息子の言葉にドキっ!「だって、そこプライベートゾーンじゃん」【ママ泌尿器科医】
ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第20回。今回のテーマは、「性教育をするときの、親の心構え」です。息子さんとのプライベートゾーンにまつわる出来事をきっかけに、正しい性教育とは何かを、あらためて考えます。「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#20。
息子への性教育の成果を知り、感動するとともに反省した出来事
先日、朝に目覚めると、隣で寝ている3才の息子のパジャマがぬれていることに気づきました。週に2~3回は、夜におもらしをしてしまうのですが、「おもらしをしかったり、がっかりした様子を見せない」ように意識して、洗濯にとりかかります。ただ、なぜか息子はぬれたままのパンツをそのままはきたがることがあり、朝の忙しい時間帯に「洗濯するから脱いで」「嫌だ」の押し問答となることもしばしば。
その日はまだ寝ていたので、「今のうちにぬれたパジャマとパンツを脱がせちゃおう」と脱がそうとしたそのとき…。「やめてー」と言って、息子が薄目を開けてこちらを見ているではありませんか。
「パジャマとパンツ、ぬれてて、風邪ひいちゃう。ママ洗うから脱がせるよ」と、そのまま脱がせようとしたのですが…、次の瞬間、「だって、そこプライベートゾーンじゃん」と言われました。
家庭でのプライベートゾーン教育の成果だ!と感動したのと同時に、「確かにそのとおりだよな」と無理やり脱がせようとしたことを反省したのでした。
性教育を取り入れるときは、親自身も行動を変える必要が!
性教育に取り組んでいると、親自身の行動変化も求められることに気づきます。
「プライベートゾーンは、たとえ親や先生であっても、本人の許可なく勝手に触ったり見たりしてはいけない」と教えておきながら、早く着替えさせたいときや、急いでおふろに入れたいときに、本人の許可なく服を脱がせていた自分。「ママだからいいの」「急いでいるときはいいの」と大人の都合で例外を作ってはいけないと思い、それからは本人の同意なく、服を脱がそうとするのをやめました。
同様に、おふろで体を洗う際、子どもが遊びに夢中なときは、私が勝手に性器やおしりを洗ってしまうことが多々ありました。これからは「プライベートゾーンだから、自分で洗おうか」と声をかけ、子どもが自分で洗いそうにないときも「ママが洗っていい?」と同意をとるように心がけようと思います。
「自分で洗わないけど、ママが洗うのも嫌」となるケースも想定されますが…、シャワーで流すだけでも汚れは落ちますし、1日くらい性器まわりを洗うことをあきらめても問題ありません。
子どもに言うばかりでなく、自分の行動を見直さなくては!と痛感
性教育に限らず、子どもに「〇〇してね」「〇〇しちゃだめだよ」と言う際に、「自分はできているのか?」と考えてみると、できていないことがとっても多い!「ちゃんとお片づけしてね」「危ないから、歩きながら歯磨きしちゃだめ」「ごはんの前にお菓子食べちゃだめ」…。
私はできていないことだらけ…。
子どもは親のすることをよく見ています。正しい知識や情報を伝えることも大切ですが、大人も自分の行動をそれに合わせて見直して行く必要があるなと痛感した出来事でした。
文・監修/岡田百合香先生 構成/ひよこクラブ編集部
子どもに要求したり禁止したりしているのに、大人はできていないこと…多々あります。あらためて、自分の行動を見直してみたいと思いました。次回も、子どもの性や、性器、排せつなど、ママ・パパが気になるお話をお届けします!お楽しみに。