【専門家監修】うざい?ありがたい?”孫フィーバー”と上手につき合うコツ
ばあば・じいじが孫の誕生に熱狂する様子を、ママ・パパたちは“孫フィーバー”と呼んでいます。この孫フィーバーがもとで、ばあば・じいじとの関係が悪化するケースもあるようです。上手な対処法を、恵泉女学園大学学長・大日向雅美先生に取材しました。
善意からのことなのでおおらかに受け止めて
夏休みに、ばあば・じいじに赤ちゃんを会わせるために帰省した、これからお盆に帰省するというママ・パパも多いのでは? 赤ちゃんが生まれ、自分や夫の親が喜んでくれるのはうれしいけれど、度を超すと孫をでき愛する“孫フィーバー”状態に。
抱っこして離さない、昔の育児の知識を押しつけるなど、孫フィーバーをきっかけにママ・パパとトラブルになり、親子関係が悪化するケースもあるようです。どう対処したらいいのでしょうか。ママの育児不安に詳しい大日向先生からは、まず次のようなアドバイスがありました。
「まだ赤ちゃんのお世話がおぼつかない新米ママ・パパを見て、先輩である親世代は、つい手や口を出したくなるのでしょう。子育ての成功体験を伝えたい気持ちもあるかと思います。自分たちを育ててくれたばあば・じいじの子育ての考え方は、子育てをする上での確かな指針になります。昔と今の育児で変わっていることもたくさんありますが、まずは親の好意を素直に受け取ってみましょう」
「私たちはこうしたい」というメッセージを伝えましょう
”孫フィーバー”も子育てへの口出しも、好意から。だからといって、「言いなりになることはない」と大日向先生。
「ばあば・じいじは、いわば子育てのサイドディッシュ。メインは親です。ママ・パパで話し合って、あるいは自分でよく考えて、“私たち(私)はこうしたい”というメッセージを伝えていきましょう。
新米であっても、親として赤ちゃんのことをよく考えようとしていることが伝われば、しだいにフィーバーは治まるはずです。ばあば・じいじに悪気はありませんから、はなから拒絶せず、おおらかな気持ちと感謝の心で。受け入れられないことは、聞き流してみてはどうでしょう」
子育てに困ったとき、近くにいると頼りになるのもばあば・じいじ。でも、孫フィーバーに乗じてママ・パパが簡単に頼りきってしまう別の一面も。
「子育ての方針を立てる基本は親。また、赤ちゃんのお世話をばあば・じいじがやってくれて当たり前、それが親孝行だと思ったら間違い。地域のサービスや周囲の人に協力を求める努力を、まずはしてみませんか? 子守りがばあば・じいじの心身への負担になり得ることも覚えておきましょう」
頼るならまずは地域の子育て支援を
子育ての主役は親。まずは自分自身が、あるいは夫婦でトライすることが大切。それでもどうにもならないことは当然起こるので、下記の順番で相談するといいそうです。
子育てで困ったら、以下の順に相談するのがコツ
1.地域の子育て支援
(保育所や子育て支援NPOなどが行う一時預かり、ファミリー・サポート・センターなど)
2.近所の人やママ友
3.ベビーシッターなどの民間のサービス
4.ばあば・じいじ
ばあば・じいじが最初にきてしまうと、「ママやパパが親になるプロセスを踏めなくなる可能性がある」と大日向先生。また、ばあば・じいじへの負担が重くなりすぎて、親子関係が悪化する場合もあるそうです。ばあば・じいじに頼る選択肢を最上位にしないことで、ほどよい距離感が生まれ、お互いストレスを抱えず、いい関係が保てるでしょう。
ママたちの間で話題になっていることから時事ネタまで、子育てに関するニュースを掘り下げる、ひよこクラブ人気連載「子育てトピックス」。読者に人気のテーマを、毎月ネットでも紹介します。2018年9月号のトピックは、「児童虐待のこと」。こうご期待!(取材・文/ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2018/8/12
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