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確定申告における妊娠中・出産時の医療費控除について

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妊娠・出産をした年は、意外に医療費がかかっていることが多いもの。医療費がかかった年は、翌年に確定申告をすることで、例年よりも多くの税金を取り戻すチャンスです。医療費控除(確定申告)の流れについて、わかりやすく説明します。

医療費控除とは? 1年間の医療費の確認をしましょう

医療費控除とは、医療費が多くかかった年の翌年に確定申告をおこなうことで、所得税や住民税の負担を軽くしてもらう制度。所得税はその年の分の税額が下がり、住民税は翌年6月からの税額を減らせます。妊娠中の妊婦健診や検査の費用、通院費用のほか、出産で入院する際に公共機関を使うことが困難なために利用したタクシー代なども対象になります。会社員などは、事前に給料から税金を徴収(源泉徴収)されていますが、これは事前に納めている税金なので、年末に1年間の収入か各種の控除などを含めて再計算し、最終的な税額を精算(年末調整)しています。医療費控除は、年末調整で控除できないため、個別に確定申告をして、税の還付を受けます。

税金が戻る条件と戻る金額は?

医療費控除で税金が戻ってくるのは、1年間で家族全員の医療費が10万円を超えた人、または所得が200万円未満で医療費が1年間に、所得の5%を超えた人が対象になります。
戻る金額は、「源泉徴収で前払いした所得税-実際の所得税=戻ってくるお金」(申告者が会社員など給与所得者の場合)です。また、プラスαとして、翌年の住民税が下がるケースも多くなります。

誰が申請すると良い?

世帯全員の1年間の医療費をまとめて計算できますが、生計を一にしている場合は、所得の高い人のほうがまとめて医療費控除を計算して良いことになっています。例えばパパママが共働きの場合は、収入が多く、所得税率が高い人が申告したほうが、戻ってくる金額が増えるのです。
ただし、生計を一にしている家族の中に、年金生活で、所得税を払っている親がいる場合には、親が申告したほうが有利になるケースもあります。年金生活では所得が200万円未満になる人が多いので、所得の5%が適用でき、差し引く金額を減らせるからです。

医療費控除の申告期限

医療費控除の申請期限は、対象とする期間の翌年の1月1日から5年間有効です。例えば平成29年度(1月1日〜12月31日まで)の医療費を申告する場合は、平成30年1月1日から申告できますが、平成34年の12月31日まで申告できます。

医療費に含まれるものと含まれないもの

あくまでも一例ですが、以下に医療費として含まれるものと含まれないものをあげておきます。税務署の個別の診断や、一人一人の事情が違う関係で、同じケースでも認められる場合と認められない場合があります。

医療費に含まれるもの

・妊婦健診費
・分娩、入院費
・トラブル受診、入院分娩費
・通院交通費(領収書がない場合は、日時、行き先、運賃のメモを)
・入院時のタクシー代(公共機関を利用できない事情があるとき。領収書と事情を書いたメモを)
・入院中の治療に必要なものの購入費(傷薬、ガーゼ、水まくらなど。医師の指示により必要になったもので、かつ病院で購入したもののみ)
・歯の治療費
・治療のための薬代
・市販の薬代(治療のための市販薬のみ。ビタミン剤などはNG。レシートは、該当しない品目を線で消し、合計金額を再計算して記入)
・治療のための鍼灸・マッサージ代(場合によっては医師の証明書が必要)
・不妊症の治療費(医師が必要と認めた通常の不妊治療であればOK。判断が難しければ担当医に相談を)
・赤ちゃんの健診費、入院費(自己負担があった場合) など

医療費に含まれないもの

・マイカー通院でのガソリン代、駐車場代
・入院用の寝具や身の回り品の購入費
・医師などに対する謝礼や心づけ
・人間ドック、健康診断の費用
・健康維持のためのビタミン剤、健康ドリンク剤代
・予防接種費 など

確定申告をする方法

では、確定申告に必要なものや手続きの流れについて紹介しましょう。書類や専門用語が多く、難しいと感じるかもしれませんが、忙しいからと後回しにしてしまうと、大きな損をすることになります。面倒くさがらずにやってみましょう。

確定申告の手続きに必要なものは?

手続きには以下のものが必要です。たくさんあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
□確定申告書(医療費控除だけなら「確定申告書A」を使用)
□医療費の明細を記入した用紙
□医療費などの領収書(原本)
□領収書のない交通費についてのメモ書き
□源泉徴収票(申告者が会社員・公務員の場合)
□支払調書(申告者が自営業・自由業の場合)
□保険金などで補てんされる金額がわかるもの(確定していない場合は見込み金額)
□医師の証明が必要な場合は証明書
□印鑑(朱肉を使うもの)
※訂正が必要になり、訂正印として使う場合もあるので、申告の際は持参していきましょう。
□申告者本人名義の通帳(一部の金融機関を除く)
□マイナンバーなど

確定申告の手続きの流れは?

(1月〜12月)
1月1日から12月31日までの家族全員の医療費の領収書を集めておく。

(年末ごろ)
1月1日から12月31日までの家族全員の医療費を合計する。合計金額が10万円を超えたら、申告できる。
申告者が会社員・公務員の人は職場でもらう源泉徴収票をもらう。

(翌年1月ごろ〜)
確定申告書を入手する。国税庁のホームページからダウンロード可能。

確定申告書に必要事項を記入して計算する。

確定申告書などを税務署に提出する。

(申告から約1〜2カ月後)
申告者名義の口座に、還付金が振り込まれる。

医療費控除をする際の注意点

申告時、「出産育児一時金」は差し引いておく

医療費控除額を計算するときは、出産育児一時金や高額療養費、生命保険などから受け取った給付金を医療費から差し引くようにします。書類に不備があると税務署から訂正を求められるので、注意しましょう。

戻ってくるお金が少なくてもメリットがある

医療費控除で戻ってくるお金は、手続きに手間がかかる割には少ないと感じるかもしれません。でも申告すると、次年度の住民税額が下がる可能性があります。これは、住民税も、総収入から各種控除を引いた金額に課税されるため。ですから、面倒でもぜひ申告をするようにしましょう。

医療費控除をしない場合にできる特例、セルフメディケーション税制にも注目!

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの期間に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した合計額が1万2000円を超えたら、その超えた金額について(8万8000円が上限)、所得控除(医療費控除)を受けることができるというもの。その年のうちに健康維持と予防への取り組み(健康診断の受診、予防接種など)を行った人が対象となる制度です。
医療費控除とどちらか一方しか申請できないのが特徴。とりあえず、対象になる薬を購入したら、領収書をとっておきましょう。

「医療費控除(確定申告)」ここがポイント

●戻る人
家族全員の医療費が1年間に10万円を超えた人
または所得が200万円未満で医療費が1年間に所得の5%を超えた人

●戻る金額
源泉徴収で前払いした所得税-実際の所得税=戻ってくるお金(申告者が会社員など給与所得者の場合)
+αとして翌年の住民税が下がる可能性も

●申告する時期
翌年1月~5年以内

●受け取り時期
申告してから約1~2カ月後

●申請・問い合わせ先
住んでいる地域の税務署

医療費控除(確定申告)以外の活用できる制度

妊娠・出産・育児に関するお金の助成については、ここで紹介した「医療費控除(確定申告)」以外にも、「妊婦健診費の助成」「出産育児一時金」「乳幼児医療費助成」「児童手当」や、トラブルがあったときに関係する「高額療養費」「傷病手当金」「未熟児養育医療制度」、妊娠しても仕事を続ける人が関係する「出産手当金」「育児休業給付金」、妊娠を機に仕事を辞めた人が関係する「退職者の所得税還付申告(確定申告)」「失業給付受給期間の延長」、シングル家庭を応援する「児童扶養手当」など、様々な制度があります。
自分が関係する制度が何か、しっかり調べて、助成を受け損ねることのないようにしてくださいね。

まとめ

医療費控除(確定申告)と聞くと、手続きが難しい、手間がかかると思いがち。面倒だからやらずに済まそうと思ってしまう人もいるかもしれません。でも、妊娠、出産をした年こそ、税金を取り戻すいい機会と考え、ぜひ確定申告をしてみてください。
(文/たまごクラブ編集部)

監修
ファイナンシャルプランナー 畠中雅子先生

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