【新型コロナ】NY在住ママが不安に思うことをワシントンの医師に聞いた動画が話題
米国・ニューヨーク在住の愛波文さんは、著書『ママと赤ちゃんのぐっすり本』や、さまざまな育児メディアで連載等をもつ乳幼児睡眠コンサルタント。赤ちゃんの睡眠メソッドについての講演などもわかりやすいと好評です。その愛波さんがアップしたYouTubeの動画が育児中のママ・パパたちの間で評判になっています。
ひとりのママの素朴な疑問を医師に質問
その動画は8才と5才の2人の息子を育児中の愛波さんが、新型コロナウイルス、その感染症についての疑問や不安に思うことを医師に聞いたもの。2画面で愛波さん、ワシントンD.C.で総合内科医をつとめる安川康介先生との会話が続きます。
愛波さんと感染症専門医の資格をもつ安川先生はもともと高校の同級生だといいます。だからか、今、ママ・パパたちがなかなか専門家に聞けないような素朴な疑問と応答が展開されています。動画「新型コロナウイルスとは?致死率&私たちに何ができるのか」の内容を一部紹介します。
1000人の人が感染したら50人が呼吸器が必要になる病気
愛波さん コロナウイルスってわかっていないことも多く、情報もいっぱいありすぎて、2児のママだし不安に思うことが常にあるのだけど、そもそも新型コロナウイルスってなに? 一般の人たちはどうやったら予防できるの?
安川先生 新型コロナウイルスは12月の終わりぐらいから中国で始まって、本当にわかっていないことが多いウイルスです。正式名称は「SARSコロナウイルス2」といいます。
医者からするとコロナウイルスはもともとあって、普通の風邪のウイルス、という印象が強いのですが、コロナウイルスにもいくつか種類があって、普通に鼻水が出たりとかのウイルスがいる一方で、肺とか下気道とかに親和性の高いコロナウイルスというのがいて、それがSARSとか2012年のMERS。今回も肺炎を起こしやすいウイルスなので、怖いウイルスです。
インフルエンザと比較するとわかりやすいと思うので、インフルエンザは致死率0.1%くらい、感染して入院が必要な人が1%くらい、といわれています。今回の新型コロナウイルスは、中国だけのデータ見ると、致死率が2%とか3%とか。入院が必要な人が20%とか。季節性のインフルエンザよりはるかに重症化しやすく、死ぬ人数も多い印象です。
結構重い症状、肺炎を起こしたり、酸素の濃度が低くなる人が15%くらいいて、5%の人がかなり重症、呼吸器につなげなくてはならなかったり、ひどい肺炎を起こすといわれています。
今ニューヨークでものすごい数の人が感染していて、一気に病院に呼吸器が必要な人が来て限界を超えている病院もあるという話なので、日本でもそれは起こりかねないと思う。
ワクチンの開発は何カ月も何カ月も先になる
安川先生 季節性のインフルエンザだとワクチンと治療薬があるけれど、新型コロナウイルスについては、まだ確立した治療が無く、ワクチンもない。
愛波さん ワクチンは、作るのにどのくらいかかるの?
安川先生 開発してから臨床試験をしなくてはいけないので、何カ月も何カ月も先になると思います。
愛波さん ニューヨークで話題になっているのは、回復した人から予防の何かを抽出できるということだけど…
安川先生 抗体を抽出して、感染した人に投与するということも試験的に行われていて、どのくらい効果があるかはまだわかっていません。
人はだいたい1時間に16回とか23回とか顔を触っている
愛波さん 本当に気をつけているけれど、自分がなる可能性も全然あると思っているのだけれど、私たちはいったい今何ができるの?
安川先生 感染ルートは2つあるといわれていて1つは飛沫感染、くしゃみとかせきとかをしたときに唾液とかに交じってウイルスが飛び散って、それがほかの人の粘膜などについて感染するというもの、
後はウイルスがついた人や物に触る、それを触ってその手で目とか鼻とか口とかを触って感染する接触感染という方法があり、この2つの感染経路を気をつけたほうがいいと思う。
飛沫感染で言えば、くしゃみとかせきをしたときに粒が比較的大きいから、2メートルぐらいいくと落ちてしまうから、2メートルくらい離れたほうがいいと推奨されています。
接触感染でいえば、ウイルスが付いたものを極力触らない、触った手で顔などを触らない、あとは手洗いとアルコールでの消毒が効果的だといわれています。
人は結構顔を触っていて、ビデオ撮って観察した研究では1時間に16回とか23回とか顔を触ってることがわかっている。それは気をつけて、あとは手洗いとアルコール
愛波さん アルコールは何%以上?
安川先生 (米国では)60%以上。厚生労働省は70%以上と言っている。ウイルスには、膜があるウイルスと膜がないウイルスがあって、今回のコロナウイルスは膜を持っているウイルスで、膜があるから対処しやすい。ウイルスの膜は油でできていて、石けんとかアルコールはその膜に入りこんでその膜を壊すので、石けんはすごい効果的。時間はかかるので、20秒は石けんをつけて手を洗うことが推奨されている
愛波さん うちも洗っている間、ハッピーバースデーの曲を2回歌っています。アルコール除菌も何秒かやらなくてはいけないの?
安川先生 全体的にすり込めばいいと思う。
以上、動画「新型コロナウイルスとは?致死率&私たちに何ができるのか」より
愛波さんがYouTubeで公開した動画は現在5本。今後も出していく予定だそう。愛波さんは「長男の学校が休校になった20年3月初旬から外出自粛の生活を送っていますが、自宅のマンションや近所のスーパーでも新型コロナウイルス感染症で亡くなった人がいる」といいます。
「密室、密集のスーパーへの買い物は厳重に防備をして、10日に1回ぐらいにしています。もちろん行くのは夫か私のどちらかだけ。でも本当にウイルスがどこに存在しているのかわからなくて怖くて、怖くて」
安川先生も5才の娘さん、2歳の息子さんのパパ。愛波さんと安川先生の同級生だからきけるフランクなやりとりは、わかりやすく胸に響いてきます。
愛波さんがUPしている動画
1回目【新型コロナウイルスとは?致死率&私たちにできること】
2回目【外出するときに気を付けること・テイクアウト・デリバリーに関して】
3回目【次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに有効なのか】
4回目【新型コロナウイルスは皮膚から感染するの?】すり傷やささくれなどどうすればよいのか。
5回目【子どもは新型コロナウイルスは重症化するのか】
●文/ひよこクラブ編集部