ママ友“あるある”トラブル対処法
maroke/gettyimages
育児の悩みを聞いてもらったり、時には子どもを預け合ったり…。ママにとって、ママ友は、なくてはならない存在です。しかし、些細なことが原因でトラブルに発展し、それまで良好だった関係に亀裂が入ってしまうことも。ママ友の間でよくあるトラブルと、その対処法について子育てアドバイザーの長島ともこさんに伺いました。
なぜ起こる? ママ友トラブル
ランチしながらおしゃべりして日頃のストレスを解消したり、親子でいっしょにお出かけしたり、自分の体調が悪い時に、子どもを少し預かってもらったり…。日々、育児をがんばる“仲間”でもあるママ友は、ママにとって、“欠かせない存在”といえるでしょう。
しかしその反面、ちょっとしたことがきっかけで険悪な関係になってしまったり、今まで「気が合うな」と思っていたママ友に対してマイナスの感情を抱いたりなどの経験があるママも、少なくないと思います。
ママ友同士のトラブルは、なぜ起こるのでしょうか? その要因を考えてみました。
本人同士の関わりでなく、「子ども」を介しての関わりだから
子どもが園で同じクラス、子どもが同じマンションに住んでいる、子どもが同じスクールで習い事をしている……。
ママ友との関係は、当たり前ですが、“子どもを介して”の関係です。
子育ての方針や価値観は家庭により異なるため、子ども同士のトラブルが発端となってママ同士の関係にひびが入ることがあるのは、ごく自然なことといえます。
バックグラウンドがさまざまだから
年齢、ママの仕事の有無、パパの仕事、住まいの形態、きょうだい、祖父母など同居家族の有無etc。ママのバックグラウンドは、さまざまです。
ワーキングママと専業主婦ママでは生活サイクルが異なるため、話題が共有できないことがありますし、ひとりっ子のママと多きょうだいのママは、子どもへの接し方が異なることがあるで、わかりあえない部分があるかもしれません。
女性同士の付き合いだから
「女性は感情の生き物」と良くいわれます。世間話をしている時に、つい感情的になって口にした言葉を発端に、トラブルに発展するケースもあります。また、子ども同士が仲良くなったことをきっかけに、ママグループができることも多いですが、お出かけに誘った、誘われないなどグループ内で分裂したり、「仲間はずれにされた」と悩むママもいるようです。
よくおこるトラブルと、対処法
ママ友の間でよく起こるトラブルと、その対処法を紹介します。
「うちの子がお宅の子に手を出された」とクレームの電話を受ける
(トラブルの一例)
「園で、子どもがオモチャのとりあいなどでケンカになり、友達に手が出てしまったよう。その日の夜、子どもが手を出した相手のママから、クレームの電話がかかってきてしまいました」。
(対処法)
すごい剣幕で責められると、こちらもつい“応戦”したくなりますが、まずは冷静に「大変失礼しました」と対応したいもの。
子ども同士のケンカで手が出た場合、園から双方の家に報告があることが多いものです。園からの報告に加え、子どもとじっくり会話し、わが子に非があるようなら、改めて謝罪の電話を。「どちらとも言えない」と判断したら、手を出したことはあやまりつつも、「先生からも聞いたのですが、●●●の状況だったようですね」などやんわりと伝え、「これからもよろしくお願いします。また何かありましたら、いつでも連絡ください」と、誠意を伝えるのがよいでしょう。
特定のママから無視される
(トラブルの一例)
「子どもが通う園で同じクラスのママ。子ども同士での関わりはあまりないようで、話す機会はほとんどないものの、挨拶すると、必ず無視されてしまいます。無視されるようなことをした覚えがないだけに、悩んでしまいます」。
(対処法)
園生活、子どもの習い事などを通して、たくさんのママとの出会いがあります。その中で、自分がこれまで関わったことのないタイプのママと向き合う機会も出てくると思います。どんなママとも笑顔でおつきあいできればよいのですが、時に、理解に苦しむ対応をされることも、なきにしもあらず、です。
「なぜ私を無視するのだろう」などとあまり深刻に考えず、「広い世の中、こんなママもいるのだな」と、さらっと受け止め、普段どおりのママライフを続けることをおすすめします。
頼み事がエスカレートする
(トラブルの一例)
「家が近所で、子ども同士も気が合い仲良くなったママ。そのママからある日、『子どもを少し預かって』と頼まれ、応えてあげたところ、何の理由もなく週1のペースで預けにくるように。子どもは喜んでいるけれど、お礼ひとつ言ってこないママに対してモヤモヤが募っています」。
(対処法)
「子どもがお世話になっているから」という親切心から、ママ友から頼みごとを1回引き受けてしまうと、それがどんどんエスカレートしてしまうケースも、中にはあります。
「ごめんなさい、その日は義母が遊びに来る予定があるから、お預かりできないわ」「風邪が長引いてて、体調がさえないの。お宅の○○ちゃんに移しちゃうと申し訳ないから、また今度」…など、もっともらしい理由をつけて、それとなくお断りしましょう。
トラブル回避上手なママでいるための心得
毎日子育てを頑張っているからこそ広がる、ママ友の輪。
しかし、繰り返しになりますが、ママ友は、あくまでも、“わが子を通じてつながりあっている関係”です。園生活が終わると同時に疎遠になったり、一緒に通っていた習い事のお教室を辞めたら連絡が途絶えたり…など、子どもの成長とともに、その関係性は変わっていくものです。
「たくさんのママと友達になって、みんなとうまくやっていこう」などと意気込まず、「子どもが毎日、元気に楽しくお友達と関われるよう、ご縁を大切にしながら適度に付き合っていこう」と考えるのはいかかでしょうか?
園時代、心を割って話せるママ友が一人できたらラッキー♪くらいの気持ちで、つかずはなれずの距離を保ちながらおつきあいを続けるのが、トラブル回避のいちばんの近道。
ママ友との関係で悩むことがあったら、パパや学生時代の気の合う友人、仕事仲間などに話を聞いてもらってリフレッシュしましょう。
育児の不安や悩みを話し合ったり、親子で一緒にお出かけしたり。時にはトラブルが起こることもありますが、ママ友は、育児の楽しさを共有できるありがたい存在でもあります。気張らず、焦らず、マイペースでお付き合いを続けながら、子どもの成長を喜び合えたらいいですね。