[妊婦健診の超音波検査]経腹エコーはいつから?写真の見方・保存方法は?
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妊婦健診に欠かせない「超音波検査」は、おなかの外側からは見えない子宮内の様子を超音波でチェックすることで、赤ちゃんの成長具合の確認やトラブルの予防に役立てています。
超音波写真をもらったら、何が写っているのか確認してメモしておくと、赤ちゃんの成長の記録が残せますね。今回は産婦人科医の小川隆吉先生に、超音波検査についていろいろ解説していただきました。
※検査・測定内容は産院によって異なることがあります。
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超音波検査とは?「経膣」と「経腹」の違いは?
超音波画像は、何かにぶつかると跳ね返る超音波の性質を利用したもの。子宮や赤ちゃんの成長に合わせて、検査方法も変わります。
妊娠5ヶ月ごろまでは、経腟超音波
子宮が小さい妊娠5ヶ月ごろまでは、腟に、上写真のような細長いプローブを挿入して、子宮のごく近くから子宮や卵巣の状態を観察します。妊娠中期以降は、子宮頸管無力症や前置胎盤の診断に使われることもあります。
妊娠5ヶ月以降は、経腹超音波
妊娠5ヶ月以降は。おなかの上から経腹プローブを当てて、より広い範囲で赤ちゃんの体を観察します。おなかにゼリーを塗るのは、おなかとプローブの間に空気が入らないようにするため。超音波源から離れた部分も観察できます。
超音波写真の見方は?
超音波写真には何が写っているのか、事前にポイントを押さえておきましょう。
基本Point 1:写っているのは赤ちゃんの断面
超音波写真に写っているのは断面。つまり「輪切り」にされた状態で写っています。そのため超音波を当てた位置や角度、赤ちゃんの姿勢によって、写り方や見え方が変わります。
基本Point 2:早見のポイントは「色」
超音波は「白、黒、グレー」の3色で写ります。かたいものにぶつかると反射し、液体などは通り抜ける性質を利用するため、反射が強いものは白く、弱いものは黒く写ります。
【白】
代表的なものは背骨や頭蓋骨などの骨。赤ちゃんの輪郭も、黒い背景に白っぽく写ります。
【黒】
羊水や血液、心臓、胃の中の羊水など、水分で満たされている部分は黒く写ります。
【グレー】
筋肉、脂肪、内臓など、かたくはないけれど、超音波が反射しやすいものはグレーに。
超音波写真の保存方法
超音波写真は感熱紙に印刷されることが多く、時間がたつと消えてしまいます。きれいな状態でしっかり残せる保存法を紹介します。
方法1:コピーをとる
コンビニなどのコピー機でコピーする手軽な方法。写真モードを選び、度を薄く設定するときれいに写ります。ただし、時間がたつと劣化して、色が薄くなることがあります。
方法2:スキャナーでとり込む
スキャナーでとり込み、パソコンにデータ保存したり、CD-ROMに書き込む方法。市販のアルバム作成ソフトや画像管理ソフトなどで整理すると、見やすくなります。
方法3:写真店で複製する
紙焼き写真にプリントして、超音波写真のアルバム作成サービスを実施しているお店も。最近はデジタルプリントの機械で、自分でコピーできるお店も増えています。
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超音波写真の見方を理解すると、赤ちゃんの成長が実感でき、健診がより楽しくなります。経腟超音波が苦手なママも、おなかの赤ちゃんが大きくなってくると経腹超音波に替わり、おなかの上からの検査になるのでご安心を。超音波検査は、おなかの成長を目でみて実感することができる、貴重なチャンスです。もらった写真は大切に保管しましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
1975年日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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