40代になると生理周期がいったん短くなる!?【月経の新事実】国立成育医療研究センターが32万人のデータ解析
女性にとって「生理」は大きな問題。にもかかわらず、現在使われている月経や妊娠に関する基礎的情報は、なんと50年以上も前のデータなのだとか!そこで国立成育医療研究センターが、女性の健康情報サービス『ルナルナ』との共同研究により、約32万人の生理データを解析。それでわかった「日本人女性の生理」の現状をご報告します。
ママたちの実感!「年齢によって月経周期が変わる」
生理は個人差が大きいうえに、体調や精神状態、年齢などで変化します。なかでも年齢による変化で戸惑う声が多くなるのが、40代前後と言われています。
口コミサイト「ウィメンズパーク」にも、こんな声が寄せられていました。
「40代半ばです。40歳を過ぎた頃から、30日周期だった生理が25日になりました」
「現在45歳で、40歳から生理が何回か変化してます。30代は28~30日周期だったのが、40歳から22~25日ぐらいに変わり、量もかなり減りました。44歳のときにまた28~30日になり、3日目にはほぼなくなるという感じになりました」
その一方で、10代の子どもの不安的な月経周期を心配するママの声も少なくありません。
「娘は小学5年生で生理になったのですが、めちゃくちゃ不規則です。長い時は25日くらいで、19日や17日のときも。2週間くらいの短いときもあります」
「中1の娘がいまだに月経周期が定まらず、月に20日くらいはだらだら出血が続きます。10代は定まらなくて当然とは聞くのですが、ここまでくると病院に行った方がいいのかと思ってしまいます」
これらは単なる個人差なのでしょうか?それとも、月経周期は本当に年齢で変わるのでしょうか?
月経周期は25歳頃が最も長く、45歳にかけておよそ3日間短くなる!
現在、日本産科婦人科学会が発表している「正常月経周期」は、全年齢を対象に「25日~38日」です。それより短い24日以下は「頻発(ひんぱつ)月経/周期が短いこと」、 39日以上は「稀発(きはつ)月経/周期が長いこと」としています。
ただし、この元となっているのは、1962年に約1万3000の生理周期分を解析したデータ。現代の日本人女性とは、社会、環境、生活スタイルなどが大きく異なる時代のものです。
そこで今回、国立成育医療研究センターが、女性の健康情報サービス「ルナルナ」と共同で、現代の日本人女性32万 人を対象にデータを解析しました。その結果、月経周期は年齢によって少しずつ変化することがわかったのです。
■月経周期と年齢の関係
月経周期のデータを5歳ずつで区切って集計したところ、25歳頃の平均値がおよそ30日と最も長くなり、その後、45歳にかけて3日ほど短くなることがわかりました。
これまで、10代の女性は周期が不安定であることや、閉経年齢が近づくと月経周期が長くなることは語られていましたが、このように20代後半から45歳にかけて月経周期が連続的に変化することは知られていませんでした。
また、「正常月経周期」の範囲に含まれる割合も年齢により変化することも分かりました。
例えば「月経周期40日」は10代後半の女性では決して珍しくはありませんが、30代後半の女性では比較的まれです。
ちなみに、月経周期の変化が最も少ないのは20代。この頃が最も周期が安定する時期と言えそうです。
季節や居住地による月経への影響はなし
調査ではこのほかに、季節や居住地による生理の変化も分析されましたが、集計の結果、春、夏、秋、冬の分布はほぼ完全に一致。季節は日本人女性の月経周期にほとんど影響がないことが分かりました。
■月経周期と季節の関係
また、47都道府県の分布にも違いは見られず、日本人女性の月経周期は居住地による影響もほとんど受けないことが分かりました。
■月経周期と居住地の関係
今回の調査により、同じ「28日周期」「35日周期」でも、15歳・25歳・35歳・45歳では医学的な状態が異なる可能性があることが推測されます。
今後、年齢を考慮しながら月経周期をとらえることで、よりきめ細かいケアや医療が行われることが期待されます。
なお、国立成育医療研究センターは、上記に続く第2弾の調査も実施しています。『ルナルナ』のユーザーにアンケートを行い、その回答とアプリ情報を分析して、仕事や生活習慣、心の健康の変化などが月経・妊娠にどのように影響するかを調査するとのこと。
2020年春まで『ルナルナ』にて、調査に協力してくれる女性を募集中ですので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。
(取材・文/かきの木のりみ)
■文中の体験談コメントは口コミサイト『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。