ママがいないときどうする? パパの寝かしつけ必勝法
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「寝かしつけはママの仕事」と決めつけているパパはいませんか? だとしたらもったいない! というのも、パパが寝かしつけをすることで、ママの自由時間が増える――。つまり、寝かしつけはパパの株を爆上げするチャンスでもあるのです。しかし、寝かしつけをするといっても、どうすればうまく寝かしつけられるのかわからないというパパも多いでしょう。そこで、3男の父親であり保育士のキャリアも持つ大阪教育大学教育学部准教授(家政教育講座)の小﨑恭弘先生に、寝かしつけに困っているパパの悩みに答えてもらいました。
いきなり寝かせるのではなく、ムードづくりから
――たまに子どもの寝かしつけをすると、子どもより先に寝てしまってママにあきれられてしまったというパパの声を聞きます。こんなときはどうしたらいいでしょう?
小﨑先生:それはもう、自覚がたりませんね! 気持ちはわかるけど(笑)。パパが先に寝て、子どもが起きているママのところに行ったら、それはもう寝かしつけではなくて、パパだけが寝ている状態です…。それは寝かしつけとは言わないし、子どもから目を離すことになるので危険です。そこは気をつけないといけません。
――パパが寝かしつけをするときのポイントを教えてください!
小﨑先生:ポイントは2つあります。1つは昼間に体力を使わせておくこと。子どもが夜なかなか寝ない、なかなかごはんを食べないというのはママの“あるある”的な2大お悩みですが、こうした子どもというのは基本的に体力のある子で、まだまだ元気が有り余っている状態です。昼のうちに外で遊ばせるなどしておくといいでしょう。2つ目のポイントはムード作り。パパにありがちなのが、寝る前に子どもとうわーっと遊んで、それが終わったら「さあ寝るでぇー!」という強引な寝かしつけ方。これでは興奮して寝られませんよね。日常のルーティーンとして、絵本の読み聞かせなどで雰囲気をつくることが大事。絵本も落ち着いたものを選ばないと、興奮してしまうので注意してください。
――子どもから「ママがいい」と言われて断られることもありますが…。
小﨑先生:子どもが「ママじゃないとダメ」というようであれば、最初はママとパパの間に子どもを挟んで3人で寝るといいでしょう。これまで寝かしつけをしてこなかったパパがいきなり寝かしつけをしようとしても、子どもからの信頼を得ていない状況では無理があります。まずは「パパと寝るのも大丈夫」という信頼のステップを踏んでから、パパ単独での寝かしつけにチャレンジするといいでしょう。
――寝かしつけにも得手不得手があると思います。だれでも上手に寝かしつけできるようになるものですか?
小﨑先生:先ほどのルーティーンをしっかりやっていれば、多くの人は上手に寝かしつけられると思います。以前、あるイベントで、60組のパパと子どもを大きな部屋に集めて一斉に寝かしつけをしてもらったことがあります。すると60組中50組くらいが寝ました。部屋を暗くして、絵本を読んで、子守歌を歌って、揺らして、といったプロセスを踏んで寝ていく雰囲気を整えていくと、面白いように次々に寝てくれました。寝ていく雰囲気づくりというのは、部屋の暗さ、音、室温はもちろん、肌着や寝具の肌触りなどもよく考えて、子どもの心地よさをつくってあげることが大切です。それ以外にも、生理的欲求をコントロールしておかないといけません。たとえばのどが渇いていないか、おなかがすいていないか、おしっこがしたくない状態であるかどうかということ。そこから自然に体が眠りを求め始めます。あとは早起きと早寝も大事ですね。パパが寝かしつけできるようになれば、ママの自由時間が増えるので、ぜひ頑張ってみてください。
ひと言に「寝かしつけ」と言っても、そこには多くのプロセスがあるようです。「自分は寝かしつけが下手だ」と思い込んでいるパパは、そのプロセスを飛ばしているだけかもしれません。なかなか寝てくれないな、と思ったら、子どもが寝る雰囲気をしっかりとつくり出せているかどうか、プロセスを1つずつ確認してみましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/小﨑恭弘先生
大阪教育大学教育学部教員養成課程准教授(家政教育講座)。西宮市初の男性保育士として活躍したのち、大学の准教授やNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の顧問として活動中。3男の父。
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