赤ちゃんの「飲む」「食べる」のお世話 発育・発達に合わせたベストな時期の大切さ【専門家】
赤ちゃんのお世話や生活習慣づけは、発育・発達に合わせて、「始める、やめる」のベストな時期を見定めることが大切です。気になる項目別に専門家のアドバイスを聞きました。月齢の区切りを目安にあせらずに進めることがお世話をラクにする成功ポイントになるようです。
げっぷをさせるのはいつから?いつまで?
生まれたばかりのころは、授乳の度にげっぷをさせることが大切です。でも、ずっと続けなくてはいけないわけではありません、やめるタイミングがわかると安心です。
【いつから?いつまで?】0カ月~7カ月ごろ
赤ちゃんはおっぱい・ミルクを飲むときに、空気も一緒に吸い込んでいます。吐き戻しをしないように授乳後は、げっぷを出してあげましょう。
【始め方は?】授乳後毎回、背中をやさしくさする
おっぱい・ミルクの授乳が終わったら、大人が赤ちゃんに体を寄せるようにして、赤ちゃんのあごが背中に乗るようにたて抱きにして、背中を上下にゆっくりとさすってげっぷを出します。
【やめ方は?】おすわりができるようになったらやめてOK
おすわりができるようになると、げっぷは自然と出るようになります。授乳後はすぐには寝かせず、おすわりの姿勢で遊んだりして過ごしましょう。授乳後にそのまま眠ってしまった場合は、体勢を少しの間だけ横向きにしてあげるといいでしょう。
哺乳びんの消毒をするのはいつから?いつまで?
哺乳びんの消毒は、「新生児には欠かさず!」です。でも、いつまでも続けなくてはいけないことではありません。
【いつから?いつまで?】0カ月~4カ月
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ雑菌に対する抵抗力が十分にありません。でも、おもちゃなどをなめて確かめる4カ月ごろには抵抗力もついてきます。やめどきを考えてもいいころです。口にするものなので心配ならそのあとも続けてもかまいません。
【始め方は?】洗浄ブラシを使って入念に洗い、その後に消毒をします
新生児は抵抗力が未発達なので、哺乳びんを使うときには必ず消毒をします。乳首の先などに洗い残しがあると、雑菌が繁殖してしまうので、洗浄ブラシなどを使って念入りに洗い、その後に消毒をします。消毒方法は、つけ置き・電子レンジ消毒・煮沸とあります。ママの生活スタイルに合わせてチョイスしましょう。
【やめ方は?】洗剤で洗ってすすげばOK
哺乳びん専用の洗剤とスポンジで洗えば衛生面は十分。心配な場合は、最後に熱湯をかけると◎。ぬれていると雑菌が増えるので、しっかりと乾かすことが大切です。梅雨時など、気になる場合は1才ごろまで消毒を続けてもいいでしょう。
離乳食を食べさせるのはいつから?いつまで?
おっぱいやミルク(液体)から栄養をとっていた赤ちゃんが、食べ物(固形)から栄養をとるようになります。劇的な成長です。離乳食はいつごろから始められるのでしょうか。そのやめどきも知っておきましょう。
【いつから?いつまで?】5~6カ月~1才~1才6カ月ごろ
首がすわり寝返りができたり、5秒くらい座れたり、唾液(だえき)の分泌が増えるようになれば離乳食を始めます。食べることで消化器官がもっと発達して、そしゃくにも慣れます。1日1回から2回、3回と増え離乳食が中心になると、離乳食の卒業が見えてきます。
【始め方は?】1日に1回、10倍がゆなどを小さじ1の量から始めます
1日の授乳時間のうちの1回に離乳食をスタートします。10倍がゆのすりつぶしなどを小さじ1の量から、食物アレルギーに備え、小児科の診察時間内に食べさせます。栄養のほとんどを離乳食からとるようになって、まる飲みをせずによくかんで食べられるようになったら、離乳食を卒業するタイミングです。
おやつ(補食)を食べさせるのはいつから?いつまで?
おやつは大人にとっては「お楽しみ」ですが、ひよこ年代のおやつは離乳食だけでは不足しがちな栄養分を補うための「補食」としてとらえて始めます。
【いつから?いつまで?】1才~1才6カ月ごろ~2才ごろ
1日3回の食事が習慣になり、日中のおっぱい・ミルクをほとんど飲まなくなったら、始めましょう。食事だけではとりきれないエネルギーやビタミン・ミネラル類の栄養分をおやつで補います。
【始め方は?】1日1~2回を目安に、10時、15時など時間を決めてスタート
1~2品+飲み物の組み合わせで、果物、乳製品、いも類、ミニおにぎり、パンなど、食事で不足しがちな栄養を補います。赤ちゃん用で油分・塩分・糖分が少ないものなら、市販のおやつでも、赤ちゃんや幼児用ならOK。食べすぎて食事をしっかり食べられないようなら、おやつの量・内容を見直します。3回の食事できちんと栄養がとるようになれば、補食としてのおやつはいりません。
幼児食を食べさせるのはいつから?
前歯が生えそろって奥歯が生えてくると、かためのものも食べられるようになるので、離乳食はそろそろ卒業してもいいころです。大人の食事とのかけ橋となる、幼児食を始めましょう。
【いつから?】1才7カ月~2才ごろ
1才7カ月ころになると、食事内容は大人と共有できるものが増え、ほとんど同じで大丈夫になります。煮込みハンバーグくらいのかたさのものをモグモグと口を動かして食べられるようになったら始めます。
【始め方は】大人用の料理から取り分け、 薄味にし、小さめに切る
大人用の料理から取り分けると簡単です。取り分けたら湯を加えたりして薄味にし、食べやすいサイズに切りましょう。無理に食べさせようとせず、離乳食に戻ってもOKですが、そしゃく力に合わせてかたさ・大きさは見直していきます。調味料で味に変化をつけてもいいでしょう。
手づかみ食べをさせるのはいつから?
手づかみ食べは料理をぐちゃぐちゃされて、ママやパパには少しストレスかもしれません。でも、この、ぐちゃぐちゃをくり返しながら、赤ちゃんはひとりで食べることを学びます。そう考えると、偉大な一歩。始める目安は好奇心旺盛になり、食べ物に触れるようになったころです。
【いつから?】9カ月~1才ごろ
自分の手で触って確認したいという、好奇心が旺盛になり、手に持ったものを口に運べるようになったら始めます。
【始め方は】ゆで野菜スティックやミニおにぎりなど、握りやすいもので
好きな食材で始めると食べる意欲もわいてくるのでおすすめです。赤ちゃんが自由に手づかみで食べたら、残りは大人が食べさせます。上手に食べられるようになるのは2才以降です。テーブルや床を汚してもおおらかな気持ちで見守りましょう。
スプーン・フォークを使うのに慣れさせるのはいつから?
赤ちゃんは大好きなママやパパをよく見ています。大人が使う道具に興味を持ち始めるのが、1才ごろです。大人のまねをしたがったら、チャンス到来です。手づかみ食べが上手になってから始めると、よりスムーズです。
【いつから?】1才~1才6カ月
自分の手で触って確認したいという、好奇心が旺盛になり、手づかみ食べが上手になったら始めます。
【始め方は?】赤ちゃんが持ちやすいものを用意して
興味を示したら、大人はそばにいて、のどをつくなどの事故に注意しながら、好きに使わせましょう。大人がお手本を見せて、食べ物をのせたり、刺したりした状態で持たせます。2才ごろまでに使えるようになることをめざして、少しずつ慣らしていきましょう。
コップ飲みの練習はいつから?
コップで飲むことは、実は赤ちゃんにはかなり難しいことです。失敗しながらでも自分で飲みたい!と思う気持ちを大切にしてあげましょう。「上手に飲めた!」という瞬間がある日、必ず訪れます。
【いつから?】8カ月~
離乳食に慣れて、唇の動かし方がうまくなってくる8カ月ごろから始めるのが最適です。
【始め方は】小さめのコップやおちょこで、少量から始めましょう
唇でくわえやすい、縁が薄いコップがいいでしょう。赤ちゃんがゴックンと飲む様子を確認しながら、コップを傾けて飲ませてみましょう。上手に飲めるようになるのは1才ごろです。
ストロー飲みの練習はいつから?
ストローが使えると外出先での水分補給がとてもスムーズになります
【いつから?】8カ月~
唇の動かし方が巧みになって、ストローを上下の唇でくわえられるようになると、練習開始にぴったりです。
【始め方は?】赤ちゃん用紙パック飲料を使って
ストローつきの赤ちゃん用紙パック飲料を使い、大人が紙パックを軽く押してサポートすると、吸うコツがつかみやすいでしょう。
赤ちゃんにストローをくわえさせながら、大人が紙パックの両わきを軽く押して飲ませます。
イラスト/小波田えま 取材・文/ひよこクラブ編集部
紹介した「お世話の始めどき、やめどき」を参考に、「そろそろコップを始めようかな」などとプランできるといいでしょう。もしできなくても、ストレスに感じすぎず、しばらく時間をおいて再トライしてみましょう。始めどきはあくまでも目安で、子どもの発育・発達は個人差があります。赤ちゃんの成長を見守りながら、いつかはできるとおおらかな気持ちでいることが大切です。