【小児皮膚科医に聞く】赤ちゃんの”よだれかぶれ”はどう防ぐ?予防・対策&正しいケアは?
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よだれによって、口まわりが真っ赤! ふいてもふいても垂れ続けるよだれに、改善方法がわからずお困りのママも多いのでは? 小児皮膚科医の馬場直子先生に、よだれかぶれの原因、予防法、なってしまったときのケアについて聞きました。
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まずは知っておきたい、よだれかぶれの原因と症状
原因と症状を知っておけば、予防法が見えるほか、悪化を防ぐことができます。
原因:赤ちゃんのよだれの量と肌のバリア機能が関係
「離乳食を始めたい5~6ヶ月ごろは、唾液の量が増え、それをうまく飲みこむことができないために、よだれが出やすくなります。よだれが垂れやすい部分は常にぬれた状態になるため、肌のバリア機能が低下。そこによだれや母乳、離乳食などがつくことによって、炎症が起こるのです」
症状:口まわりにかゆみの強い赤い湿疹が出ます
「口のまわりに、かゆみのある赤いブツブツができるのが、よだれかぶれの症状。かゆがってかきむしると、患部の皮膚がむけてしまうことも。
炎症が悪化すると、ほお、首、耳の下にまで症状が広がることがあります。ひどくかゆがる、赤みが広範囲に広がっている、患部の皮膚がむけるといった症状がある場合には、診療時間内に小児科か皮膚科を受診しましょう」
予防法は?なってしまったときの対処法は?
では、実際にどんな予防法があるのか、なってしまったときはどんな治療が必要なのかをチェックしていきましょう。
予防法:清潔を保つことを意識して
「よだれがたくさん出ていたり、授乳や離乳食のあとに口まわりが汚れていたら『ふく』ということを意識しましょう。ただし、ゴシゴシふくのではなく、お湯で絞ったガーゼやタオルでやさしくふき取るようにして。
また、ベビー用ワセリンも活躍してくれます。授乳前や離乳食前に口まわりにワセリンを薄く塗っておくと、汚れが直接肌につかないので、予防&炎症の悪化を防ぐことができます。少し赤みがある程度なら、清潔を心がければ受診しなくても自然と治ることも」
治療法:受診後は、ステロイド入り塗り薬を使用するのが一般的
「病院では、『キンダベート軟膏』『ロコイド軟膏』などのステロイド入りの塗り薬を処方されることが多いです。量、回数ともに医師の指示どおりに塗り、清潔を心がけていれば数日でよくなることがほとんど。ステロイドを使うと、『肌が黒ずむ』といったウワサがありますが、まったくのウソ。医師の指示どおり使えば、最も早く完治する治療薬なので安心して使用しましょう」
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赤ちゃんにとって、よだれが増えるということは成長の証しでもあります。ほかの部位と同じように、口まわりも清潔に保ち、よだれかぶれを予防しましょう。「ひよこクラブ 2018年7月号」の別冊付録では、よだれかぶれのほか、おむつかぶれ、あせもなど、夏になりやすい肌トラブルについて詳しく紹介しています。ぜひチェックを!(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修:馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター皮膚科・部長。滋賀医科大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部附属病院皮膚科講師を経て、現職。診察や執筆等を通じ、赤ちゃんの肌を健やかに保つための活動を精力的に行っている先生です。
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