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赤ちゃんのウンチ 「心配な色」と、色から考えられる「病気」を知っておこう

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Antonio_Diaz/gettyimages

よく「ウンチで赤ちゃんの体調がわかる」と言われますが、赤ちゃんのウンチは大人のものとは色もにおいも違います。どういう場合に体調が悪いと判断したら良いのか、難しいですよね。
そこで、赤ちゃんのウンチの基本と、心配なウンチの見分け方、ウンチに症状が出る病気について「かたおか小児科クリニック」院長 片岡正先生に教えていただきました。

関連:色は?形は?においは?…0歳代赤ちゃんの[月齢別うんち]を小児科医が徹底解説

回数や色、母乳とミルクの違い…まずは月齢別ウンチの特徴をチェック

ウンチの状態や回数は個人差が大きいものですが、大まかな傾向はあります。月齢による特徴をまず知っておきましょう。

新生児~4ヶ月の赤ちゃんのウンチ

新生児のころは母乳の場合はやまぶき色のような黄色、ミルクの場合は薄めの黄色です。ときどき緑色のウンチが出ることがありますが、これは胆汁色素が腸内で酸化したためで、赤ちゃんの機嫌がよく、食欲があれば心配いりません。

消化機能が落ち着く生後3~4ヶ月ごろまでは、健康なウンチでも母乳とミルクで違いが見られることがあります。
母乳はミルクに比べて乳糖が多く含まれているため緩いウンチになりやすく、回数も多くなる傾向があります。
色は黄色から茶色で、緑がかっていることもあります。甘酸っぱいにおいがするのも特徴です。

ミルク育児のウンチは母乳育児に比べると、多少かためで粘りけがあり、回数も少なめの傾向があります。色はクリーム色から緑色までさまざま。においは母乳ほど強くありません。
混合の場合は、母乳とミルクの中間のウンチになります。

いずれも生後3ヶ月くらいまではゆるくて水っぽく、量も少なめです。排便が1日1回という赤ちゃんもいれば、10回以上の赤ちゃんもいます。

5~8ヶ月の赤ちゃんのウンチ

離乳食が始まるとウンチも変化します。色もにおいも少しずつ大人のものに近くなってきます。
離乳が進むとともに色はますます茶色に、形状もかたまってきます。でも消化機能がまだ未熟なので、食べた物や体調によって状態や回数はコロコロ変わりがちです。食べた物がそのまま出てきたりすることがあります。

9ヶ月以降の赤ちゃんのウンチ

離乳食後期から完了期になると、消化能力も高まってウンチはさらに大人に近づきます。ウンチの量や回数もその子なりにだんだんと定まり、1日1~2回程度に落ち着いてくる子が多いです。とはいえ、食べる量や内容によってお腹の調子が変わりやすい子もまだ少なくありません。

要注意ウンチは「赤」「黒」「白」!

赤ちゃんのウンチは成長とともに変化し、個人差も大きいもの。しかし、以下のようなウンチが出た場合は、病気の可能性が大。早めに小児科を受診しましょう。
以下に出てくる各病名については、次の章で詳しく解説しています。

赤いウンチが出た

赤い色は血液である可能性があります。新生児のウンチに鮮血が混じっている場合は、消化管から出血する「新生児メレナ」の可能性があります。また、稀ですが、腸に生まれつきの異常があり、そこから出血が起こっているケースもあります。

血のようなものに加えて粘膜も混じっているような赤いウンチが出た場合には、「細菌性腸炎」が疑われます。
また、生後3~4ヶ月以降でイチゴジャムのような真っ赤な血便が出たときは、「腸重積症」の可能性が考えられます。赤いウンチが出て10分間隔で繰り返し泣いたり嘔吐する場合や、下痢便に血が混じる場合は緊急に受診してください。

黒いウンチが出た

粘り気がある黒っぽいウンチが出たら、消化管のどこかから出血をしていることが心配されます。体の上方で出血して、血液が胃散と混ざるとウンチが黒くタール状になります。ただし、鼻血を飲み込み、それが混じった場合も黒っぽいウンチが出ますので、まずは鼻血が出ていないかどうかチェックしましょう。
もしも黒いウンチが出て、赤ちゃんがぐったりと元気がない場合は、緊急に受診してください。

白いウンチが出た

生後一週間を過ぎておっぱいを飲めるようになっても黄色味がかった白っぽいウンチが出ている場合は、「胆道閉鎖症」が疑われます。
乳児で、お米のとぎ汁のような粒が少しでほとんど液体のような白いウンチが出たら、「ウイルス性胃腸炎」が疑われます。脱水症状や脳症を起こすおそれがある怖い病気の場合もあります。
白いウンチが出て、赤ちゃんがぐったりと元気がない場合は、緊急に受診してください。

ウンチの色が変わる病気の基本情報を知っておこう

赤、黒、白のウンチが出てもいたずらに不安にならないように、上で出てきた病気も含め、ウンチに症状が出る病気の基本情報を知っておきましょう。

新生児メレナ

新生児期に起こる消化管からの出血で、吐いたものや便に血液が混じり、色が赤や黒になります。血液を固めるにはビタミンKが必要ですが、赤ちゃんが自分でビタミンKをつくれるようになるには数日かかるため、一過性のビタミンK欠乏症になることが原因です。
現在は生まれた赤ちゃん全員にビタミンK2シロップを飲ませるので、この病気は減っています。

細菌性腸炎(さいきんせいちょうえん)

主に細菌に汚染された食べ物から感染して起こる腸炎で、いわゆる「食中毒」です。とくに7~10月に発症率が高くなります。
食後に激しい下痢や嘔吐(おうと)、腹痛が起こったときや血便が出たときは、感染の可能性が高くなります。原因となる細菌にはサルモネラ菌、カンピロバクター菌、O-157(オーイチゴーナナ)に代表される腸管出血性大腸菌など、たくさんの種類があります。

腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)

腸の一部が腸の中にもぐり込んで重なってしまう病気です。生後6ヶ月くらいから1歳くらいまでに起こりやすい病気ですが、2~3ヶ月から2歳くらいでも起きている例があるので注意が必要です。
原因ははっきりと解明されていません。ロタウイルスの予防接種後、10万人に1~2人の割合で腸重積が発症しており、ロタウイルスの予防接種後は特に赤ちゃんの様子をよく見ておく必要があります。

腸重積症になると顔色が急に青くなって激しく泣きだし、10~30分間隔で火がついたように泣いたり急に静かになったりする状態を繰り返します。しだいにその間隔が短くなり、ぐったりしてきます。嘔吐(おうと)を伴うこともあります。腸管にある細い血管が破れて血液が腸の中に入るため、便に血液と粘液が混じり、いちごジャムのような真っ赤な血便が出ることもあります。
処置が遅れるともぐり込んだ腸が血行障害(けっこうしょうがい)を起こし、壊死(えし)してしまう場合もあります。異常を感じたら、すぐに受診することが大切です。

肛門裂(こうもんれつ)

かたい便が肛門を通ることで肛門が傷つき、裂傷や潰瘍(かいよう)ができます。排便のときに痛がる、少量の出血がある、便の表面に血がつくなどの症状が現れます。生後6ヶ月以降の赤ちゃんに見られます。傷を治療する塗り薬が処方されます。

胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)

生後一週間を過ぎておっぱいを飲めるようになっても黄色味がかった白っぽいウンチが出ている場合、この病気が考えられます。
肝臓から腸に胆汁(たんじゅう)を送る管である胆道(たんどう)がふさがってしまうために胆汁が十二指腸まで流れず、肝臓にたまってしまう病気。1万人に1人の割合でみられ、女の子は男の子の2倍の頻度で発症します。

胆道閉鎖症になると、新生児の生理的な黄疸(おうだん)の時期(生後2週間くらい)を過ぎても黄疸が軽くならず、生後1ヶ月前後から緑がかった黄疸になっていきます。ウンチの色は薄く、クリーム色から白色になります。さらに症状が進むと肝臓が腫れて腹水がたまり、おなかがふくれ上がることもあります。
早期発見が重要で、発見が遅れると肝硬変(かんこうへん)に進行したり、最悪の場合は死亡する恐れもあります。

母子手帳に胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)を早期発見するための「便色カード」が付いているので、日ごろからチェックするようにしましょう。ウンチの色が便色カード1~3に近かった場合には、すぐにその便を持参して、1ヶ月健診を担当した医師または小児科医を受診してください。

ウイルス性胃腸炎(ウイルスせいいちょうえん)

乳児下痢症(にゅうじげりしょう)ともいい、冬になると乳幼児を中心に流行がみられます。「ロタウイルス」「ノロウイルス」「アデノウイルス」などが胃腸に感染して起こる病気です。中でも多いのが「ロタウイルス」によるものです。

症状は嘔吐から始まり、しだいに下痢が見られ、発熱することもあります。酸っぱいにおいがする米のとぎ汁のような白っぽい水のような便が、1日に何回も出るのが特徴です。
嘔吐と下痢のため体の水分が失われやすく、ひどくなるとぐったりして水分を受けつけなくなったり、尿の出が悪くなります。ぐったりして水分を受けつけないときは、すぐに小児科を受診します。

原因の一つである「ロタウイルス」に対しては予防接種があります。予防接種を受ければ高い確率で発症しない、または重症化を防ぐことができます。1回目の接種時期が早く接種できる期間も短いので、早めにかかりつけ医か小児科にお尋ねください。

受診するときの準備と注意点

赤、黒、白のウンチが出た場合はすぐに受診するようにしましょう。ただし、1回のウンチの色や状態だけであわてるのは危険。赤ちゃんの機嫌はどうか、元気があるか、食欲はあるかなど、全身状態も併せてチェックします。機嫌がよく、食欲もあって元気に手足を動かしているようなら診察時間内の受診で大丈夫でしょう。

受診の際はお医者さんにウンチの状態を正確に伝えることが大切です。病気によっては検査のためにウンチが必要な場合もあります。
デジタルカメラやスマホなどでウンチの写真を撮り、同時にウンチのついたおむつをビニール袋に入れて持って行くのがベストです。まず写真を先生に見せ、実物が必要な場合はおむつを渡して診てもらいましょう。
また、以下の点についても伝えられるよう準備して受診するのがおすすめです。

■病院で先生に伝えたいこと

・ウンチの回数や量
・赤ちゃんの機嫌や食欲の様子
・発熱、嘔吐などほかの症状があるか
・おしっこの回数
・普段と違うものを食べたか
・抗菌薬の服用の有無

赤ちゃんのウンチの色は、食べたものによってもよく変わります。たとえばトマトは赤いままウンチに混ざるので、素人には血便との見分けが難しいことが少なくありません。また、抗生剤の影響で便の色が血便に見えることもあります。
危険な色のウンチが出てもあわてず、まずは赤ちゃんの様子をよくチェックしましょう。ただし、元気であっても念のため、診察時間内に受診しておくと安心ですね。
(取材・文/かきの木のりみ)

■監修/片岡正 先生(かたおか小児科クリニック院長)
東京大学医学部小児科、都立府中病院小児科、日本赤十字社医療センター小児科などを経て、1996年に神奈川県川崎市にて「かたおか小児科クリニック」を開設。
NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」理事。

関連:赤ちゃんの”生まれつきのおなかの病気”胆道閉鎖症・ヒルシュスプルング病を小児科医が解説

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