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むし歯菌は1才半~3才位に家族感染から増えやすい⁉ 気をつけたい、むし歯予防の5つのポイント【専門家】

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かわいい赤ちゃんブラシの歯
※写真はイメージです
bee32/gettyimages

2022年6月4日〜10日は歯と口の健康週間です。赤ちゃんのむし歯予防にできることは、歯磨きだけではありません。むし歯になりやすく進行しやすい乳歯のむし歯リスクを抑えるために、歯が生える前からできることについて、こどもと女性の歯科クリニック院長 岡井有子先生に聞きました。

エナメル質が薄い乳歯は、むし歯になりやすく進行が早い

――近年はむし歯がある子どもは減少しているようですが、子どもの乳歯がむし歯になるのは何才くらいからが多いのでしょうか?

岡井先生(以下敬称略) 歯が生えそろう2才半くらいから、少しずつむし歯になり始める子が見られます。原因は甘いお菓子が多いです。とくに、上にお兄ちゃんお姉ちゃんがいる子は、上の子が食べているとどうしても食べてしまいますよね。早くから甘いおやつを食べたりジュースを飲んだりすることが習慣化すると、そのぶんむし歯にもなりやすいと思います。
また、幼稚園に通う3才くらいになるとお友だちと遊ぶ機会が増え、その際におやつをもらうようになることも、むし歯にかかる子が増える原因の一つと考えられます。

――子どもの歯がむし歯になりやすいのはなぜでしょうか。

岡井 歯の表面には“エナメル質”という層があり、むし歯菌が出す酸から歯を守っています。しかし、乳歯は未熟で永久歯よりもエナメル質が薄く、歯質もやわらかいため、むし歯菌の酸によって溶けやすい、つまりむし歯になりやすく、むし歯になると進行が早いといわれています。そのため、予防してあげることが大切です。

――乳歯がむし歯になると、永久歯にも影響するのでしょうか?

岡井 歯の生えかわりが始まるころに、乳歯の下には永久歯が生える準備をしています。乳歯のむし歯が進行して歯の根っこのほうまでむし歯菌が増えてしまうと、準備をしている永久歯にも影響して、エナメル質に影響をあたえることもあります。
また、乳歯がむし歯になって抜けてしまうと、隣の歯が空いたスペースに寄ってきて、永久歯が生えるスペースが狭くなり、歯並びに影響することもあります。

以前は乳歯はいずれ抜けるので「治療をしなくていい」という考え方から、歯茎が炎症を起こしても痛み止めを入れて治療をしないこともあったようです。でもそれは間違っていて、乳歯のむし歯もきちんと治療してあげることが大切だと考えています。
むし歯が悪化して神経まで到達してしまった場合、乳歯の神経を取る治療をすることもあります。ママやパパの中には、乳歯の神経を取ると永久歯にも影響するのでは、と心配する人もいますが、乳歯と永久歯の神経は独立しているので、乳歯の歯の神経を取ったからといって永久歯の歯の神経がなくなることはありません。むし歯菌に感染した神経をそのままにせず、ちゃんと治療をしてあげたほうがいいですよ、とお伝えしています。

感染の窓が開く前にしておこう!むし歯予防のポイント5つ

歯が生える前から歯が生えそろうころまで、子どものむし歯予防のためにできることのポイント5つを岡井先生に教えてもらいました。

【Point1】歯が生える前からお口のマッサージを

「むし歯を予防する第1歩は、歯並びをよくしてあげること。歯の土台となるあごの形を意識して、赤ちゃんの口の中をマッサージしてあげましょう。ママやパパの手を清潔にして、小指を赤ちゃんの口に入れ、歯ぐきと唇の間に指を入れて、奥から手前に向かって歯ぐきをなぞるようにマッサージします。ほおの粘膜を伸ばしてあげるイメージです。
これにより口まわりの筋肉の緊張が取れて口の中がやわらかくなり、丸いアーチ型の理想的なあごの形に近づけることができます。また、唾液(だえき)の分泌も促されてお口の中を洗い流す作用もあります。マッサージのタイミングは授乳の前後などがいいでしょう。
とくに医療ケアが必要で口にチューブが入っている赤ちゃんは、口の中への刺激が少なくかたくなりやすいので、マッサージをしてやわらかくしてあげましょう」(岡井先生)

【Point2】おやつは砂糖が少なく、歯にくっつきにくいものを選ぼう

「離乳食が始まったら、おやつには昆布やおにぎり、おせんべいなどがおすすめです。とくにおすすめなのがだし昆布です。私のクリニックでは、赤ちゃんの手に握ったときに手からちょうどはみ出る長さ(7cmくらい)の、スティック状にカットしただし昆布をあげています。なるべく厚みがあるものを選ぶといいでしょう。赤ちゃんたちはすごく喜んでカミカミしていますよ。カミカミして、やわらかくなったらもぐもぐして食べられますし、唾液もたくさん出ます。

砂糖を大量に含んだお菓子やジュース類は、口の中のむし歯菌を活性化させ、むし歯の原因になりやすいです。市販のおやつや飲み物に『赤ちゃん用』などと表示があっても、必ずしも赤ちゃんの歯や口に安心というわけではありません。ドライフルーツやグミなど歯にくっつきやすいものもむし歯のリスクが高まります。甘いおやつを食べたあとにはできれば歯磨きをしましょう。お出かけ先ならお水を飲ませて口の中になるべく砂糖が残らないようにしてあげましょう」(岡井先生)

【Point3】カミカミで唾液の分泌を促して

「離乳食が始まる前の6カ月のころになると、自分で持ってカミカミできる、自分磨き用歯ブラシを準備してもいいでしょう。よくカミカミすることで、唾液の分泌が促され、お口の中がきれいに保たれます。歯ブラシに限らず、昆布でも、歯がためのようなおもちゃでもいいので、お口に入れても危なくないものでカミカミの練習をすることが大切です」(岡井先生)

【Point4】仕上げ磨きは1日1回、昼でもOK

「1日1回は親が仕上げ磨きをしてあげる習慣をつけたいものです。夜寝る前がいいとは思いますが、眠くて嫌がるようなら昼間の機嫌がいいときでも大丈夫。1日1回、きちんと汚れを落とすことが大切です。
歯が生え初めのころに、赤ちゃんが自分磨き用のシリコンなどの歯ブラシでカミカミしていたら、その歯ブラシでささっと仕上げてあげてもOK。仕上げ磨き用の歯ブラシを使わないといけないわけではありません。

また、ママやパパが仕上げ磨きをするときに、ゴロンと寝転がることを嫌がる子も多いです。抱っこやねんねのときに首の後ろが反ってしまう子は、首の後ろや肩が凝り固まっているため、寝転んだり背中を触られるのを嫌がるんですね。その場合は、首の後ろと肩を優しく触ってマッサージして、緊張を取ってあげましょう。おふろのとき、ひざに抱っこしているとき、歯磨きの前など、1〜2週間、長い子では1カ月マッサージを続けてあげると、ゴロンしてくれるようになってきます。どうしてもゴロンするのが嫌なら、立ったまま仕上げ磨きをしてもいいですし、鏡を見るのが好きな子は鏡を持たせて見ている間にささっとやってもいいと思います」(岡井先生)

【Point5】むし歯菌の家族感染をさせない

「生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌は存在しません。むし歯菌は多くの場合は家族から感染し、住み着く場所(乳歯)とえさ(砂糖)があると悪化しやすくなります。そのため、むし歯の感染の窓が開くのは1才半からといわれます。乳歯が奥歯まで生えてきて、甘いものを多く食べ始める1才半から3才ぐらいの時期に、口の中にむし歯菌が住み着くようになるため、この期間は家族みんなでむし歯を減らすことが大切です。お箸を分けるなどに気をつける前に、ママもパパも歯医者さんに行ってむし歯の治療や予防をしましょう。

食事のときにはママやパパのスプーンを赤ちゃんと共有することなどは避けたほうがいいと思いますが、離乳食やおやつをしっかりカミカミできていたら、1才半くらいなら自分で手づかみなどで食べられるようになっていると思います。この時期の赤ちゃんはママやパパが食べさせてあげるよりも、手づかみでも汚してもいいので、自分で食べられるようにしてあげるといいと思います」(岡井先生)

【岡井先生自身の体験】怖い顔をした歯磨きの失敗と多彩じゃなかった食体験

――歯科医師である岡井先生は、2人の子どものママでもあります。歯磨きを嫌がったことはありましたか?

岡井 10才の女の子と8才の男の子がいますが、下の子はよく歯磨きを嫌がっていました。だから、仕上げ磨きを嫌がられて困るというママたちの気持ちはよくわかります。もちろん私もお口のマッサージなどもしていましたが、日中は仕事のため夜しか仕上げ磨きのタイミングがなくて、嫌がっても無理やり磨いてしまったことも(笑)。そしたら夫に「すごい怖い顔をしてるよ、それがダメなんじゃない?」と指摘されました。
子どもにとって歯磨きは怖い時間になったらかわいそうですよね。楽しい歌を歌うとか、歯磨きをしたら遊ぼうね、絵本を読もうね、とか子どもが楽しい気持ちになるように考えて、なるべく笑顔で仕上げ磨きしてあげられるといいと思います。でも毎日楽しく、は難しいのもとってもよくわかります。

――歯磨き以外で気をつけていたことはどんなことですか?

岡井 食べるものですね。おやつ用に昆布やおせんべいをいつもバッグの中に入れていました。あとは、おにぎりには白米に玄米を混ぜたり、ごまやわかめなどいろんな食感のものを混ぜていました。いろんな食感があると食べるのも楽しいし、よりおいしく感じますよね。

ただ一つ反省しているのは、下の子が生まれたあとに家の食事を玄米や魚など和食中心の食事に変えたことで、学校給食のパスタなどの洋食を嫌がって食べなくなってしまったことです。上の子はなんでも食べるんですけど、下の子にはかわいそうなことをしたと思います。幼児期にいろんな食の経験をさせてあげることがとても大事だということを、自分の子育てで実感しました。

お話・監修/岡井有子先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

乳歯はむし歯になりやすく悪化しやすいからこそ、予防してあげることが大切です。お口のマッサージは親子のスキンシップの時間にもなり、あごの形をよくしてあげるためにも有効だそうです。歯が生える前から、赤ちゃんのお口のケアをしてあげましょう。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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