フリーアナウンサー川田裕美さん、2人目妊娠は1人目とどう違った?大事なのは「一人で抱え込まない」こと
フリーアナウンサーとして活躍中の川田裕美さん。プライベートでは、2020年8月に第1子である男児を出産。そして2022年6月には、第2子となる女児が生まれたことを、自身のブログで公表されています。
今回はそんな川田さんに、1人目妊娠と2人目妊娠の違いや子育ての悩み、子育ての大変さとの向き合い方などについて話を聞きました。
※このインタビューは第2子妊娠中の2022年4月にオンラインにて行いました。
2人目妊娠は、1人目とどう違った?
――2人目妊娠と1人目妊娠では、妊娠中の体調などに違いはありましたか?
2人目を妊娠したときは、初期の頃からとにかく頭痛がひどくて。1人目のときよりも早くからつわりが始まり、終わるのも遅かったので、体調がすぐれない時期が長いなと感じました。マイナートラブルもいろいろと異なっていて、1人目と同じじゃないんだなぁと思いましたね。
1人目妊娠中は、体調が悪ければ、家にいる時間はすぐ横になれますよね。でも2人目のときは、息子の子育てもありますし、横になってばかりもいられない。第1子のときはマタニティヨガをしたりしていましたけど、今回は妊娠8ヵ月くらいになって「そういえば、なにもしていなかった!」と気づいたほどでした。
――つわりの時期は、どう乗り切りましたか。
やっぱり夫との連携なしには、乗り切れなかったなぁと思いますね。つわりが始まってすぐは、朝なんとか起きられたとしても、リビングのソファまでたどりつくのがやっとで…。頭も痛いし、気分も悪いし、眠気もすごくて、立ち上がれなくて。夫に仕事を調整してもらって、息子の保育園への送り迎えをすべてやってもらったりしていました。
料理も息子のご飯をつくるのが精一杯。もちろんベビーフードに頼ったりもしましたけど、息子は魚が好きなんです。魚って、ベビーフードにあまり種類がないから、焼くしかなくて。もう、それこそ魚のにおいと、格闘ですよね(笑)。その分、大人の夕食はデリバリーを頼んだり、お惣菜を買ったりして、乗り切りました。
初めての子育てに試行錯誤…食事が進まず悩んだことも
――現在1歳8ヵ月の息子さんについても話を聞かせてください。初めての子育てには、どんな悩みがありましたか。
子育ての悩みは子どもの成長と共に驚くほど変わっていくので、一つ挙げるのが難しいのですが…少し前までは、食事で悩んでいました。
息子は、食事中にすぐ飽きちゃうんです。椅子から立ち上がって降りようとしたり、スプーンで遊び始めたり。はじめは何とか座らせておこうと、テレビや動画を見せたりしていたんですが、それもなにか違うのかなぁと悩んで。保育園の先生に相談したら、「保育園では座って食べてますよ~!」って言われて。
――保育園では最後まで座って食べているんですね?
そうらしいんです! 先生からそう聞いても、私、信じられなくて。「本当に座って食べているんですか?」って何度も聞いてしまったくらいです(笑)。
ただ、そのときに先生から「食事中に遊び始めたら、食事はおしまいにしていいですよ。おなかがすいたら、また食べたいとちゃんと言ってきますから」とヒントをいただいたんです。本当かなぁ? 少ししか食べていないのに食事を切り上げたら発育が心配だなぁって思ったりもしたんですが、一度試してみることに。すると、何回かに一回は、一度食事を終わりにしても、「もっと食べたい!」と自分から椅子に座ろうとするようになりました。
そんなふうに、いろいろと試行錯誤しているうちに、だんだん食事に集中できるようになって、私も、あまり悩まなくなりましたね。
悩むのは仕方ない、でも「一人で抱え込みすぎない」
――食事一つとっても、子育ては試行錯誤の連続ですよね。
本当にそうですよね。家庭によって悩みはさまざまでしょうが、どこのお母さんも、お父さんも、試行錯誤されていると思います。試行錯誤しているうちに、子どもも少しずつ成長して、どの対応が良かったのかはわからないけれど、ある日ふっと悩みのタネが消えたり。そしてまた新しい悩みが生まれたり。その繰り返しだなぁと思います。
――食事の悩みでは、「育児の隙間時間で一生懸命に料理をしても、子どもにお皿をひっくりかえされたり、投げられたりして、つらい」というような親御さんの声も聞きます。川田さんは、そのような子育てのしんどさとは、どのように折り合いをつけていますか。
私も子どもが生まれる前は、そのような子育てのエピソードを聞いても「子どもだから、そういうこともあるよね」って思っていたんです。でもいざ自分が親の立場になって、同じような経験をしてみると、やっぱりしんどいよなぁと思います。
他人から見たらささいな悩みであっても、当事者である親は、ずっとそのことを考えているんですよね。悩みがずっと頭の片隅にあるというか、なかったことにはできない。割り切ったり、考えないようにするのは難しいです。自分のことであれば食事だって適当に済ませられますが、子どものことだと、ちゃんとやらなくちゃと思ってしまいますから。
ただ、これまで短いながらも子育てをしてきて、大事だと思うのは「一人で抱え込まない」こと。悩みや味わった気持ちを、一人で抱え込まずに、言葉にするようにしています。
――パートナーにも、自分の思いを伝えたり…?
そうですね。夫にも、私はその日の出来事を細かく話しています。たとえば離乳食づくりの担当がママだとしたら、離乳食にまつわる悩みは、ママとパパで完全には共有できないかもしれません。でも、同じ気持ちになれないから言わないのではなく、だからこそ細かく伝えるんです。「今日こんなことがあって、私はこういう気持ちになった。しんどい、つらい、どうしたらいいかわからない」って。
状況や気持ちを伝えても、解決できないことのほうが多いのが、子育て。でも、知ってくれている人がいるだけで、安心感につながります。悩みを共有しておくと「そういえば職場の人も同じ子育ての悩みを抱えていて、こうやったら上手くいったらしいよ」と伝えてくれたり、子どもとパパが二人きりのときに様子を見ていてくれたり。私の悩みではなく、二人の悩みになって、一緒に乗り越えていける気がしています。
――「一人で抱え込みすぎない」、大事ですね。
あとは、「こんなふうに子どもと一緒にいられるのも今だけ」と頭の片隅に置いておくだけでも、私は心持ちが変わる気がしていて。
先日も、お風呂あがりに体を拭こうとしたら、息子がパッと私の手をすり抜けて、走りだししたんです。一日の終わりでこちらは疲れているし、「もう早く体を拭かせてよ~!」なんて思ったんですけど。あと2~3年したら、自分で服を着替えるようになるし、さらにもう少しすれば自分一人で寝るようになるんだよなって想像したら、少し寂しくなって。
「追いかけまわすのも、今だけかぁ」と思ったら、少し笑えて、気持ちがラクになったんですよね。子育てに悩みは付きものだし、心配したり、ハラハラしたり、疲れたりすることも多いけれど、“今だからこそ味わえること”にも目を向けて、楽しみたいなと思います。
川田裕美さんへのインタビュー後編では、川田さん流「チーム出産育児」の方法や、夫婦で大事にしているマインドなどをお届けします。
(取材・文/猪俣 奈央子)
■川田裕美さん プロフィール
1983年、大阪府出身。フリーアナウンサー。和歌山大学経済学部卒。2006年、読売テレビに入社。『情報ライブ ミヤネ屋』『マヨブラジオ』『大阪ほんわかテレビ』『ズームイン!! SUPER』『朝生ワイド す・またん! 』など幅広いジャンルの番組に出演する。15年3月に読売テレビを退社し、フリーに転身。東京を拠点に活躍の幅を広げている。2021年11月に自身初のビジネス書『ゆるめる準備 場にいい流れをつくる45のヒント』(朝日新聞出版)を出版。プライベートでは2020年8月に第1子を出産。2022年6月に、第2子の出産を自身のブログで公表している。
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