徴やかかわり方のコツについて、乳幼児の心と体の研究の第一人者でありお茶の水女子大学名誉教授の榊原洋一先生に伺いました。
ヒトとしての基本的な機能がほぼ整ってきます
歩く・話すなど、人間の基盤となる体と心の基本的な機能がほぼ整ってきます。
体の発達では、片足ずつ階段を下りる、数秒片足立ちする、スキップをし始めるなど、バランス感覚を求められる動きもできるように。洗濯物を畳むなどの役に立つお手伝いや、ペットや植物のお世話を大人と楽しむようにもなります。
言葉の発達面では、「明日、晴れるといいな」など、文と文をつなげて話したり、「なぜ?」「どうして?」と大人に質問することも増えます。
また、自分の欲求を言葉で伝えられるようになり、イヤイヤ期から少しずつ卒業できていきます。
1年かけて、基本的な生活習慣は一人でできるように
最初はサポートが必要な部分もありますが、スプーン・フォークや箸を使って食べる、着替える、手を洗う、トイレに行くなどの生活習慣は徐々に1人でできるようになります。
おむつが必要だった子もほとんどが卒業します。
社会性がグンと育つ時期です
保育園では幼児クラスになり、年中さん、年長さんといっしょの活動も増えます。いざこざも起こりやすいですが、少しずつ遊具などを譲り合って遊ぶ様子も出てきます。
1日の生活の流れに沿った時間の感覚もつくように。お友だちとの遊びに消極的だった子も、保育士さんがサポートしながら鬼ごっこなどの簡単なルールのある遊びに参加したり、店員さんとお客さんなどの役割とストーリー性のあるごっこ遊びを楽しめるようになります。
お友だちと遊ぶ中で、「●●くんが遊んだら次は▲▲ちゃんだよ」などとリーダータイプの子がいたり、みんなの様子を見ながら慎重に遊ぶ子など、子どもの個性の差が表れ始めます。また、ルールを守って行動する、自己主張しながらもお友だちに「大丈夫?」などと思いやる気持ちも出て、社会性が育ちます。
同時に、お友だちとのかかわりで負けて悔しい思いをしたり、がまんすることなどが増え、自立と甘えが交錯することも。
子どもの話しはしっかり聞いて、「悔しかったね」などと気持ちを受け止めてあげると頑張る力の源になるでしょう。
■監修:お茶の水女子大学名誉教授 榊原洋一先生
東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学副学長などを経て、現在はお茶の水女子大学名誉教授、ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。
※記事内容、監修者の肩書、年齢などは2020年3月当時のものです。
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