4・5歳 小学校入学前に育てたい「好奇心」「思いやりの心」
4・5歳になると、「ひらがな」「数」を教えるママやパパは多いのですが、実は小学校入学前に伸ばしたい力の中に「好奇心」や「思いやりの心」があるのをご存じですか。幼稚園などでは「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を掲げていますが、その中に含まれているのが、好奇心を土台にした“思考力の芽生え”、思いやりの心から生まれる“社会生活とのかかわり”や“協同性”です。今年の夏は、この2つの力を意識して伸ばしてみませんか。
好奇心は、将来の学びにつながる力! 夏休みは、好奇心をはぐくむチャンス
年少さんは「セミだ」「バッタだ」など知っていることがどんどん増える時期です。そして年中さんになると「観察する力」や「比較する力」がついてきて、さらに知識が深まります。なかには自分が好きな世界を見つけると、好奇心があふれ出す子も。4・5歳の子をもつママからは、次のような声も聞かれます。
●うちの子は、本や図鑑を見るのが趣味。ひらがなが読めるようになってからは、さらに本や図鑑を見る時間が増えています。今は、昆虫の図鑑ばかり見ていて、カブトムシの絵を描くのに夢中です。
●うちの子は、ブロック遊びが大好きです。800ピースぐらい持っているのですが、作ったものを壊さないから足りなくて。高さ80cmぐらいのロボットも作ったのですが、試行錯誤しながら1年ぐらい改造を続けています。
ママやパパからしたら「なんで、こんなに夢中なの!?」と思うこともあるでしょうが、実はこうした観察する力や好奇心は、将来の学びを深める原動力につながります。
小学校では、2020年度の教育改革に伴い、子どもたちが自ら考えて、試行錯誤しながら学びを深めていく新しい授業のスタイル(アクティブ・ラーニング)を取り入れ始めています。
アクティブ・ラーニングのベースとなるのが、よく見聞きして考えたり、「こうしたらどうなるのかな?」と解決に向けて工夫したりする好奇心です。
夏は庭先や公園などで、さまざまな生き物や植物に触れられたり、おうち遊びがたっぷりとできたりするので、好奇心をはぐくむいい機会と捉えてください。
思いやりの心を育てるには、お手伝いがおすすめ! 役に立つ喜びを経験させて
前述のとおり、幼稚園などでは幼児期の終わりまで育ってほしい姿の中に「社会生活とのかかわり」を入れています。
「社会生活とのかかわり」と言うと、幼稚園などでの集団生活をイメージするママやパパもいるかも知れませんが、実は基本となるのが家族です。家族のことを思いやる心が、やがて周囲への思いやりにつながっていきます。
しかし4・5歳では、ママやパパに対しては「思いやり」が感じられないことも。4歳の子をもつママからは、次のような声も聞かれます。
●あまりに甘えっ子で参っています。お風呂も寝かしつけも私でないとダメ! 着替え、食事も「ママ、やって~」と言ってきます。下の子もママっ子で、上の子にまで手が回らなくて…。ホントは状況を理解して欲しいのですが、4歳だと無理かな!?
●最近、息子がわがまま全開で困っています。仕事に行くので、朝も決まった時間に登園したいのですが、家を出る直前にパズルを始めたり、「自転車乗って!」と言っても嫌がったり。夕食を出しても「食べたくない」「お菓子がいい!」の一点張り。息子と仲良くしたいのに、怒ってばかりです。
こうした悩みを解決するのにおすすめなのがお手伝いです。いくらわがままを言ったりしてママやパパを困らせても、子どもはママやパパが大好きです。お手伝いは、大好きなママやパパに「ありがとう!」「〇〇ちゃんが手伝ってくれたから、助かった~」と言ってもらえることで、人の役に立つ喜びが感じられ、思いやりの心をはぐくみます。
思いやりの心が育つと、しだいに過度な甘えやわがままなどの言動が減っていきます。
そのためこの夏は、玄関の靴をそろえたり、テーブルをふいたりするなど、できることからお手伝いをさせてみましょう。
「好奇心」「思いやりの心」は、幼稚園や保育園ではぐくめるのでは!?と思うママやパパもいるかも知れませんが、実はこの2つをはぐくむには時間が必要です。たとえば好奇心は、1つのことにじっくり取り組むことで高まりますが、園などの活動は、1日のスケジュール決まっているので、そこまでの時間が取れません。またお友だちがいて、集中して取り組めないこともあるでしょう。ゆったり過ごせる夏休みこそ、子どもの成長を促すチャンスです!
取材・文/麻生珠恵
取材協力/こどもちゃれんじ
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です。