吉田明世 子育ての「こうあるべき」に縛られないで! ベターかもしれないけどマストではない
2018年5月に第1子の女の子を、2020年12月に第2子の男の子を出産し、きょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサー吉田明世さん。
「第2子が生まれてから、8カ月以上が過ぎました。第1子のときのことを振り返ってみると、初めてで慣れない子育てのせいか、たくさんの“べき”に縛られていたなぁと感じることがあります」と話します。
吉田明世さんの育児エッセイ第20回は「第1子の育児は『母親はこうあるべきだ!』という情報に縛られていました」です。
第1子のときは「母乳で育てるべきだ!」と思っていたけれど…
完全母乳で育った第1子の娘。「ヨーロッパでは3才でも母乳を飲むのが当たり前」「なるべく長く母乳をあげたほうが子どもの精神面においてもいい」という情報を耳にし、また、私自身、母乳がよく出るほうだったということもあり、ほとんどミルクをあげることなく1才10カ月まで授乳を続けていました。
一方で第2子の息子のときは、私自身の母乳が思うように出ず、完全母乳どころか、1回分の授乳すら母乳がたりている感じがまったくしないほど。仕事に早く復帰したことや、生活リズムの関係などで曜日によって授乳回数がまばらで、母乳が出る量がたりていないということもあり、8カ月になる息子は、ほぼミルクで育っています。
それでも元気にすくすく育つ息子の姿を見て、娘のときは母乳に対して、変なこだわりが強かったことに気づかされました。母乳でもミルクでも、どちらであっても元気に育つので、母乳がたりないからといって自分を責めたり、落ち込む必要はまったくないのです。
赤ちゃんは母親と一緒にいるべきで、保育園に預けるのはかわいそう?
「小さいうちはお母さんとなるべく長く一緒にいるべき」という考えがまだまだ日本では強いように思います。
去年の12月に息子を出産し、この4月に仕事に復帰したため、息子は生後3カ月で保育園に通い始めました。
まわりからは、「そんなに早く預けてかわいそうなんじゃないか」「なるべくお母さんと一緒に過ごしたほうがいいのでは」といった意見もありましたし、私自身もこんなに小さいうちから保育園に行かせても大丈夫なのだろうか…という不安もありましたが、保育園でしかできない遊びや経験をさせてもらっています。
また、1才で保育園に通い始めた娘よりも、よく笑う赤ちゃんに育っていて、早くから保育園に通わせることに罪悪感をもつ必要はないと実感しました。
子どもやその家族によって、「子どもの育て方」はさまざま
ほかにも離乳食は手作りにするべき、とか、おふろや睡眠・食事の時間は生活リズムをつけるために毎日同じ時間にすべき、などなど…インターネット上にはいろいろな情報があふれています。それらの情報は、時により初めて育児をするお母さんに対して、変なプレッシャーや負担になってしまうことがあるのかもしれません。
母乳にしても、保育園にしても…ベターかもしれないけどマストではない。それぞれの環境や生活状況によって、子どもの育て方というのもさまざま。
世の中にたくさんあふれている、子育ての「こうあるべき」という情報にあまり縛られすぎずに、全国のママが自分らしく子育てを楽しめたらいいなぁと思う今日このごろです。
文/吉田明世 構成/ひよこクラブ編集部
子育てにまつわる「こうあるべきだ!」というさまざまな情報。時には、ママ・パパを縛りつけてしまうこともあるかもしれません。
育てている親の数だけ、子育ての方法があるでしょう。「こうあるべき」という情報にとらわれすぎず、ベターな方法を探りながら、子育てを楽しめるといいですね。
吉田明世(よしだあきよ)
Profile
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、テレビ・ラジオ・イベントなど幅広く活動。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。