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重だるい“巡りの悪さ”は太るもと!?専門家に聞くマネするだけで効果あるポーズ5

更新

(c)峯岸 道子

2020年7月執筆時点、新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が増えました。しかし、だからといって体を動かさないでいると、体力低下以外にも残念なことになりかねないのです。今回は、自宅でも簡単に体を動かせるヨガについて、ヨガインストラクターの峯岸道子さんに紹介してもらいました。

峯岸 道子
ヨガインストラクター
BMYスタジオ主催

35年間フィットネス業界に従事し、その後ヨガやヨガ的身体操作を指導開発。ストレス社会に生きる現代人に役立つメソッドやツールを開発している。「ヨガ棒」「肩甲骨ヨガ」「背骨メンテナンスヨガ」などは身体の持つ運動の機能を最大に引き出し、身体から心を楽にしていく手法の数々が人気。

巡りのわるさって何? 太ることとの関係は?

私達は脂肪の量や筋肉の割合を気にしてしまいがちですが、成人の女性の体の組織の役60%は水分です。体の中の水分は“体液”と言われますが、体の中の細胞組織の間をめぐっている水分(組織液)が多くの割合をしめ、そのほか血液・唾液・涙・リンパ液などもその体液に含まれています。
血液は心臓のポンプの働きにより体内を循環しますが、例えばリンパ液はどうでしょう?
リンパ液は体を動かすことでゆっくりと循環します。このリンパ液の役割はご存じですか?体内の老廃物を集めるごみ収集車の役目です。循環することで不要な老廃物を腎臓から排出してもらうのです。

また、体の組成の一番小さな単位である細胞も常に新陳代謝をしています。その代謝の際にも不要なものが排出され、それをリンパ管に送るのが細胞間をめぐっている水分(組織液)も見逃せません。
これらの体内を循環している水が停滞してしまうこと。それは、つまり老廃物の滞りに繋がってしまうのです。

“太ること”と表現してしまうのは誤解を招きやすいのですが、いわゆる「太る=脂肪組織の増加」ではなく、この巡りの悪さはむくみなどの水分の停滞や老廃物の蓄積により不要な水分量の停滞による“太る”なのです。

体のどんなところで巡りの悪さはわかるの?

老廃物が排出しきれず、また体内の水分の停滞はまずは皆さんよくご存じの“むくんだ感じ”として現れます。
「いつもの腕時計がきつく感じる」「指輪を外しにくくなった」そしてもちろん「脚のむくみ」もむくみです。
特に女性の脚はむくみやすいと言われています。
皆さんも一日のうち大半をデスク前で座って過ごしたときなど、靴がきつく感じたりふくらはぎから足首にかけてむっちりと不快な感じを感じられることがあるでしょう。
会社勤めの方でオフィスでのデスクワークの長い方は「夕方、ブーツがきつくなってつらい」という方をよく見かけます。

巡りの悪さによるむくみは脚に一番早くあらわれますが、そのむくみをそのままにして解消しないでいるとむくみが本当の脚の太さになってしまう、とも言われます。
老廃物の蓄積の積み重ねによるものですね。
自粛生活でじっとしている時間が長くなって、皆さんは体液の循環が停滞気味になっていませんか?

巡りの良い体になるための日課にしたいストレッチ5種

自宅でもちょっとした隙間時間を見つけて、体の中の巡りを良くして老廃物を貯めないようにしていきたいですね。
「とはいえ運動は嫌?」
わかります。
今回は飛んだり跳ねたりしなくても、リンパ液の流れ・組織液の流れをよくするストレッチをご紹介しましょう。

(1)顔のむくみ解消にきくポーズ

(C)峯岸 道子

両肘をつかみます。その肘を体から遠ざけながら頭上に持ち上げます。わきの下を広げるようにして顎を天井に向け喉を広げるようにしましょう。首に負担ない程度で行います。
液下のリンパ節を刺激し、胸腺のリンパ管の流れをよくしていきます。
このストレッチはとくに顔のむくみ解消に役立ちます。

(2)肩回りにきくポーズ

(C)峯岸 道子

(1)と同じ部位にも効きますが、後ろ手に手のひらを組みます。握った手のまま腕を腰のほうに持ち上げましょう。肩関節の動きを伴いながら胸腺のリンパ管が大きく刺激されます。後ろ手にして腕を持ち上げたり下げたりしますので、背面(じっとしている時間が長いと肩甲骨周囲の筋肉が固まってしまいます)肩回りの巡りをよくしていきます。

(3)腰回りからお尻付近にきくポーズ

(C)峯岸 道子

両脚を前に投げだして座ります。座位の前屈ですが、膝は曲げてもOKです。無理して折り曲げなくて大丈夫です。足の先をつかんで手前に足先を引き寄せつつ腰を丸くして前屈します。深く呼吸をすることで腰の周囲の重だるさ、お尻の周囲の重だるさを解消します。座った姿勢が長いとこの部分の巡りが悪くなりがちです。

(4)股関節回りにきくポーズ

(C)峯岸 道子

いわゆるランジの形です。片膝を床につき、もう一方の脚は前に出し、膝の下に足首が来るようにしてゆっくり腰を沈めていきます。股関節を大きく広げるようにして後ろ脚側の腿の付け根を気持ちよく伸ばします。両手は前足のふとももに置いて軽く上体をささえます。左右行いましょう。弾みをつけて行わず、深い呼吸とともにじっくりと伸ばして10秒くらいキープします。

(5)脚のむくみを解消するポーズ

(C)峯岸 道子

脚のむくみ解消をでき、しかもらくちんなストレッチです。壁に向かって腰を下ろします。骨盤を壁に近づけて両足を壁にもたれさせます。そのまましばらく置いて送りもよいのですが、軽く両足を開脚させたり閉じたりを繰り返してみます。長い時間そのままに壁にもたれさせておくと足先が冷たく感じられる方もいると思います。そうなったら脚は床に投げ出します。逆に血液がたくさん流れて足先まで暖かさを感じるでしょう。それが巡りのよい証拠です。

重い・太った感の対策として、脂肪組織は運動や食事制限が必要ですが、水分停滞は巡らせることで取り除くことが可能になりますね。今回ご紹介したストレッチをぜひ実践してけだるさを解消しましょう。

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