三男の誕生を手作りケーキで公表した俳優・高橋光臣。想像していた父親像とは真逆の自分に驚く。ほっぺにチューのデレデレパパに!?
数々のドラマに出演し、俳優として活躍する高橋光臣さん。画面の中ではクールな印象の高橋さんですが、Instagramでは手慣れた手つきでスイーツを作る、ちょっとおちゃめな姿が話題になっています。さらにプライベートでは、2024年秋に第3子となる男の子が誕生し、3人の男の子のパパに。今回は、子どもたちがきっかけで始めたというスイーツ作りについてや、パパになってからの仕事との向き合い方について聞きました。
全2回インタビューの前編です。
5年あいての新生児育児も、“俺、ベテランかも”!体がしっかり覚えていた
――2024年秋に第3子となる男の子が誕生、Instagramでは、ケーキ作りをしながら息子さんのお披露目をしていましたね。今はどんな毎日でしょうか。
高橋さん(以下敬称略) 長男が7歳で小学1年生、二男が5歳で年中さん、三男が生後3カ月になりました。三男はすごくよく笑うんですけど、普段はめちゃくちゃ静かなんですよ。まあ、泣いていても、お兄ちゃんたちの声がうるさくて、親にまで届いていないというのもあるんですけど(笑)
2人目と3人目の間が5年ほどあいたんですけど、おむつを替えたり、おふろに入れるやり方などはけっこう体が覚えていて!自画自賛じゃないけど、「俺、ベテランだな」なんて思いました(笑)
寝かしつけもコツがあって、抱っこをして寝てくれても、いざベッドに下ろすとだいたい泣いちゃうじゃないですか。そこで、体をギュッとくっつけたままゆっくりゆっくり下ろすと、そのまま寝てくれるんですよ。いかに、ベッドに寝かせたことをバレずに体を離せるか、あの技は長男と二男のときで相当身についています。
――3人の息子さんたちは、どんな男の子ですか?
高橋 長男は面倒見がよすぎて、まるで“ばあば”のようです(笑)。妻の母が妻のサポートにきてくれていたときの様子を見ていたこともあってなのか、しゃべり方がそっくりなんです。僕が三男を抱っこしていると、「抱き方がよくないんじゃないかな」とか、「泣いてるのは、げっぷが出ないからじゃないの?」「足が冷たいから、これかけてあげたほうがいいよ」なとど言って、いちいちうるさいんですよ。それで、「じゃあ、抱っこしてよ」と言ってバトンタッチすると、これがすぐに泣きやんで寝ちゃうんです。完全に負けてますが、すごく頼もしいので助かっています。
二男も面倒見がいいんですけど、まだ5歳らしさもあって、急に、謎の腹痛や足の痛みを訴えてくることも。僕たちに甘えたいのがわかります。あとは、幼稚園にもお友だちが多くて、出会う人全員の名前をちゃんと覚えているんですよ。あれはすごいなって思います。
長男は、昔の自分に似ていますね。比較的少数の人と仲よくなる感じ。逆に二男は、たくさんの友だちがいて、それは妻に似ていると思います。
そして三男は、今は布団に転がっているだけ(笑)。夜泣きもほとんどしないので、手がかかりません。夜中にミルクが欲しくて一瞬泣くんですけど、ミルクをあげるとすぐに寝ちゃいます。これまでの経験値から、三男がなぜ泣いているのかがだいたいわかってきたので、そこが最初の子の長男とは違ったかもしれないです。
三男はとにかく、どんなふうに成長するか未知数で楽しみです!
「パパってどんな人?」というお題に、二男が「スイーツを作る人」
――スイーツ作りを始めたのは、息子さんたちがきっかけだそうですね。
高橋 スイーツ作りは2年前ぐらいから始めました。そのころ、コロナ下の影響がまだ少し残っていた時期で、家で子どもたちと何かできないかなと思ったんです。そこで、クッキーを作ってみたんですけど、カッチカチのアンパンマンができあがりました(笑)。子どもたちにも、「これ、かたくて食べられないよ」と言われる始末。それまで、スイーツを作ったことはありませんでしたね。
そんな感じで、最初のころはなかなかうまくできなかったんですけど、せっかくやるなら、きちんとレシピを見ながら作ってみようかなと思ったんです。それをInstagramに投稿していたら、フォロワーさんからの反応もけっこうよくて。それで、どんどん作り始めた感じです。
それに、スイーツを作るたびに、子どもたちがすごく喜んでくれるんですよ。それが、スイーツ作りの大きなきっかけになりました。
レシピをきちんと読み始めたら、自分の性に合っていたのか、そこからはあまり失敗することなく作れるようになっていって、おいしいスイーツができ始めたんです。
――料理ではなく、なぜあえてスイーツなのでしょうか?
高橋 とにかく2人とも、卵を割りたがるんですよ。妻が料理をしていても、卵が割りたいと言ってくるぐらいで。その点スイーツは、卵は必須のものが多いですからね。今も家の冷蔵庫には、卵が3パックぐらい入っています!
ただ、スイーツ作りをInstagramにあげるために動画を撮影しているので、「ちょっと待ってね、今撮影中だから」というやりとりをしなくてはいけなくて。今まで、これを何百回とやってきています。本当は一緒にスイーツ作りをしたいんですけどね。だから、練習用のスイーツ作りのときには、子どもたちに全面的に手伝ってもらっています!
――スイーツ作りは、高橋さんにとってどんな時間ですか?
高橋 子どもたちとのコミュニケーションという意味でも、すごく重要な時間です。「あれ、作ってほしいな」とか「また〇〇が食べたい」などと言ってくれます。
街を一緒に歩いていても、「パパ、このスイーツ作れるんじゃない?」なんて言ってくれることもあって。それに挑戦してみると、けっこう作れたりするんですよ。こうやって、子どもたちからも発想をもらっています。
スイーツ作りがきっかけで、仕事先でのコミュニケーションもめちゃくちゃ変わりました。Instagramを見てくださっている俳優仲間や先輩も多くて、それがきっかけで話が盛り上がることもよくあります。あとは、今まであまり話しかけてくれなかった、若い女性のADさんやメイクさん、俳優さんたちが話しかけてくれる率が100倍ぐらい変わりました。
僕自身は、自分の中でそういう要素があるのはわかっていたんですが、そばから見えれば40過ぎのおじさんですから(笑)。黙っていると、なんとなく怖いとか、話しかけづらいという印象だったと思うんです。でも、Instagramでスイーツ作りながらはっちゃけている僕を見て、ハードルが下がったんじゃないかなと。
スイーツを作れるようになっただけじゃなくて、いろいろな意味で、自分にとって力になっているなと感じますね。
「俺はならないな」と思っていた、“デレデレパパ”の道をまっしぐら!
――父親になったということで、俳優の仕事への影響はありましたか?
高橋 子どもが生まれる前の僕は、たとえば、映画で家族の描写があって子どもが出てきても、たいして感動しなかったんです。でも、実際に自分が父親になってみると、子どもとのシーンが一番の泣きポイントになっちゃって(笑)
過去の作品で、それまではそんなに印象に残っていなかったものでも、あらためて見返してみると、号泣してしまうような作品になっていたり。父親になってから見る作品は、まったく別物になっていました。これだけ、受け取り方が変わるんだなと思うとびっくりです。
――2017年にドラマ『コウノドリ』で父親役を演じていますが、演じる際に苦労したことはありましたか?
高橋 『コウノドリ』での父親役は、自分の子どもが生まれる前に演じたものでした。過去に2度の流産経験を持つ妊婦の夫という難しいものでした。当時は、調べ物をして文字から知識を入れたり、映像を見たり、妊娠されている方のブログなどを見たりして勉強したんです。それでもやっぱり、限界はありました。芝居としては正解だったと思いますが、演じている本人に経験がないと、からっぽなんだと思ったんです。
このドラマのあとに、自分たちの子どもが生まれたのですが、僕たちも妊娠までの道のりでさまざまな経験をしたこともあって、実体験のほうがずっと過酷なことを思い知らされました。あとは、「苦しんでいる方がこんなにいるんだ」ということも知りましたね。今、父親になってあらためてこのドラマを見たとしたら、「それ、違うよ!」ってなると思います。
――俳優仲間で、子育ての話をしたりするのでしょうか?
高橋 だいたい、このぐらいの年齢になってくると、演技の現場でも男女問わず、パパやママである共演者が多いので、子どもの話題が出ることはよくありますね。現場だと難しい顔をしていても、子どもの話になると、みんなデレデレになるんですよ(笑)
――高橋さんは、自身でどんな父親だと思いますか?男の子の親として、どんな姿を子どもたちに見せたいと思っていますか。
高橋 子どもが生まれる前に、「子どもが生まれたら、僕は厳しくなっちゃうかもしれないから、これはまずいなと思ったら止めてね」と妻に言っていたんです。しつけのこととか、けっこう厳しくしちゃいそうだなと。
でも、実際に生まれたら、これが全然怒れないんですよ(笑)。もちろん、危ないこととか、人さまの迷惑になるようなことをしたら怒りますけど。でも、日常生活で怒ることはあまりないんです。
それに、出かける前に子どもにチューしている親を見て、「俺は絶対ないな」と思っていたんですけど・・・。それもやってますからね(笑)。さすがに最近は、上のお兄ちゃんたちはハグになりましたけど、長男はしばらくの間、僕からほっぺにチューをされまくってました。かわいそうに(笑)。そんな感じで、残念ながら、自分が想像していた以上にデレデレなパパになってしまいました。
ただ、僕の父がそうだったんですけど、何かを直接教えると言うよりも、背中で見せていくような父親になりたいですね。子どもたちが僕の姿を見て、何かを学んでほしいなと思いながら過ごしています。
――パパになったことで、生活面でも変化はありましたか?
高橋 妻と2人だったときは、けっこう自分だけの時間も多いじゃないですか。それなのに、実際にやれることが当時は少なかったんです。でも今は子どもたちがいて、スケジュールをこまかく刻んでやらなくてはいけなくなって、逆に限られた時間の中でもできることが増えたんです。
今は子どもが起きてくる前に朝のトレーニングや、勉強の時間を確保するようにしています。夜なら、子どもたちをなるべく早めに寝かして、21時から24時まではとにかく集中するようにしたり。24時間のうちの時間配分が、すごく明確になりました。
――家で台本を覚えたりもするんですか?
高橋 もともと、台本は家では読まずに外で読むんです。台本読みに費やす時間も、子どもたちが生まれる前と比べて3分の1の時間でできるようになりました。いかに、無駄な時間を使っていたのか・・・。
基本的に、家に仕事は持ち込まないです。というか、家にいたら、仕事のことは考えられないんですよ。彼らが常に話しかけてくるので(笑)。家にいるときは、とにかく家族のことが中心になりますね。
お話・写真提供/高橋光臣さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
スイーツ作りを始めたことで、息子さんたちとの大切なコミュニケーションにもなり、さらに、仕事先での他人からの印象も大きく変わったという高橋さん。今までまったく知らなかった、新たな世界を知ることもできたと言います。また、父親になったことで、仕事に対する向き合い方にも変化があったようです。
後編では、高橋家らしい子育て術や、息子さんたちの妊娠・出産時のこと、2025年3月に出版するスイーツ本について聞きました。
高橋光臣さん(たかはしみつおみ)
PROFILE
俳優。1982年、大阪府出身。2005年、『ウォーターボーイズ 2005夏』で俳優デビュー。2006年、『轟轟戦隊ボウケンジャー』の明石暁/ボウケンレッド役で初主演を務める。主な出演作に『ノーサイド・ゲーム』、『DCU』、『フェルマーの料理』、大河ドラマ『光る君へ』などがある。2014年1月、俳優の宮下ともみさんと結婚し、2018年2月に長男、2020年2月に二男、2024年秋に第3子となる男の子のパパに。趣味としてInstagramにあげていたスイーツ作りが、初の書籍化。
●記事の内容は2025年3月の情報で、現在と異なる場合があります。
『俺とスイーツ~家族のためのお菓子作り~』
2025年3月発売となる、自身初の書籍。高橋さんがこれまで作り続けてきたお菓子の中から、初心者でも挑戦できる37種類のレシピを厳選して掲載。家族に、友人に作りたくなるスイーツが詰まった1冊に。高橋光臣著/2090円(KADOKAWA)