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泣いて痛みを訴える3歳の男の子、実は「成長痛」は骨が伸びることで痛みが出るわけではない【小児科医が解説】

屋外の障害物コース (3 歳) で日本を弾いて
※写真はイメージです
ziggy_mars/gettyimages

その日、小児科に来院したのは、3才の男の子とそのお母さん。昨夜、原因不明の脚の痛みを訴えたとのこと。しかし、陽ちゃん先生が脚を診察しても、とくに異常は見当たりません。そこで陽ちゃん先生は、この時期の子どもに起こる「成長痛」について説明します――。
赤ちゃん、ママやパパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#27

夜中に起こる脚の痛み、原因は「成長痛」!

その日来院したのは、3歳の男の子とそのお母さんです。昨夜、男の子が「脚が痛い」と言って泣いていたというのです。

「最近、時々あるのですが、夜中などに脚を痛がるんです。そのたびに私がさすってあげると、いつのまにか眠ってしまいます」

――次の日の痛みはどのような感じでしたか?

「それが、次の日にはけろっとして走り回っているんですよね。何か、けがや病気なのでしょうか?」

――診察をしてみましょうね。

早速、男の子の脚を診察してみました。とくに赤みもはれもなく、脚の様子は右と左で違う感じもありません。動かしてみても、顔もしかめる様子はありません。

――はい、ジャンプしてみよう。

そう言うと、男の子は痛がりもせず、平気でジャンプをしています。

――なんともないようですね。おそらくは「成長痛」でしょう。最近、何度も痛みを繰り返していますか?

「はい。最近は時々痛がります」

成長痛とは、成長期(幼児期、学童期、思春期)の子どもの脚の痛みに使われる病名です。

ちなみに、医療関係では「足」は足首からつま先まで、「脚」は脚は太もものつけ根から下肢全体を意味するように使われます。

夕方や夜に症状が起こることが多く、回数は子どもによってまちまち。月に一回の子もいれば、週に何度も痛む子もいます。遊んでいるときや、幼稚園・保育園で過ごしているときは、痛むことが少ないです。

痛むところは赤くもなく、はれもせず、普通と変わりません。もちろんレントゲンを撮っても異常ありません。それでも、優しくさすってあげると少し痛みがやわらいで、ラクになります。

「やっぱり、成長痛は脚が痛むことが多いんですよね」

――ひざや、ひざから下のすね、ふくらはぎを痛がる子が多いですね。太ももが痛む場合もあります。

「この痛みは、いつまで続くんでしょうか?」

――数カ月の場合もあれば、1年以上繰り返し痛む子もいますよ。

「はれたり赤くなったりしていなくても、仮病じゃないんですよね」

――お母さん、そこが大事なところなんです。本当に痛いんですよ。だから、お子さんが痛がったときは、話を聞いてあげたり、さすってあげたりしてください。きっとそのほうが早く痛みもやわらいで、お母さんの手をとらなくなると思います。

「成長痛=骨が伸びる痛み」ではない!?

「でも、うちの子は背が低くて、あんまり骨が伸びている感じはしないんです。それでも、成長痛ってあるんでしょうか?」

どうやらお母さんは、あまり身長が伸びている様子はないのに、どうして成長痛があるのかと不思議に思っているようです。

――お母さん、成長痛って言いますけど、実は骨が伸びることで痛みが出るわけではないんですよ。

「え?違うんですか?」

成長に伴い、骨が伸びて引っ張られる痛みが成長痛だと考えている人が多いですが、実は骨の成長に付随して痛むことはないと考えられています。

「じゃあ、どうして痛むんですか?」

――成長痛の原因について、正確なことはまだわかっていないんですよ。ただ、日中、お友だちと元気に遊んで走り回るので、その脚の疲れやだるさを敏感に感じていることや、心理的なストレスなどが原因ではないかと考えられています。

幼稚園や保育園で過ごす日中は、ほかのことで気がまぎれていますが、夕方や夜、周囲が静かになってくると、脚の違和感を強く感じるようになるのかも知れません。

子どもたちは本当に運動量が多いものです。大人だってあんなに動けば、夜には「脚が疲れた」と感じるかもしれません。その違和感が子どもたちの痛みだと思ってもいいでしょう。また、思春期になると心のストレスなども原因になるかもしれません。

「わかりました。とくに心配することはないんですね」

――そうですね。でも、痛がるたびに「また始まった」と思ってほうっておかず、様子を見たり、触ったりしてあげてくださいね。

そして、どこかはれていたり、熱っぽかったり、歩き方が変だったり、痛みが長い時間引かないときは、受診してください。なにか違う病気の始まりだといけませんから。

お母さんと私の会話に退屈したのでしょうか、昨夜泣くほどに脚を痛がっていたという男の子は、診察が終わると一目散に診察室から走って出て行きました。

文・監修/吉永陽一郎先生

構成/ひよこクラブ編集部  

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