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賞味期限と消費期限の違いって? いつまで食べられる?【専門家】

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建設中の栄養ラベル
kat-co/gettyimages

今回のテーマは賞味期限についてです。みなさん、賞味期限や消費期限には、どのようなスタンスでいるのでしょうか。
口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声ともに、食品の安全などについて詳しい科学ジャーナリストの松永和紀さんに、基本的な考え方についてアドバイスいただきました。

自分の感覚で判断するママが多い傾向

まずはママたちの声を紹介しましょう。

■ 未開封の物で、適した状態で保管された物なら問題ないかな
「賞味期限切れのクッキーもらいました。でも私は迷わず食べます。
もともと賞味期限は参考程度にしか考えていません。自分の嗅覚と味覚がOKと判断したなら食べます」

■ 2年前の缶詰、食べました!
「片付けをしていたら奥から蟹の缶詰が出てきました。賞味期限は2019年6月。開けて少し食べてみたところ、特に変な味はしないし、調べたら、食べても大丈夫そうな感じ。
つい先日も、消費期限『2019.7』のナタデココ&パインの缶詰を発見して食べてしまった私です。
ネットで検索すると、缶詰って缶がサビていたり膨らんでいたりしなければ大丈夫らしいとのことでした。缶を開けて見た目がアウトなら食べませんが、普通に美味しく、問題もなかったです」

■ 大人なら温めて食べるけど、子どもには出さない
「茹でたパスタにかけるレトルトのミートソースの賞味期限が1カ月過ぎてました。
1年なら迷わず廃棄しますが、大人だけなら……食べるかな。子どもは別メニューにして」

■ いつもと違う感じがしたり、異臭がないかを確認
「臭いと見た目がいつもと違う感じがしたら捨てますが、そうでなければ火を通して食べます。
消費期限は『その日までに食べてください』、賞味期限は『その日まで美味しく食べられます』って意味なので、ちょっとくらい過ぎても、臭いと見た目で確認して食べます」

食品ロスを減らすためにも、期限についてもっと知ろう

「家で賞味期限や消費期限の過ぎた食品を発見!」なんて経験は誰しもあることでしょう。そんなときは、どうしたらいいのでしょうか。、食の安全などについてくわしい松永和紀さんにお伺いしました。

「皆さんが、『期限切れ=(イコール)捨てなければ』と思い込んでいないことを知って、ほっとしました。食べられるものはちゃんと食べて食品ロスを減らしたい。でも、処分すべきものもありますから、しっかり判断してほしいです。

期限には2つあります。
『消費期限』は弁当や惣菜、生の肉など品質が急速に劣化しやすい食品に付けられるもので、『食べても安全な期限』。したがって、こちらは期限を過ぎたら食べない方がよいのです。
一方、『賞味期限』は、定められた方法により保存した場合に『おいしく食べられる期限』。菓子やインスタントラーメン、缶詰、レトルト食品など、品質劣化が比較的遅い加工食品に付けられています。

賞味期限は、食品企業が味や香り等を食べて確認する『官能検査』や『微生物検査』などを行って、『自信を持って安全でおいしいとお勧めできます』と確認した日数に、念のため、0.8とか0.9の数字をかけ算して決定されています。

仮に、製造して容器に入れて封をして200日間はおいしいと確認できたら、0.8をかけ算して出た160日後を賞味期限とし、パッケージに印字します。したがって、賞味期限を少し切れたくらいなら、実はまだ、企業が『自信を持っておいしい』と言える期間なのです。

その後も、品質が急激に下がり、安全に問題が生じるわけではありません(グラフ参照)。劣化は緩やかです。日数が経って風味が落ちていたとしても十分に食べられます。

出典:消費者庁「食品ロスを減らしましょう」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/pamphlet/pdf/pamphlet_191024_0001.pdf)より抜粋引用

賞味期限が表示されている食品は、期限が切れた後、緩やかに劣化してゆくが一定期間は食べられます。

たとえば、魚や肉類の缶詰は、製造後、実際には4、5年ぐらいはまったく問題ないそうですが、おおむね製造3年後が賞味期限として記載されています。
ただし、どれくらいの日数大丈夫かは食材や味付けの方法、容器の性質等によって変わります。くだものの缶詰は、長く保存していると缶の鉄分とくだものの酸が反応しはじめ、ガスが発生したり中身が変質したりしやすいため、賞味期限は魚や肉類に比べて短く設定されています。

ほかの食品も同様に、中身の食材の種類や味付け、容器包装の種類などによって賞味期限も、期限後にどのくらいの期間食べられるかも異なります。それに、保存の仕方によってもまったく変わります。室温で暗いところに置いていた食品と、日が当たったり温度差が激しかったりする場所に置いてあった食品では、味の劣化の程度はまったく違うのです。

なお、食品の性質は、外見やにおいだけではわかりません。たとえば、小麦粉は外見が何も変わらなくても、中に含まれる酵素の活性は日が経つにつれ低下するので、長く保存した小麦粉でケーキを焼くと膨らみにくいなどの影響が出ます。
脂質の多い食品は、脂質の酸化が進んで有害物質ができたりします。食品はかなり微妙なものなのです。
食品企業はそうしたことも考慮のうえで賞味期限を設定しています。
したがって、企業は消費者に対して、パッケージをよく読んで所定の保存方法をとり、なるべくなら賞味期限以内においしく食べてほしいなあ、と願っているのです

賞味期限切れと消費期限切れでは、意味に大きな違いがあります。そのあたりの基本的なことも含めて正しく知り、無駄をなくしていければと思います。
(取材/文・橋本真理子)

松永和紀さん

Profile
科学ジャーナリスト。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。毎日新聞社の記者を経て独立。食品の安全性や環境影響等を主な専門領域として、執筆や講演活動などを続けている。主な著書は『効かない健康食品 危ない自然・天然』(光文社新書)など。2021年7月より内閣府食品安全委員会委員(非常勤、リスクコミュニケーション担当)。
※アドバイス内容は組織の見解を示すものではなく、個人としての意見を書いています。

■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。

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