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「あなただけじゃない」今、多胎家庭への理解と支援サービスが求められている

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「赤ちゃんのときはミルクやおむつ替えをした記憶しか残っていない」、「出かけるにも1人で出かけられず、引きこもりがちになってしまう」、「育児が大変すぎてかわいいと思える余裕がない」、
多胎家庭から聞こえる悲鳴の数々。最近、多胎の数が増加傾向にあり、その過酷さが徐々に浮き彫りになりつつあります。
多胎家庭をサポートする「NPO法人つなげる」の代表であり、ふたごじてんしゃ®の開発者としても知られる中原美智子さんに話を聞きました。

多胎育児に必要なのは周囲のサポート

不妊治療の影響もあり、多胎の数は半世紀で約2倍に増加し、100人に1人の母親が、多胎の子どもを産んでいます。

「最近、多胎育児が大変だという声は、大きく取り上げられるようになりましたが、その根底にある解決するべき部分についてはあまり触れられていません。その根底というのは、ほかならぬ『育児サポート』の充実です。『つなげる』の中でも、いちばんよく聞く声は、夫も主体的にかかわってほしいという声ですね。

子どもをひとり育てるだけでも大変なのに、多胎となると、必ず、誰かしらのサポートが必要になってきます。そこで、夫に頼れるだけで多胎育児はまったく変わったものになってくるんです。夫だけでなく、実家義実家など多胎育児は単胎育児より周囲の理解が欠かせません。

また、多胎は妊娠期間中からトラブルが多く、楽しいマタニティライフを過ごすことはなかなか難しいんです。育児だけではなく、妊娠期間中も多胎の母親にとっては負担が大きいことも、知ってほしいですね」(中原さん)

体力・精神ともにギリギリの状態に

高校2年生の長男と小学校4年生の双子の男の子のお母さんでもある中原さん。幼児期のころのことは、覚えていないぐらい忙しかったと言います。

「上の子のときは、初めての子育てで戸惑いながらも、子どもに向き合った子育てができました。お母さんになれたことがとてもうれしく、子どもから無償の愛をもらい、心が広がったような気がしましたね。でも、双子のときはまったく違いました。当時、体力・精神ともにギリギリの状態で、感情を押し殺して過ごしていましたね。私の場合はもし『しんどい』『つらい』と口に出して言ってしまったら、必死で抑え込んでいた気持ちが壊れ、自分自身を保つことができなかったかもしれません」(中原さん)

国が力を入れる多胎支援策とは

筆者である私も双子(4歳)の母で、妊娠・育児の過酷さを実体験した身としては、社会の支援体制は満足しているとは言い切れません。そんな中昨年、厚生労働省が多胎に対する予算を倍増することを決定し、多胎支援に向け、動き出したことには注目しています。

内容としては、外出補助を実施する多胎児家庭サポーター事業、育児サポーターを派遣し、産後の家事や育児支援、多胎児育児経験者による交流会、相談支援事業を実施する多胎ピアサポート事業を柱とし、多胎家庭を支援していく予定だといいます。

「国が動く前から、多胎支援に力を入れている自治体はありましたが、ここへきて、ようやく国が動いてくれたのは大きな出来事です。厚労省の動きがきっかけとなり、多胎児支援に乗り出す自治体は増えつつあります。

これも、約40年間、長きにわたって多胎の過酷な状況に対して、声を上げ続けていた先輩方や『日本多胎支援協会』の存在が大きかったと思います。私たち『つなげる』も、SNSなどを介して、その声を広げていこうと思っています。国が動いたと言っても、まだまだ自治体によるところが大きく、全国的の多胎家庭の声を聞き、公平な支援が受けられるように私たちも働きかけていきます」(中原さん)

多胎特有の悩みを解決するシステム

中原さんの「つなげる」では、今後、さらなる支援体制に向けて、準備を整えているところだそうです。

「『つなげる』では、SNSを使ってすぐに悩みを相談できる『ふたごのへや』、『ふたごのいえ』という、その時々に応じた悩みを相談したり、共感できる場を提供しています。その中では、周囲に多胎家庭がなく悩みを相談する場所がない、多胎育児の大変さを理解してもらえないといった、多胎特有の悩みが多く見られますね。

また、育児の悩みから経済的負担など、多胎家庭の問題は単胎家庭に比べ、細分化していると思います。
多胎育児の過酷さが大きくクローズアップされ、周知された今、次なる目標は、細分化された母親の悩みを聞けるようなシステムや、孤立しがちの地方在住の多胎家庭を支援する体制を整えていく予定です」(中原さん)


お話・監修/中原美智子さん 写真・取材・文/中西美穂、ひよこクラブ編集部

多胎の子どもは単胎の子に比べて虐待に合う可能性が高いという声も出ていて、早急な支援体制の整備が必要とされています。支援の輪が広がり、多胎の母親、子どもが健やかに生活できる日が来ることを願っています。

中原美智子さん(なかはらみちこ)

Profile
NPO法人つなげる代表。自身の双子育児の経験を活かし、日本最大のオンライン多胎サークル「ふたごのまち」を運営。また、三輪自転車『ふたごじてんしゃ®』を開発者でもある。多胎家庭の母親が、自分らしい子育てができる環境作りを実現すべく、幅広く活動中。

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