片付けのプロが語る「モノに帰る家をつくる」だけで部屋が散らからない、収納のコツ3
今回のテーマは、モノの住所について。なぜお片付けではモノに買える家を作ってあげることが大切なのでしょうか。。さかもとりえの「誰でもできる暮らしを彩るお片付けメソッド」入門編 第6回。
■教えてくれたのは…さかもとりえさん。
日本収納検定協会、収育指導士、整理収納アドバイザー、ホームステジャーなど。ときめき片づけインストラクター(旧名称)資格取得後、様々な片付けの手法を学び、講演・セミナーで講師として活躍。日々の現場で、片付けの悩みに寄り添いながら「一人一人に応じた暮らしを彩るためのお片付け方法」を伝えている。ブログ『暮らしを彩るお片付け』が好評。
モノにも”帰る家”を作ってあげよう!
これまでのお話で”カテゴリー毎に全部出して、残すモノを選んでお片付けを進めていく”ことについてお伝えしてきました。
次に問題になってくるのは、そのようにして残したモノたちをいかに収納するか。
第6回では散らからないための収納についてお伝えします。
収納のコツ1 住所=定位置を決める
収納とは『モノの家』と考えてみて下さい。
私たちが家に帰る時に「どこに帰るか決まっていない」「だいたいあの辺のどれかの家に帰る」なんてことはありませんよね。きちんと決まった帰る家があるはずです。
住所で言えば、何丁目、何番地、何号まで、きっちり決まっています。
そして家に帰ればテーブルに座る位置が決まっていたり、眠る場所も個々の場所が決まっている方が多いのではないでしょうか。
それと同じように、どんなに小さなモノも大きなモノも一つ残らず、必ず決まった”住所=定位置”を作ってあげてください。
モノが散らかってしまうのは”住所=定位置”が決まっていないことが大きな原因です。
使ってそのまま放置されたモノは迷子になっているのと同じこと。
住所さえしっかりと決まっていたら、帰るのは難しいことではありませんよね。
私自身も忙しい時や疲れている時は、散らかることもあります。片付けのプロでも、いつも完璧に片付いているわけではありません。けれど、全てのものに定位置が決まっているので、片付け始めるとあっという間に整った状態に戻せるのです。
定位置が決まっていれば、使ったら元に戻せばいいだけです。
そのモノの住所はどこですか?
収納のコツ2 カテゴリー毎に収納する
第3回目でもお伝えしたように”カテゴリー=仲間”。
私たちも価値観が似ていたり、気の合う仲間と一緒にいる方が暮らしやすいですよね。
モノも同じです。
役割、素材、色、季節など共通項を見つけ、同じ”カテゴリー=仲間”のモノを一緒に収納してあげてください。
そうすることで、使いたい時にベストなモノが選べるようになります。また、カテゴリー毎の総量が一目で把握できるようになるので、無駄な二重買い、三重買いを防ぐことができます。
一緒に住むモノは気の合った仲間を集めると使いやすさが一段と増します。
そのモノは誰と一緒に住みたいですか?
収納のコツ3 立てて並べて収納する
私が主催する”暮らしを彩るお片付けセミナー”で、外出先から疲れて家に帰る時『どのような家(部屋)に帰りたいですか?』と質問をすると、多くの方が『リラックスできる』『片付いている』『居心地がいい』などという返事がかえってきます。
収納場所から出たモノたちは人でいえば外出中。
モノたちもリラックスできる整った家に帰りたいと思っているはずです。
ぎゅーぎゅーに詰め込んで押し合いへし合いの部屋や様々なカテゴリーが入り乱れ混沌とした家は、モノにとっても苦痛なはず。
そうならないためには、重ねる収納は避けて、立てられるモノは立てて、並べて収納してみてください。そうすることで収納が整い、持っているものが一目瞭然、全体量が把握できるようになります。
衣類なら、たたんで立てて収納することで、収納量が2倍になることも。
一緒に住むモノたちが気持ちよく過ごせる環境を作ることで整った収納になります。
そのモノはどんな状態で暮らしたいですか?
モノの気持ちになって、
同じ仲間(カテゴリー)がいる家(定位置)にいつでも帰れる(戻せる)状態にしてあげることが、収納の基本的な考え方です。
散らからない部屋を実現するためにも、整った居心地のよい帰る家を作ってあげてください。
次回は具体例を使って詳しくお伝えしたいと思います。