入院予定日に急死した祖父の愛?予定日超過から2週間でギリギリ叶った自然分娩
ママライターの“優空”です。今や、9歳・6歳・3歳・1歳という4人も子どもを持つ私が、待望の第1子を妊娠したのは結婚してすぐのこと。はじめてでわからないことばかりでしたが、インターネットや雑誌などでいろいろと調べ、毎日を楽しく過ごしていました。
臨月に入ったと思ったら突然、赤ちゃんが逆子に…!
妊娠中は、2ヶ月から7ヶ月ごろまで辛いつわりがありました。でも、それ以外は、ありがたいことに経過は順調。しかし、臨月に入ると突然、赤ちゃんがぐるりとまわって逆子になってしまいました。私の大きいおなかのなかで「ぐるんっ」とまわったのを今でも覚えています。
すぐにかかりつけの助産院に診察に行くと、先生も臨月で赤ちゃんが逆子になることは珍しいと驚いていました。助産師の先生はエコーをみると、そのまま手さぐりでおなかのなかの赤ちゃんをぐいぐいっとまわしはじめます。そしてそのまま無事に頭を下に戻してくれたのです。
赤ちゃんをまわすことについては、病院によってもいろいろな考え方があると思います。これが一概によいかどうかはわかりませんが、自然に産みたいと考えていた私にとってはとても喜ばしく、今でも先生には感謝しています。
予定日超過で陣痛がこない…助産院での出産を断念
逆子がなおったあとは、自然に陣痛が来るのを今か今かと待つ毎日。でも、予定日を1週間過ぎてもおなかのハリも少なく、出産の兆候がありませんでした。「赤ちゃんは、このままおなかのなかにいるつもり?」などと焦りを感じていました。
やれることはしようと、毎日6階まであるスーパーの階段を昇り降りしたり、床の雑巾がけをしたり、スクワットをしたりしていました。しかし、陣痛が来る気配はありません。
そのため、メスなどを使えない助産院では、もしものことがあっても処置ができないということで、紹介先の総合病院での出産が決まってしまいました。残念な気持ちはありましたが、総合病院での出産を決めました。
そして予定日から10日ほど過ぎたころ。羊水の汚れなどの関係で、自然に待つよりも誘発した方が赤ちゃんのためにもなるという診断を受けました。当たり前のように自然に産めるものだと思っていた私は、ショックのあまり、その場で涙を流してしまいました。
しかし、自分の希望よりも赤ちゃんのことが大事だと思いなおし、入院日を決めて帰路についた私。その間も涙がポロポロとこぼれました。
これは愛…?祖父の急死による入院延期が幸いにも
そして、いよいよ入院の日。思いがけないことが起こりました。その朝、私の大好きな祖父が亡くなってしまったのです。祖父はそれまで長い間入院をしていましたが、急に亡くなるほどの状態ではありませんでした。食べ物が喉につまってそのまま亡くなってしまったということでした。
お通夜とお葬式が続き、私の入院は流れてしまいました。これは祖父から私への最後の愛だったのかなと今では思っています。というのは、予定日からギリギリ2週間過ぎた日に自然な陣痛が来て、初産とは思えないくらいの早さで「ぽんっ」と元気な女の子が産まれてきてくれたから。祖父のおかげで自然な出産をすることができました。
大好きな祖父が亡くなってしまったことはとても悲しいですが、そのかわりに、とてもとても愛おしい娘と出会わせてくれたことに感謝しています。大好きなおじいちゃんへ。ありがとう。
私は当初、助産院でのお産を目指していました。でも4人の子を産んだ今では、自然に産まれてくること、誘発をすること、帝王切開をすること、出産にはいろんな形があって、それぞれのベストな形で赤ちゃんの誕生を迎えられればそれでいいと思いました。
今では4人の子どもに恵まれている私ですが、これからも宝物であるわが子を大切にしていきたいと思います。
[優空 * プロフィール]
9歳、6歳、3歳、1歳の子どもの母。毎日バタバタであっという間に過ぎていってしまいます。子育てで不安に思ってしまうこともあるけれど、正解はないのだと言い聞かせて、日々子育て奮闘中!忙しさも楽しむのがモットーです。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。