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「親のための性教育講座」 父親参加率が低い理由を考える【ママ泌尿器科医】

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子供と一緒に見ている父
chachamal/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第19回。今回のテーマは、「親向けの性教育講座の参加者に、父親が少ないのはなぜか?」です。岡田百合香先生が、父親の性教育への関心が低い理由や、父親の性教育講座参加の必要性について語ります。「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#19。

性教育をテーマにした講演会の参加者は、全員が母親

先日、地域の子育てセンターで性教育をテーマにした講演会を行いました。この子育てセンターは、休日はいつも父親の参加率がかなり高く、「お父さんも子育てする、いい時代になったなあ」と感じるような場所です。

今回の講演会は母親限定で募集しているわけではないため、父親も何人か参加してくれるかも…と期待していました。が、実際にふたを開けてみると、全員が母親。夫婦での申し込みが1件だけあったようですが、父親はキャンセルになってしまったとのこと。父親にこそ、ぜひ聞いてほしい内容も盛り込んでいたので、少々残念な気持ちになりました。

母親の参加率が高いのは、自身が被害者になる可能性が高いから

講演を終えて、「どうしたら父親にも性教育に関心をもってもらえるか」を考えてみました。

今、日本社会の中で性教育への関心や必要性への理解が高まっているのは間違いないと思います。しかし、実際に「ぜひ知りたい!」「性教育をもっと充実させてほしい!」と声を出しているのは圧倒的に母親(女性)が多いのです。

「まだまだメインで子育てにかかわるのは母親が多いから」という理由もあるかもしれません。一方で、たとえば私が所属している、子どもの交通事故予防に取り組むグループの男女分布は男性のほうが多くなっています。

母親のほうが性教育に関心が高い理由として、性にまつわる問題で被害者になる可能性が高いのが、女性と子どもだということが挙げられると思います。人生の中で痴漢や、セクシュアルハラスメント、性暴力といった「性」に関するなんらかの被害を受けた経験のある女性も少なくないと思います。それによって、性に関する問題を「自分ごと」としてとらえやすいのではないでしょうか。なので「子どもを守るため」の性教育の必要性を母親のほうが強く感じ、性教育講座への参加比率にも現れているのだと考えています。

とはいえ、性教育は性犯罪から身を守るためだけの教育ではありません。自分の心や生き方を豊かに、幸せにするために必要な幅広い内容を含んでおり、当然父親も知っておくべきものです。どうしたら「おれも性教育の話、聞いてみようかな」と思ってもらえるのでしょうか。

父親の性教育への関心を高めるには、「父親限定講座」が有効か⁉

さて、私は熱心に性教育に取り組んでいるのですが、夫は残念ながら現在ほとんど関心がありません。「プライベートゾーン」という言葉も知らないと思います(3才の息子は知っているのに…)。

ただ、夫は子どもの食事に対して非常に関心があり、幼児食の料理本を読み込んで、栄養バランスにこだわった食事を作ってくれています。

きっかけは、息子の離乳食が始まったころに開催された、「父親のための離乳食講座」に参加したこと。乗り気ではなかった夫を、半ば無理やり連れて行き、父親たちだけで料理の講座を受けたところ、大変身。それ以降、積極的に自分でレシピを調べ、台所はおれにまかせろと言わんばかりに主体的に料理を担ってくれるようになりました。「自分以外の父親もやっている」「男性しかいない」という環境により「料理(子育て)は女性がやるもの」という固定観念が崩れたのでしょうか。

性教育でも同様の作戦はどうかなと考えています。最初は母親に「行ってきてよ!」と半ば強制されてでも、「父親しかいない」という環境は参加のハードルがぐっと下がると思います。そこで性教育の楽しさや重要性に気づいていただき、あとは自主的にどんどん学んだり、パパ友を巻き込んだり…となれば理想です。来年は思いきって「お父さんのための性教育講座」の企画を打診してみようかな。

文・監修/岡田百合香先生 構成/ひよこクラブ編集部

子どもの性教育について知っておくことは、当然、母親だけでなく父親にとっても大切なことです。「お父さんのための性教育講座」が定期的に開催されるようになることを、期待したいものです。次回も、子どもの性や、性器、排せつなど、ママ・パパが気になるお話をお届けします!お楽しみに。

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