昔の母親は自分を犠牲にして一人で「親」をしてたかもしれない。でも令和は違う!『ふうふう子育て #8』
夫婦仲良く子育てしたいと思っても、余裕を失うとつい衝突しがち。出先で夫婦ケンカして別々に帰る際、青鹿さんは「自分が娘を連れていかないと」と思い込んで嫌味を言いましたが、夫は娘を連れてサッサと帰宅してしまい、青鹿さんはハッとします。どうして、そう思い込んでいたのでしょうか?
「あなたも大人になれば、子どもが生まれたら、わかる」
前回、外出先で喧嘩をし、別々に帰って頭を冷やそうとした青鹿さん夫婦。「母親だから」自分が子どもを連れて帰るのだと思っていた青鹿さんですが、夫はさっさと子どもを連れて帰ってしまいます。青鹿さんは「こういうときは母親が子の世話をするもの」と思い込んでいたと気づき……。
私が子どもの頃は、子育てといえば、ほとんど母親がするものでした。多くの家では父親は不在がちで、母親だけがいつも子育てに追われるのが普通だったと思います。
うちも同じで、いつも母だけが子育てに追われていました。いつも子ども優先で、自分の趣味嗜好は我慢。食事は子どもの残りを食べ、母ではない一個人として過ごす時間はほぼないので、趣味もなし。だから「1人の時間さえあまりない」とよくこぼしていました。よくこう言われていたのを覚えています。
「あなたも大人になれば、子どもが生まれたら、わかる。それが母親ってものよ」
だから私も漠然と「母になるということは個を消し、無限の犠牲を払うこと」、「いざとなったら母親だけが子育てを背負う」と、どこかで思っていました。
でも、私は夫と2人で子育てしています。だから、我慢することがまったくないといえば嘘になりますが、夫と一緒に好きなことをしたり、それぞれ趣味に時間を使ったり、息抜きをしたりしてきました。夫は、授乳以外のすべての世話ができて(しかも我が家は混合なので育児用ミルクがあれば大丈夫)、私は自分を見失うほど子育てだけをすることはありません。
こうやって2人で育児をしたいと言ったのは私なのに、私はどこか夫の娘への関わりを軽視してなかったか……?「こうあるべき」に縛られてなかったか……?
そう思ったら「夫になんてひどいことを言ってしまったんだろう」と思い、素直に謝りました。
黙って聞いていた夫は「少し話をしようか」とリビングへ。あぁ、やっぱり腹立つよねと思って、私も落ち込みながらリビングへと向かったのです。
漫画家 青鹿ユウさんのプロフィール
漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。
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http://aoshikayu.com/
※この記事は、過去に「マイナビ子育て」に掲載されたものです。