NY在住の乳幼児睡眠コンサルタント「街がまるで映画のよう、悲しい」日本のママに伝えたいこと
![生後2カ月「ママじゃないと寝ない」にパパのできること 米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントに聞く](https://img.benesse-cms.jp/tamahiyo/item/image/normal/resized/resized_1ead3ea7-90b2-4d3d-8dbb-dd741228894c.jpg?w=100&h=60&resize_type=cover&resize_mode=force)
![外出禁止令3週間のNY在住のママたちがしている、毎日をポジティブに過ごすコツ](https://img.benesse-cms.jp/tamahiyo/item/image/normal/resized/resized_7984fc30-dfb8-4cdb-9b0c-0efead96cb2c.jpg?w=100&h=60&resize_type=cover&resize_mode=force)
緊急事態宣言が日本でも4月7日に発出されましたが、米国・ニューヨークでは3月22日から外出禁止令が発令され、3週目を迎えています。そこでたまひよONLINEで乳児の睡眠について連載してもらっているニューヨーク在住の乳幼児睡眠コンサルタント・愛波文さんに、2児のママとして、街の様子や気をつけていること、今感じていることや、日本で育児をしているママたちに伝えたいことを聞きました。前後編でお伝えします。
3週間前のニューヨークは、今の日本と近いかもしれない
私は、現在ニューヨークを拠点に乳幼児の睡眠コンサルタントとして活動しています。幼少期からアメリカで育っているので、今のニューヨークを見ると、どうしてこんな風になっちゃったの、と悲しくなるときがあります。
外出できない生活が始まって3週間目になり、今は本当に毎日が現実味のない映画のような生活です。
日本は対応が遅い、という批判もありますが、私も3週間前までは今のような恐怖を感じていませんでした。3週間前のニューヨークは、今の日本と似ていたかもしれません。
もし、3週間前の自分にメッセージを伝えられるのであれば、「本当に大変なことになる」ということを伝えたいです。
駐車場で検温してから小児科を受診
保育園は稼働しています。次男を預けていたのですが、長男の学校の休校が3月12日からで、次男も同じ日から保育園をお休みしています。医療従事者をはじめ、働かなければいけない人の子どもたちに病気を感染させたら迷惑をかけてしまうと考えたからです。
小児科も診療してくれています。かかりつけの病院は、2才までは健診や予防接種が大切として、こんな状況でも対応してくれていますね。
病院の駐車場で検温
3月初旬に次男がせきをしているときがあり、病院に電話したら、取りあえず着いたら電話をくださいと言われ、駐車場から電話をすると、スタッフが車まで来て検温するのです。
熱があったら病院には入れないということ。次男は熱がなかったので入れましたが、1組ずつしか入れないようになっていて、院内感染を徹底的に防止していました。
買い物は徹底した感染対策をしてから
スーパーマーケットも営業しています。ただ、入場制限をかけているので、店の前で行列して待たなければなりません。ソーシャル・ディスタンスで約2メートル間隔で待ちます。待ちながらインスタライブをしていたのですが、途中で切れてしまって。インスタライブは1時間までなのですね。それから45分待ったので1時間45分待ったことになります
スーパー入り口前で距離をとって待つ様子
ただ、入店できれば、店内はガラガラで、スムーズに買い物できます。食料品も豊富にそろっています。
食料品は豊富
まとめて食料品を購入します。
入店人数が制限されてすいているスーパー内の様子
もし、私が感染するとしたら、買い物しか原因がないので、徹底的に対策をしています。買い物は7~10日分まとめて。買い物から帰ったら、買ったものはすべて除菌します。私が特別というわけではなく、まわりのママたちも同じように、もしくはもっとやっています。
除菌スプレーしたペーパータオルでふく、箱は捨てて中身だけにする、バラで買った果物などはお湯や水で洗う…といった具合に。そして必ずシャワーを浴びます。とにかく怖いので。自分が感染するのも怖いし、感染させてしまうのも怖い。
買い物に行くときにはビニール手袋をしています
先日、利用していたスーパーの従業員の方がコロナに感染して亡くなったのを知って…。本当にひとごとではないと思っています。
今、働いてくれているすべての人をリスペクトしています
先日、ニューヨークで働く友人の医師がSNSに投稿をしていました。「若い人を含め毎日たくさんの患者さんが亡くなっている。危篤状態になっても亡くなっても、家族が患者さんに会うことはいっさいできない状態」って。みんな、疲れ切っています。
もう1人の友人の医師も、感染させてしまうからしばらく子どもと会えていないと言います。「ハグしたい」「会いたい」という言葉を聞くと、本当に涙が出てきます。
私が住んでいる地域には医療従事者が多いこともあり、医療従事者が働きやすい環境を整えるため、みんなで協力して自粛しないといけない、という気持ちが強いです。
医療従事者だけでなく、保育士さん、スーパーの従業員さん、宅配ドライバーさん、働きたくなくても働いてくれている、そんな方々にニューヨーカーはリスペクトを忘れません。
病院への差し入れをもっていったときの様子
日本のママも、きっと同じ状況になったら同じ思いを抱くと思います。今、自分は何ができるのか、家族を守るために何ができるのか、お互いに協力しあえることはないのか・・・と。
同じ子育てしているママとして、今の状況、心境をありのままにお伝えしました。
取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部
愛波さんは「日本はまだまだ深刻度は低いと感じます」とも話してくれました。慣れない外出自粛にとまどい、悩み中の私たち。ニューヨーカーの状況、今働いている人、働かなくてはならない人のリスペクトを忘れない姿勢を見習いながら、今、何をすべきか考えていきたいと思います。
後編では愛波さんの「毎日をポジティブに過ごすコツ」についてお伝えします。