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赤ちゃんの体調が悪い…授乳や離乳食は続ける?休ませる?

赤ちゃんのジムで遊んで赤ちゃん
PHOTON09/gettyimages

最終回のテーマは、「赤ちゃんの体調が悪いときの授乳・離乳食」についてです。赤ちゃんの体調が悪いときでも、いつも通り授乳や離乳食を続けたほうがいいのか、何を食べさせるのがいいのか…と迷うママ・パパは多いのではないでしょうか。
2才と4才のお子さんを子育て中の小児科医・泰道麗菜先生が、日々の診療の中で、ママ・パパたちに伝えたいさまざまな情報を発信します。「ママ小児科医の”コレが気になる”」#14

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大人も子どもも、食欲=健康のバロメーター

新しい環境での生活や日常のリズムの変化でお子さんの体調が崩れやすい時期ですね。今回は風邪や熱で食欲が落ちてしまったり、下痢や吐きけがあるときの授乳や食事の注意点についてお話します。

小さな子ども、とくに赤ちゃんは具合が悪くても自分で訴えることはできませんが、体調が悪いときに食欲が落ちるのは、大人も子どもも一緒です。
まさに“食欲は健康のバロメーター”。子どもの食欲がないときには、無理に食べさせるのではなく、まずその原因を探ってみましょう。

鼻詰まりやせきも食欲低下の原因に

一見、元気そうでも鼻が詰まっていたり、せきが続いているときには食欲が落ちることがあります。とくに赤ちゃんの場合、鼻が詰まると呼吸がしにくくなり息継ぎができなくなるので母乳やミルクの飲みが悪くなることはよくあることです。授乳前に鼻水吸い器などで、鼻水を吸ってあげると鼻が通りやすくなり、飲みやすくなります。また一度にたくさん飲めなかったり、せき込みが強くてむせやすいときには、少量ずつこまめに飲ませるのがいいでしょう。

のどが痛いときや口内炎などで口が荒れているときにも、授乳や食事を嫌がることがあります。
ミルクの場合は温度に気をつけて、食事は酸味のあるものや味の濃いもの、熱いもの、かたいものは痛みが出やすいので避けましょう。豆腐や冷やしうどん、ゼリーなど口あたりがよくさっぱりしたものがおすすめです。

発熱時は、エネルギー源になりやすいものを中心に

発熱があるときは、エネルギーを消費しやすく、体から水分も奪われがちです。食欲がないときには食事は消化がよく、エネルギー源になりやすい炭水化物を中心に、水分を多く含むものを食べさせるといいでしょう。
食材をこまかく刻んだり、やわらかく煮込むことでも消化がよくなります。おかゆ、煮込みうどん、野菜スープやおみそ汁などがおすすめです。

吐きけ、下痢の症状があるときは消化のいいものを

吐きけや下痢があるときは、飲んだり食べることにより症状を悪化させてしまうのでは…という不安が大きく、いつ何を与えていいのかわからないママ・パパが多いと思います。

嘔吐(おうと)や下痢の原因のほとんどは急性胃腸炎です。何も口にできない状態が続くと、脱水症状を起こしたり、かえって消化管の機能が悪くなることがあります。症状が重くなる前にお子さんの状態を見ながら、水分や食事を与えるタイミングを見極めることがポイントです。

まずは吐いた直後や吐きけがあるときには、しばらくは水分も食べ物も口にしないで様子を見ることが大切です。市販のものや病院で処方された吐きけ止めを使ってもいいでしょう。そして30分〜1時間程度症状がない、またはおさまってきているようなら、まずは水分からとらせてみてください。

水分はいきなり哺乳びんやコップで飲ませるのではなくて、ティースプーン1杯程度から始めて少しずつ量を増やしましょう。

嘔吐、下痢があるときには、体から塩分も奪われやすく、また塩分の吸収には糖分が必要です。水分をとるのと同時に適度な塩分、糖分を摂取するようにしましょう。

理想的なのは、市販の経口補水液(OS-1やアクアライトORSなど)(※)ですが、お子さんによっては味が嫌で飲みにくい場合があります。飲めないときは湯冷ましや麦茶、乳児用イオン飲料、おみそ汁や野菜スープなどを飲ませてもいいでしょう。

母乳やミルクも最初は少なめに飲ませて、吐かないようなら量や回数を増やして、徐々に通常通りの回数や量に戻しましょう。

最新の急性胃腸炎の診療ガイドラインでは、下痢があっても母乳やミルクをやめる必要はないし、薄める必要もないことが強調されています。また水分をとっても吐きけや嘔吐がなくなれば“できるだけ早くに食事を始める”ことがすすめられています。

下痢があるときに食事を始めると、一時的に下痢の回数や量が増えますが、絶食にしても胃腸炎が治るまでの期間に変わりはなく、むしろ体重の回復が遅いことがわかっているのです。

食事の内容は年齢に合った通常の食事でいいとされていますが、消化のよいものがおすすめです。消化の悪いものを食べさせてしまうと、胃や腸に負担がかかるので避けましょう。

【消化のよいもの】
おかゆ、うどん、食パン、すりおろしたりんご、バナナ、豆腐、白身魚、繊維質の少ない野菜など

【消化の悪いもの】
脂肪分や糖分の多い食品や飲み物、乳製品、食物繊維の多いもの、冷たいものや辛いものなどの刺激物や酸味の強いかんきつ系の果物

もちろん、嘔吐や下痢が頻回に続く場合や様子を見ても水分が全くとれないとき、尿が少ない、顔色が悪い、ぐったりしているなどの症状があるときには、早めに病院を受診してください。


※経口補水液は、塩分・糖分などの成分が脱水症状に適したバランスに調節されている飲み物です。商品に記載があるように医師の指示に従って与えるのが基本です。しかし、「ひよこクラブ」では、監修の医師のもと、緊急時は医師の指示を得ずに与えてもいいと考えています。量は授乳1回分か、コップ1杯(100㎖)を目安にしてください。

理想的な食事や避けたほうがいいものをあげるとキリがありませんし、その線引きがなかなか難しいものもあります。子どもの食欲がないときには、まずは体の調子に合わせて、食べたいものを食べさせてあげることも大切です。

好きなものを食べることで逆に食欲がわいてくることもあるかもしれません。「栄養がつかないのでは?」「栄養が偏ってしまうのでは?」と心配するママ・パパの気持ちもわかりますが、体調が回復すれば徐々に食欲は戻りますから、バランスのよい食事はそれからでも大丈夫。

一つ注意することは、体調が悪いときにはアレルギー症状が出やすくなるので、初めての食材やアレルギー症状を起こしやすいものはあげずに、食べ慣れたものを食べるようにしてくださいね。

文・監修/泰道麗菜先生 構成/ひよこクラブ編集部

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泰道麗菜先生
Profile
神奈川県小田原市にある横田小児科医院の小児科医。アレルギー疾患を専門に、大学病院の小児科などを経て2018年より現職。2人のお子さんのママという目線からも、地域のママ・パパに寄り添った診療をしています。

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