【専門家監修】赤ちゃんがよく食べるコツは?離乳食の食べさせ方[月齢別]ココだけCHECK!
育児の悩みで多いことといえば、最も多いのが「授乳」。それに続くのが「離乳食」です。離乳食作りや食べさせ方にはルールが多くて大変そう…と思っているママ・パパも多いはず。けれど、いくつかのポイントを押さえれば、楽しい離乳食タイムを過ごせます。食べさせ方のコツについて、管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。
離乳食は「大人と同じ食べ物を食べられるように練習」するための食事
離乳食は「単なる食事=栄養素の補給」ではなく、大人と同じ食べ物を食べられるようになるために、食べ物のかたさや大きさなどに少しずつ慣れていく大切なステップです。赤ちゃんは消化器官の働きや、口や舌の動かし方が未発達。すぐには大人と同じものを食べたり飲んだりできないので、「練習のための食事=離乳食」を食べさせる必要があります。
離乳食の始めどきは?
離乳食は、赤ちゃんが5,6ヶ月になったころから始めましょう。この時期より早くても遅くても、赤ちゃんの発達に好ましくない影響があります。5,6ヶ月ごろより前だと、消化器官が未発達のためうまく消化できず、胃腸に負担がかかります。反対に遅くなると、「鉄欠乏性貧血」のリスクを高めたり発達に悪影響があることも。適切な時期から「食べる練習」をスタートしましょう。
いちばん最初に与える食材は単品で少量を
すべての食材で食物アレルギーの心配があるので、初めての食材は単品でごく少量から食べさせます。顔などに発疹が出ていないかなど、赤ちゃんの様子を観察しながら食べさせましょう。
万が一、食物アレルギー症状が出たときにすぐに受診できるよう、午前中(診療時間内)に与えます。
※食物アレルギーは、家族にアレルギー体質の人がいる、アトピー性皮膚炎や皮膚に湿疹がある子に起こりやすいです。リスクがある子の場合、必ずアレルギー専門医の指導のもとで離乳食を進めてください。
赤ちゃんの成長時期別の食べさせ方のポイントは?
赤ちゃんの口や消化機能の発達に応じて、少しずつ慣れさせていく離乳食。赤ちゃんの成長時期によって、食べさせ方のポイントがあります。どの時期にも共通するいちばん大切なことは、「声をかけながら楽しく食べさせる」こと。“離乳食は楽しい♪”と赤ちゃんに実感してもらうことが基本のキ。スムーズに進めるために、各時期ごとのコツをCHECKしましょう!
スタートしたての5,6ヶ月ごろ
まだおっぱい・ミルクが栄養の中心。離乳食後には欲しがるだけ授乳しましょう。離乳食をたくさん食べたあとにも授乳が必要です。離乳食の栄養バランスはまだ考えず、まずは慣れることを目的に。
★食べさせ方のPoint★ココをチェック!
□最初は大人のひざの上に横向きに座らせる
□ゴックンしやすいよう、上体を90度より少し後ろに傾ける
□少しおすわりができるようになったら、ベビーラックなどに座らせてもOK
□食べ物が見えるよう、赤ちゃんの正面からスプーンを差し出す→下唇の上にスプーンをのせて、口を閉じたらスプーンを引き出す
□欲しがらないときは、無理強いせずに切り上げて!
少し慣れてくる7,8ヶ月ごろ
離乳食からとる栄養の割合を増やしていきますが、まだおっぱい・ミルクは必要。食後は欲しがるだけ授乳しましょう。1回の離乳食に、炭水化物、タンパク質、ビタミン・ミネラルの各栄養素が入るように意識して。
★食べさせ方のPoint★ココをチェック!
□モグモグしやすいよう、上体を起こして食べさせる
□背中と背もたれのすき間にタオルやクッションなどを挟んで安定させ、食事中に姿勢が崩れたら直す
□下唇にスプーンをのせて、自分で食べ物を取り込むのを待つ→大人が口を動かして「モグモグ」のお手本を見せながら、「モグモグ→ゴックン」を見守る
□食事時間は、10~15分を目安に
□遊び始めたら「ごちそうさま」にする
さらに慣れてくる 9~11ヶ月ごろ
栄養の半分くらいは離乳食からとりたい時期。授乳回数が減っていくので、栄養バランスのいい献立を心がけて。食材を増やしつつ、1回の食事に、主食、主菜、副菜(+汁もの)の2~4品を目安に。鉄分が不足してくる時期。大豆製品や赤身魚など、鉄分が多い食材を積極的に取り入れて。
★食べさせ方のPoint★ココをチェック!
□背中にクッションを挟む
などして安定した姿勢に
□両手が自由に動かせるよう、テーブルの高さと体からの距離を調節する
□食事用の椅子に、可動式の足乗せ台がある場合は、足が台に着くように調整する
□手づかみできるメニューを増やし、食べる意欲をアップ!
□食べ物を手で触ったりしてもしからず、ある程度は自由に食べさせる
□食事時間は約30分が目安
だんだんと離乳食は卒業へ 1歳~1歳6ヶ月ごろ
卒乳・断乳したら、栄養はほぼ離乳食からとるように。3回の食事でとりきれない栄養は補食(おやつ)でプラス。1回の食事で、主食+主菜+副菜(+汁もの)の2~4品を目安に。大人用メニューから、薄味でやわらかいものを取り分けるのもおすすめ。補食(おやつ)は、おにぎり、いも類、乳製品、果物などがいいでしょう。
★食べさせ方のPoint★ココをチェック!
□ベビーチェアの場合、姿勢が崩れないよう、足が足乗せ台に着くように調整する
□ベビーチェアのテーブルをはずして、大人と同じテーブルで食べさせてもOK
□座卓で食事をする場合、豆椅子などに座らせて、足が床に着くように調整する
□まだ自分でできなくても、食事の前後のあいさつは大人が手本を見せて伝えていって
□丸飲みしたり、口に詰め込んだりしないよう、声かけを
□食事の途中で席を立つなど、集中しなくてもしからず「食べようね」と促して
□繰り返し促しても食べないときは「ごちそうさまだね」と片づけてOK。食事時間の目安は30分程度
それぞれの時期ごとにコツは変わってきますが、食べやすい姿勢を整え、赤ちゃんの様子を見ながら声かけすることは、時期を問わずに必要なこと。赤ちゃんの発達のペースは個人差が大きいため、離乳食の進み方もそれぞれ違います。赤ちゃんの食べる様子などを観察しながら、“楽しい離乳食時間”になるようにしていきましょう。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■参考:『ひよこクラブ』2018年7月号「初めての離乳食”カンタン!迷わないっ!”進め方&作り方」
初回公開日 2018/07/08
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