どうして寝てくれないの? 間違えだらけの1才以降の寝かしつけ【米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント】
1才ごろ以降は、動きが活発になり好奇心もグンと旺盛になります。
寝かしつけのときに隣で寝たふりをしていると、顔にキックされたり体に登ってきたり…。遊びたがって一向に寝てくれな~い!! こんなお悩みを持つ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? 赤ちゃんの寝かしつけに時間がかかると、ママやパパのストレスも増えますよね。私はイライラMAXになったとき、とうとう「寝なさい!」と叫んでしまったこともありました。
今回は、そんな1才以降の“長時間の寝かしつけ”を解決する方法を紹介します!
日本人初の米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さんが、米国NYから情報を発信!
「愛波文さんのぐっすりねんねROOM#30」
1歳~1歳6カ月の場合
寝かしつけ時間のタイミングやねんねルーティンを見直すことで改善することもあります。
【原因1】赤ちゃんが疲れすぎている
【改善策】
この時期になると赤ちゃんはかなり活発になってきます。よちよちあんよを始めている場合、とくに活動量が増し、夕方には疲れすぎていることも。そこで、日中の活動時間を少し短くするために、少し早くねんねルーティンをスタートし、早めの就寝時間をめざしましょう。
ルーティン例:
【授乳を入れた合計約40~50分】
・おふろ(約10~15分)
・保湿(約30秒)
・肌と肌の触れ合い(30秒)
・授乳(約15~20分)※断乳・卒乳していたら水分補給(約1~2分)
・リビングの家具やおもちゃなどに「おやすみ」と伝える(約1分)
・歯磨き(約1~2分)
・同じ絵本を読む(約5~10分)
・薄暗い寝室に行く(約30秒)
・「大好きだよ」と伝える(約5秒)
・寝床に置く(3秒) ※ ママやパパは部屋を出てもOK!
【原因2】抱っこ、添い乳・添い寝がくせになっている
【改善策】
1歳を過ぎた段階で、抱っこしたまま寝落ち、添い乳・添い寝で寝落ちがくせになっている場合、ママやパパの疲弊度も高いはず…。
“ねんねのおとも”として、おっぱいや哺乳びん、ママやパパのぬくもりではなく、好きなブランケット・タオル・ぬいぐるみなどと一緒に寝る練習をしていきましょう。
また、ねんねのおともは、綿100%で肌触りがいいものを選んで。お出かけのときに持ち運びが簡単なものがよいでしょう。なくしてしまったときや、洗濯をしている間に泣いてしまう子もいるので、同じものを2つ準備しておくことをおすすめします。私のこだわりアイテムも紹介します。
愛波ラビー/本体綿100%・日本製。
やさしい肌触りにこだわった生地。ループつきで便利です。
※添い寝、添い乳はルールを守らないと赤ちゃんを窒息事故という危険な目に合わせる可能性があります。安全な方法で行うことが大切です。
1歳7カ月~2歳の場合
赤ちゃんの昼寝、目が自然と覚めるまで寝かせていいと思っていませんか?昼寝時間を調整することも必要です。
【原因1】昼寝が長すぎて疲れていない・眠くない
【改善策】
昼寝を15時以降までしていると、その後の赤ちゃんの活動時間(起きている時間)も後ろ倒しに。夜の就寝時間が遅くなってしまうことがあります。
毎日の昼寝は、14時30分~15時までには、切り上げるのがおすすめです。
※保育園に通っている場合、通わない日の昼寝を調整してみましょう
【原因2】寝たふりをしながら、添い寝をしている
【改善策】
この寝かしつけ方法だと、1時間以上かかることはよくあることです。ママやパパの上に乗っかってきたり、危ない場所に移動して、ママやパパが連れ戻したりすることも。赤ちゃんにとっては、この流れが「遊びの時間」となってしまい、「寝かしつけの時間」とは思えなくなっています。これをどうにかしたい!と思っている場合は、赤ちゃんが一人で寝ることができるようになるセルフねんねトレーニングを行っていきましょう。
ねんねルーティン(1歳~1歳6カ月参照)を行ったあと、赤ちゃんがまだ寝入っていない(目が開いている状態)で、寝床に置き、最後はできるだけママやパパは赤ちゃんに触れることなく、寝ることが理想です。
最初は赤ちゃんが泣いてしまうかもしれません。けれど、数日間頑張れば、赤ちゃんが夜中に頻回に泣いて起きることが無くなり、今後の赤ちゃんや家族のためになるはずです。一貫性を持って、続けてみてください。
【原因3】イヤイヤして寝てくれない
【改善策】
このころになると、自我が発達するので、本人が納得できるように伝えることが大切です。
たとえば、ねんねルーティンを絵にして、その絵を壁に貼ってみましょう。見ただけで、次に何をすればいいかがわかりやすくなります。好きなキャラクターを絵に入れてもいいですね。ねんねルーティンから就寝までの流れががスムーズいくこともあるので、効果的です。
2歳~3歳の場合
自我や想像力が発達してくるので、寝室の照明を調節したり、ルーティンのこなし方を工夫していくことがポイントです。
【原因1】昼寝が長すぎて疲れてない・眠くない
【改善策】
夜、なかなか寝てくれなくて、就寝時刻が22~23時と遅くなっている場合、昼寝の時間を短くするか、14時30分ごろまでには切り上げましょう。しばらく続け、夜のねんねルーティン(1歳~1歳6カ月参照)を行うと眠たくなるリズムが整ってきます。
※保育園に通っている場合、通わない日の昼寝を調整してみましょう
【原因2】寝たふりをしながら添い寝をしている
【改善策】
やり方は、(1歳7カ月~2才部分)と同じです。
ねんねルーティン(1歳~1歳6カ月参照)を整え、習慣にしていきましょう。おっぱいや哺乳びんの代わりになる、お子さん好みの“ねんねのおとも”があると効果的です。(1歳~1歳6カ月部分参照)
【原因3】イヤイヤして寝てくれない
【改善策】
寝る前にやらないといけないこと(ねんねルーティン)リストを、子どもと一緒に作成します。そして、寝る前に一つずつ、たとえば「さあ、パンダさんのぬいぐるみ(ソファや椅子でもOK)におやすみのあいさつをしようね」など、一緒にチェックをしていきましょう。
全てのルーティンをクリアしてから寝室に入ると、子どもは「寝る」ことに対して前向きになってくれます。子どもの自我がさらに強くなってくるこの時期、「これはきちんと行う」「これは多少ゆるくてもOK」など、しっかりと境界線を作っておくことが大切です。
イヤイヤはそのままにしておくと、エスカレートすることがあります。子どもに振り回されないよう、ママとパパでも子どもへのかかわり方を話し合っておくといいでしょう。
【原因4】寝室が暗くなるのが怖い
【改善策】
想像力が増してきて「寝室が暗くて怖い」と言ってくる子が増えてくる時期です。
天井の常夜灯は明るすぎるため、子どもの睡眠を妨げてしまうことがあります。照明を使う場合は、足元をうっすら照らす暖色系の足元ライトなどを使用してください。
赤ちゃんの自我が発達してくると、寝かしつけにもこだわりが出てくるようになり、方法を変えるのは大変…と思う方もいると思います。でも、遅すぎるということはありません。
1日の最後、怒りながら寝かしつけをするより、おだやかに眠ってもらうほうが、親子ともに幸福度がアップするはず! ぜひスムーズな寝かしつけを手に入れるために、今日からできることを少しずつチャレンジしてみてくださいね。
構成/ひよこクラブ編集部