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産後うつ対策にも。親子で絵本を楽しんで、自分を見つめるきっかけに【精神科医】

子供の教育。ベッドの上に座って、本を読んで、彼女の幼児を持つ母
※写真はイメージです
AND-ONE/gettyimages

一生涯でうつ病になる人は15人に1人といわれていて、うつ病は特別な人だけがなる病気ではありません。とくに子育て中は、育児、家事、仕事などやることが多く、つい自分を追い込んでしまいがちです。さらにコロナ禍という特殊な状況が追い打ちとなり、心のバランスを崩すママやパパは少なくないようです。2児のママで精神科医の蟹江絢子先生は「こうした状況下だからこそ、自分自身でメンタルヘルス(心の健康)を意識する習慣が大切」と言います。

産後だけでなく、うつ病はどの時期にもある

産後うつは、産後3カ月以内に発症するケースが多く、適切にケアをすると比較的早期に回復します。

しかし産後に限らず、次の項目のうち5つ以上に該当(1か2を含む)し、症状が2週間以上続いた場合は、うつ病を疑ったほうがいいそうです。

1.気持ちが落ち込んだり、憂うつな気分になる
2.何事に対しても、やる気が起きない、興味がわかない
3.食欲が減る、体重が減る、過食、体重が増える
4.不眠、眠り過ぎる
5.気力が減退する、疲労を感じる
6.自分を無価値だと思う
7.思考力、集中力の低下、決断ができない
8.自殺願望がわく、死について何度も考える

「仕事、子育て、家事などで負担が増大すると、パパもうつ病になることがあります。そのためうつ病を、決してひとごととは思わないでください」(蟹江先生)

うつ病になりやすい人にみられる4つの傾向

うつ病になりやすい人には、次のような傾向があります。

1.妊娠前からPMS(月経前症候群)がある
妊娠前からPMS(月経前症候群)があり、月経前になると気分が急に落ち込んだり、イライラしたりするなど気持ちが不安定になりやすい。

2.眠れない・眠りが浅い
夜中、授乳していると眠りが浅いママは多いのですが「夜中に一度目が覚めると眠れない」「明け方4時前に起きてしまう」など眠れない。

3.周囲に弱音を吐かない・助けを求めない
「つらい」「大変」「助けてほしい」と思っても、つい我慢して周囲の人にSOSを出したり、弱音を吐いたりしない。

4.自分のことを責めやすい
何か問題が起きたり、悩んだりしたとき「自分のせいだ!」「自分が悪い」と思いやすい。

「1つでも該当したママ(パパ)は、日ごろからメンタルヘルスを心がけて、うつ病を予防しましょう」(蟹江先生)

蟹江先生も実践! 家庭でできるメンタルヘルス3つのポイント

うつ病というと、大人がかかる病気のように思いがちですが、実は子どもにもうつ病はあります。アメリカの調査では、3歳からのうつ病の発症例の報告や、就学前の年齢の子でも1~2%は、うつ病であるというデータも。また子どものうつ病も、特別な子がなるわけではありません。その子が持つ特性と、環境などの複合的な要因で子どものうつ病は発症します。

そのため家族みんなの心の健康を守るメンタルヘルスを実践していきましょう。メンタルヘルスには、親子で絵本を楽しむことも有効です。蟹江先生自身も実践している家庭で意識して取り組みたいメンタルヘルスのポイントと、おすすめの絵本を紹介します。

【ポイント1】家族の会話に“共感スキル”を取り入れる

共感スキルとは、相手の気持ちに共感することです。たとえばママが「子育てに疲れた」と言ったとき、パパに「だったら実家に少し帰れば?」と言われると、ママとして「わかってくれない…」「冷めたい…」と余計に傷つくのではないでしょうか。
心が弱っているとき必要なのは解決策を提示するよりも「大変だよね」「少し休みたいよね」と、まずは相手の気持ちを言葉にして共感することです。
子どもがイヤイヤするときも「悲しいね」「くやしいね」と気持ちを言葉にして共感することで、気持ちは落ち着きます。共感スキルを意識するためにおすすめの絵本を紹介します。

「カラーモンスター きもちは なにいろ?」(オリジナル版)

著/アナ・レナス 訳/おおともたけし  1650円(税込み)/永岡書店

「うれしい」「悲しい」「怒り」など5つの気持ちと向き合える絵本。アメリカでは乳幼児期から、子ども自身が今、抱いている感情について話す機会が多いです。しかし日本では、そうした機会があまりないので、絵本を通して感情と向き合い、整理することに触れてみるといいでしょう。

【ポイント2】“行動活性化”で気分を盛り上げる

行動活性化とは、美容室に行く、ショッピングに行くなど、気分が盛り上がることを先延ばしにしないで、計画し実行すること。「家で、1人でできること」「外で、1人でできること」「家で、家族(友だち)とできること」「外で、家族(友だち)とできること」の4つのバリエーションがあると、実践できる可能性が高まります。行動活性化で、気分を上げることをしてみようと思えるおすすめの絵本を紹介します。

「おでかけのまえに」

作・筒井頼子 絵・林明子 990円(税込み)/福音館書店

お出かけをする前のワクワク感もうつ病予防には効果的です。子育て中は、お出かけをするときも準備に忙しく、ワクワクする余裕がないママやパパもいるかも知れませんが、絵本の世界では、お出かけ前のワクワク感に浸ってみて。

【ポイント3】幅広い視点で考える“認知再構成”を意識する

認知再構成とは、幅広い視点で、バランスよく考えることです。考え方が偏っていたり、何かに固執しすぎたりするとうつ病になるリスクは高まるので、落ち込んだり、気分がモヤモヤしたりしたときは「もし、同じことをAさんに相談されたら、私は何て答えるかな?」「おおらかなBさんなら、このことをどんなふうにとらえるかな?」と幅広い視野で考える習慣を作りましょう。
認知再構成の習慣化に役立ちそうな絵本を紹介します。

「りんごかもしれない」

作・ヨシタケシンスケ 1540円(税込み)/ブロンズ新社

1つのりんごを見て「もしかしたら大きなサクランボの一部かもしれない」「心があるのかもしれない」「宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない」と、幅広い視点で考えるヒントがつまっています。

就寝前や朝、気持ちに余裕があるときに絵本を読む習慣を

うつ病を防ぐには、日ごろから考え方を柔軟にすることがポイントです。絵本には、そうしたヒントが詰まっています。また絵本を読んでほっとしたり、心が穏やかになったりすることが心の安定につながります。

「とくに就寝前や朝の心の状態は1日に影響するので、ママやパパの気持ちに余裕があるときに、親子で絵本を楽しむ習慣を作ってみてください。ママやパパが子ども時代に、親に読んでもらった絵本を読むのもおすすめです」(蟹江先生)

お話・監修/蟹江絢子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

紹介した「家庭でできるメンタルヘルス3つのポイント」は、精神科の治療(認知行動療法)に基づいたもので、蟹江先生も実践しているそうです。人生には、悪いことも起きます。蟹江先生は「そのときに適切に自分の気持ちと向き合ったりできると、うつ病を未然に防ぐ対策になります。そうした習慣は、心が元気なうちに身につけておいたほうがいい」と言います。

蟹江絢子先生(かにえあやこ)

Profile
精神科医・医学博士。筑波大学医学専門学群医学類(医学部)卒業。現在は、Jolly Good株式会社でVRによる精神疾患向けのデジタル治療の開発をはじめ、クリニックで臨床やHP「Knowell Family」で周産期のメンタルヘルスの啓蒙活動を行っている(https://www.ncnp.go.jp/cbt/knowell/)2歳、4歳の2児のママ。

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