へその緒が巻きついていても必ずしも難産というわけではない 産科医・北島米夫
おなかの子が、体にへその緒が巻きついていると言われている上、ちょっと大きめなので、難産になるのではと不安です。
モヤモヤがスッキリ晴れる助言をくれる、と妊婦雑誌「たまごクラブ」編集部員からも絶大な信頼を寄せられる北島米夫先生が、ニンプさんのお悩みをズバッと解決! 悩めるニンプさんに愛あるアドバイスをお届けします。「産科医・北島米夫のニンプのお悩み相談室」第27回
へその緒が巻きつくと難産になる?
私が母のおなかにいるとき、へその緒が首に巻きついていたらしく、「そのせいでお産が30時間もかかって大変だった」と母が言いますが、本当に関係ありますか? おなかの子も、体にへその緒が巻きついていると言われている上、ちょっと大きめなので不安です。(妊娠10カ月のニンプより)
いろんな巻き方をした赤ちゃんがいる
へその緒が巻きついていることが原因で難産になることがないとは言えないけれど、だからって必ずしも難産になるとは限りませんよ。
私の経験から言うと、半数近くの赤ちゃんは、へその緒を巻きつけて生まれてきます。首に巻いている子もいれば、お祭りのたすき掛けみたいにしている子、足にぐるぐる巻きにしている子など、いろいろ。
ただ、基本的にはそれだけが原因で分娩時間が長くなるわけでも、帝王切開になるわけでもありません。
どちらかというと、難産になりやすいのは、へその緒が短い子。分娩時、胎盤は子宮の壁にくっついているから、へその緒が短いと赤ちゃんが産道を下がってきにくいんです。
逆にへその緒が巻いているということは、それだけへその緒が長いということでもあります。
へその緒が巻きついても酸素は届いている
よく、「へその緒が首に巻いていると、生まれてくるときに赤ちゃんの首が絞まって、呼吸できずに苦しむのでは?」という質問を受けますが、赤ちゃんは、外に出てくるまで呼吸をしていないので大丈夫。
必要な酸素は、へその緒を通して胎盤から受け取っています。ただ、巻きついたへその緒の締めつけがきつく、産道を下りてくるときにへその緒の血流が悪くなってしまうと、赤ちゃんは苦しくなります。
それは、首以外に巻きついているときも同様で、帝王切開に切り替えることもあります。
ただ、ご相談のニンプさんは、赤ちゃんが大きめとのこと。へその緒とは関係なく、大きめの赤ちゃんは、ちょっと産むのが大変なこともあるかもしれませんね。
先生から最後にひと言
へその緒が巻いているのと難産は基本、関係ない!
余計な心配はせず、
出産の日を楽しみに待とう
イラスト/花くまゆうさく 文/たまごクラブ編集部
いかがでしたか? 北島先生の相談室は妊婦雑誌「たまごクラブ」で好評連載中です。