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子どものインフルエンザ、夜間に発熱、迷う場合は積極的にさまざまなサービスを頼って【ママ泌尿器科医】

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高熱の病気の子供
Suzi Media Production/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第42回。今回はご自身の息子さんがインフルエンザに罹った際の医師として、母としての想いについて。「お母さん(お父さん)のためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#42です。

子どものインフルエンザ

5歳の息子がインフルエンザに罹りました。
40度近くまで熱が上がり、ぐったりとして時折うわ言を言ったり、突然ニヤニヤ笑ったり。「インフルエンザ脳症になっているのでは?」と怖くてたまりませんでした。

「〇〇くんのママはお医者さんだから、子どもの発熱やケガで焦ったりしないでしょ」とママ友から言われることがあります。が、実際には全くそんなことはありません。
むしろ、病気やケガで後遺症を残したり、時に命を落としてしまう子どもたちを間近で見ているからこそ、不安や恐怖心はかなり強いです。

今回も夜中に熱がぐんぐん上がり、突然大きな声を出したり、おかしなことを言い始めたときは、本気で救急車を呼ぶべきか悩みました。
インフルエンザ脳症の初期症状(すぐに受診が必要)と熱せん妄(自宅で様子をみてもよい)を見分けるのは専門医でも至難の業です。

けいれんはもちろん、幻覚が見えたり、両親のことが分からない、自分の手を食べようとするといった明らかな異常行動があればすぐに受診するべきです。しかし、それほどひどくないうわ言や寝言は本当に判断が難しいと思います。

私は普段ワンオペで育児をしているので、夜中に救急外来へ行こうと思ったら2歳の娘も一緒に連れていく必要があります。また、場合によっては3時間程度待つことも知っているため、逆に体調不良の息子にとって負担になるのでは・・・と本当に悩みました。
看病しながら文献やインターネットを調べまくり、結局自宅でそのまま様子を見ることに。自分が寝ている間に体調が急変したらと思うと熟睡できませんでした。
発症直後に抗インフルエンザ薬を飲ませたおかげか、幸い熱は2日で下がり体調も元通りに回復して一安心。

医師として、母として

子どもを産んでから、インフルエンザの流行に怯えています。脳症を起こせば死亡や後遺症の可能性も高く、確実に防ぐ方法もありません。
もしインフルエンザ脳症になってしまったら、一刻も早く高度な医療を提供してくれる病院で適切な治療を受ける必要があります。発症してから急激に悪化する病気でもあるため、夜に様子がおかしくなった場合、朝まで待っていては手遅れになることも。夜間は相談先や選択肢も限られ、助けてくれる人が少ない環境で子育てする保護者にとっては特に辛い時間ですよね。

医師で救急外来勤務経験のある私でも判断に悩むのですから、医療に詳しいわけではない保護者の方に適切な判断を求めるのは酷です。

妊娠前に救急外来で働いていた時には、「子どもの発熱」で深夜に救急外来を受診する保護者(ほとんどの場合が母親です)に対して、「こんな夜遅くに救急外来に来て、子どもと長時間待つなら明日の朝小児科を受診した方がよいのでは」と思ったこともありました。
でも自分が母親になってから、あの時のお母さんたちの気持が痛いほどよくわかります。
「夜のうちに救急外来を受診しておけば」「少しでも早く専門家にみてもらっていれば」と後悔するのが怖すぎますよね。今ならまず深夜に連れてきたことを労い、不安な気持に心から共感します。

救急車の不適切利用や救急外来のコンビニ受診が問題になっていますが、私の経験上子どもに関して「タクシー代わり」「昼間は受診できないから」という理由で使用する保護者はほとんどいません。世界で一番大切な、絶対に失いたくない存在の非常事態にオーバートリアージ気味になるのは当然です。

その背景や心情を理解できず「こんなことで救急車を使わないの」「この程度で病院に来なくてよい」という声掛けをする医療者は残念ながら存在します。(私も言われたことがあります)
医療職の入職時には、保護者の状況や心情への配慮に関する研修を全員受けるようにしてほしいのと、感染症やケガといった子育てにはつきものの事態に対して、もっと子どもと保護者をサポートするような環境を整えていかなくてはいけないと今回の体験を通して感じました。

以前は、病院に行くか自宅でみるかの二択でしたが、現在はオンライン診療、小児科医の訪問診療といった様々なサービスがあります。判断に悩んだ時には積極的に活用してみてください。

文・監修/岡田百合香先生

構成/たまひよONLINE編集部
●記事の内容は2023年12月の情報で、現在と異なる場合があります。

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