「なんで働かないの…」ヒモ状態の夫の子を妊娠、話題のマンガ、著者インタビュー
大学時代の彼氏が「働かない男」だった……、無職でゲーム三昧のヒモ彼氏と同棲中のWEBマンガ家・モジョに、ある日、妊娠が発覚!マンガ連載でひとり家計を支えている状況のなか、結婚・出産を選択するも、待ち受けていたのは「両親との確執」「面倒な親類との付き合い」などのイバラの道で・・・多くのママが共感する漫画『ヒモジョ! -ヒモ旦那と喪女マンガ家-』(『comico』連載中)。今回は、こちらの漫画の著者、西造さんにインタビューしてきました。まずは前編をお届けします。
プロフィール/西造(サイゾー)
二児の母。せっせとマンガを描いて生計を立てている。マンガと甘いものが好き。我が子の頭のにおいも好き。これまで作画を手掛けたマンガは「遠くの日には青く」「こんな夜更けにバナナかよ」(comico)、「男子謹製」(Vコミ)、「女装男子」(めちゃコミ)など。
あらすじ
マンガ家のモジョ(喪女)は、実家を家出同然で飛び出し、現在は彼氏の"実家"で同棲中。
彼氏はまったく働かず、ゲーム三昧、さらに仕事や日々の行動に口を出したりと...少々(どころじゃなく?)モラハラ気味。モジョのマンガ連載でなんとか家計を支えている。ある日、体調不良で病院に駆け込むと、妊娠 5 ヶ月であることが発覚!そこから険しい出産の道を歩むことに...!
作品投稿コンテストをきっかけに漫画家デビュー!
――WEB漫画を描くようになったきっかけについて教えてください。
西造さん(以下敬称略) 2013年12月に開催されたcomicoの「第1回作品投稿コンテスト」がきっかけでデビューしましたが、その時描いたものが初めてのWEBマンガです。マンガ自体は一時期出版社へ投稿していたのですが、WEBマンガには馴染みがなく、まったく初めての世界でした。
投稿のきっかけは学生時代の先輩、世叛(よはん)さんから「この原作をここのコンテストに出したいから絵を入れてみない?」と言われたことです。世叛さんにはその後デビューに至ってからも原作者として、長らくお世話になっています。
モジョとヒモが子育てに挑む!?
●モジョ
大学の先輩だったヒモと遠距離恋愛をしていたが、ヒモと別れたくない一心で勤めていた会社を辞め、家出同然でヒモの実家に転がり込む。働かないヒモの代わりに、WEBマンガ家として生計を立てている。
●ヒモ
モジョの先輩だったが、留年してモジョよりも後に卒業。卒業後はモジョを実家に住まわせている。無職でゲーム三昧だが、人たらしでなにかとモテる。 モジョに対してモラハラな言動を取ることが多い。
未婚の母になることも覚悟していたが
妊娠5ヶ月での発覚に、看護師さんから怒涛の質問が…
ヒモの母に妊娠を伝えると、意外な反応が返ってきて…
未婚の母になることも覚悟していたモジョ。
自分に近い世界観のなかでキャラクターが自由に動きだす
――主人公が妊娠、出産するというマンガですが、マンガを公開するにあたり、気を付けている点、工夫している点などがあれば教えてください。
西造 実は「ヒモジョ!」を描くまで、等身の低いデフォルメキャラの作画が大の苦手でした。ですが、妊娠や育児などの話は「どうしてもデフォルメキャラで読んでほしい!」 という思いがあり、たくさん練習しました。
出産や育児は痛いこともしんどいこともてんこ盛りですが、せめてマンガでは笑い話として読んでほしいと願いを込めて描いています。
締め切りに追われながら必死で働いている主人公の横で、ゲームをしているヒモ夫。
――西造さんの家族構成や現在のお仕事について教えてください。
西造 夫、娘(5才)、息子(1才)、夫の両親、夫の妹の6人で暮らしています。息子がいること以外は「ヒモジョ!」の主人公と一緒ですね。職業もジャンルの違いこそあれ‟WEBマンガ家”というくくりでは主人公と私は同じ場所にいます。他にも主人公が住んでいる地域などは自分の住んだことがある土地から選んでおり、自分になじみのある世界の中でキャラクターが勝手に動くように設定しています。
理想の母親像も人それぞれ!?
――掲載した漫画のなかで印象的だった出来事について教えてください。
西造 コメント欄にはいつも読者さん方の体験や共感・批判などがたくさん寄せられるのですが、モジョの母親が批判されたときはとても驚きました。モジョ母は娘と一定の距離を置いていて、モジョが家出をするときや勝手に結婚したときも呆れたり賛成したりはしないものの、基本的に反対しない人物です。私はモジョ母を「見守る母」として描き出したくてこのようなキャラに仕上げたつもりでしたが、ごく一部の意見ではあったのですが「冷たい」「子どもに関心がない」というコメントが寄せられ、完璧な理想の母親キャラを作ったつもりだった私は大変な衝撃を受けました。
――WEB漫画を公開するようになってから、周りの反応や変化はありましたか?
西造 実は家族やお友達には、「どんなマンガを描いているか」という話をしたことがありません。自分の描いたものに関する話が苦手で、そういったことを共有する習慣がないんです。ですので、マンガを公開してからの周りの反応というのを耳に入れたことがありません。もしかしたら私の描いたマンガを読んだうえで、触れずにいるのかも…(笑)
変化といえば、「ヒモジョ!」をきっかけにTwitterを始めたので、世間の話題に少しだけついていけるようになった気がします!
「こんな旦那イヤー!」と思いながらも、折り合いの悪い実家には帰ることもできず、ヒモ旦那の実家にお世話になりつつ出産・子育て、育児と頑張るモジョ。その独特な世界観に引き込まれ、ついつい読み進めてしまう本作。後編では、作者の西造さんのリアルな育児話や育児のコツなどについてお聞きします。
取材・文/女子部JAPAN(おぜきめぐみ)
プロフィール/西造(サイゾー)
二児の母。せっせとマンガを描いて生計を立てている。マンガと甘いものが好き。我が子の頭のにおいも好き。これまで作画を手掛けたマンガは「遠くの日には青く」「こんな夜更けにバナナかよ」(comico)、「男子謹製」(Vコミ)、「女装男子」(めちゃコミ)など。「ヒモジョ! -ヒモ旦那と喪女マンガ家-」(comicoにて毎週水曜日に連載中)