ひよこクラブ、NHKでも特集!上の子時代の常識がくつがえるアレルギー
赤ちゃんのアレルギーを予防しようとして離乳食のスタートや進め方を遅らせているママはいませんか?
ほんの数年前までこのように指導されていた時期もありました。が、ひよこクラブやNHKスペシャルでも発信されている通り、イギリスの研究結果をきっかけに「アレルゲンとある食品の食べ始めを遅らせるという考え方」は見直されるようになりました。
食物アレルギーの情報はどんどん新しく。数年前の常識は疑って
おっぱいやミルクなどの液体しか飲んでいなかった赤ちゃんが、大人と同じように食事から栄養をとれるようになるように、ペースト状のものから食べる練習をしていくのが離乳食。口の動きや消化器官のはたらきなどが未発達な赤ちゃんだからこそ、離乳食は与える食材と調理方法に注意が必要です。
とくに乳幼児のママたちが心配しているのが「食物アレルギー」。卵、牛乳、大豆、小麦など、特定の物質(アレルゲン)を食べたときに、体の免疫が過剰に反応して、じんましん、下痢、せき、呼吸困難などの症状が起こる病気です。
ショック症状であるアナフィラキシーショックや、アレルギーマーチなどの怖い言葉もたくさん広まっているので、ママたちが心配するのももっともではあります。
食物アレルギーは生まれもった先天的なものではなく後天的なものと考えられています。それだけに、赤ちゃんのアレルギーを予防しようとして離乳食のスタートや進め方を遅らせること、症状がないにも関わらず、アレルギーのもとになると考えられる食品を与えないようにすることをしていたママ、しているママが多くいます。
実は少し前にはそのように指導をされていることもありました。「心配だから」「念のため」ととくに卵黄を与える時期を遅らせているママも多くいます。
ですが、2015年のイギリスの研究結果をきっかけに、「食物アレルギーの予防に、アレルゲンとなりえる食品の食べ始めを遅らせる」という考え方は見直されるようになりました。「原因になりやすい食材の食べ始めを遅らせても予防にはならない」ということがわかったのです。
さらに2016年3月のアメリカのアレルギー・喘息・免疫学会年次集会(AAAAI)で、少なくともピーナツと加熱卵については3~5カ月に食べ始めたほうがアレルギーを抑制できるということがわかってきました。
日本でも日本人を対象とした卵を用いた研究が行われており、近々発表される予定です。
食物アレルギーは口から入る食べ物ではなく、「皮膚から入る食べ物」も重要!
また、食物アレルギー発症の原因が口から入る食べ物ではなく、皮膚から入る食べ物であることもわかってきました。皮膚にアトピー性皮膚炎などの炎症があると、そこから入った食べ物は異物とみなされ、免疫システムが反応してアレルギー症状を起こすことがあります。次に口から同じ食べ物が入ると発症すると考えられています。
日本の家庭のホコリの中には、どんな家庭でもほぼ100%に「たまごアレルギー」の抗原があるという話もあります。
そこで重要なのが保湿です。
どんな子でも保湿すれば食物アレルギーを予防できるという結論にはいたっていませんが、少なくとも肌を清潔に保つこと、保湿剤を塗ることはアレルギーの予防につながると考えられています。
保湿剤の目安はてかてか&べったり&しっとりぐらい。え、そんなにと思われるママもいるかもしれませんが、重要なのです。
汗をかくこれからの季節は、肌もダメージを受けがち、水遊びやシャワーの回数も増えることでしょう。汚れを落とすだけで安心するのではなく、保湿がとっても大切です。暑い夏だからといって避けずに、てかてか&べったり&しっとりするぐらいの肌の保湿をしっかりしましょう。(文・ひよこクラブ編集部)
参考/ひよこクラブ2016年6月号「食物アレルギーの新事実」
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※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。