防災のプロに聞いた!小さな子や赤ちゃんと避難する時に気をつけたい3つのポイント
日頃から災害の備えをしていても、実際に大きな災害に直面すると、どのように行動していいものか、誰もが迷ってしまうと思います。。とくにママやパパにとっては、小さな子どもや赤ちゃんを連れての避難は不安なことばかり。そこで、避難すべきタイミングや避難で気をつけるべきポイントを、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんに聞きました。シリーズ「小さな子どものいる家庭で災害が起きたら…?」連載2回目です。
<プロフィール>
あんどうりすさん
アウトドア防災ガイド。阪神大震災の被災体験とアウトドアの知識を生かし、2003年より全国で講演活動を行う。日常使いのバッグを防災仕様にするというアイデアや、子育てグッズと防災グッズをイコールにするアウトドア流のアイデアは、子育て中のママやパパに好評。
ポイント1 子連れが避難すべきタイミングは『警戒レベル3』で
実際に災害が起こった時に、避難すべきなのか、自宅にとどまるべきなのかは悩むところ。どうやって判断したらいいのでしょうか。
(あんどうさん 以下敬称略)「災害の備えの第一段階として、ハザードマップで自宅の場所にはどんな危険があるのかを知っておくと、次の行動を決めることができます。地震や事前予想が難しい線状降水帯による豪雨など突然起こる災害は別ですが、台風などの風水害は、事前に予測できるものもあります。自宅が浸水の恐れがある地域だったり、土砂災害の可能性がある場所なら、防災情報を確認しながら、早い段階で避難準備を。とくに小さな子どもや赤ちゃんがいる家庭では、できるだけ早めに避難をするのがベストです」
<覚えておきたい、気象情報の正しい見方>
<知っておきたい、避難すべきタイミング>
・子ども連れの場合は、「高齢者など避難」の警戒レベル3で危険な場所からの避難
・夜の避難はできるだけ避け、昼間のうちに避難
・1時間あたりの雨量だけではなく、24時間の総雨量にも注目
・気象庁が臨時会見を開いたら、深刻度が高まっていると判断
・地震の場合、家が無事であっても、火事や津波が迫っていたら迷わず避難
ポイント2 早めの移動で負担減!早ければ旅行気分で出かけられる
避難すると決めたはいいけど、どのタイミングがベストなのか、手段も迷うところ。みなさん、どうしているのでしょうか。
(あんどう)「2019年の台風19号では、台風の3日前から遠方の親戚宅やホテルに旅行だと思って避難したママもいます。被害がない地域に行けばモノは現地で調達もできます。今いる場所が危険であれば、とりあえず早めに避難する練習をしてみることも大切です。赤ちゃんと泊まれるホテルなどあらかじめ調べておいてみてください。早めの避難は空振りもありますが、経験は次の水害に生かせますし、その場からの避難が大変であれば、引越も検討することができます。判断を遅らせるほど、選択肢が狭くなります。避難を検討していたけれど、陣痛が早くきて避難できなくなった方もいます。何が起こるかわからないのが災害時で、ベストなタイミングは後からしかわかりません。江戸川区のママたちの防災グループでは、「旅のしおり」を作って、避難のタイミングを検討しています。
<さらしを使ったおんぶの方法>
(あんどう) 「子どもと一緒に徒歩で避難をする場合は、できるだけ歩きやすく身軽に動けるように工夫をしてみましょう。赤ちゃんや子どもは慣れている方法でだっこやおんぶをして、ママやパパは両手を使える状態で避難します。この時、昔ながらのおんぶのようにママの体と赤ちゃんが密着すると、走っても揺れないので避難が楽になります。また、できるだけ高い位置で赤ちゃんをおんぶやだっこができると、重さを感じません。普段使いのだっこ紐、おんぶ紐でも、揺れない工夫や高い位置に調整してみると普段も災害時も楽になります。できるだけ赤ちゃんを上の方で固定すると、より重さを感じません。これは、普段の生活でも実践しておくといいですね」
ポイント3 防災アプリを活用して、災害時も慌てず情報収集!
あんどうさんによるとテレビやラジオのニュースはもちろんですが、災害の状況を把握するには、スマホアプリがおすすめだそう。スマホに災害アプリを入れておき、自宅の位置情報を設定しておくと、警報が出たらプッシュ通知で知らせてくれることも。
(あんどう) 「災害時にスマホで情報を得る時に大事なのは、アプリやハザードマップなどを事前にダウンロードして、普段から見ておくことです。使い慣れておくことで、災害時で気持ちが焦ってしまう時でも、落ち着いて操作をすることができます。たとえば、『Yahoo!防災速報』(https://apps.apple.com/jp/app/yahoo-%E9%98%B2%E7%81%BD%E9%80%9F%E5%A0%B1/id481914139)は、豪雨や津波予報、地震情報、河川水位情報など、さまざまな災害を通知してくれます」
取材・文/女子部JAPAN(内田あり)
防災アプリは位置情報やプッシュ通知をオンにしておくことで、避難指示などの情報を逃さないそう。子どものいる家庭では正しい情報を確実にキャッチして、避難すべきか、家にとどまるべきかを判断することが大切ですね。