「擦り傷につば!?」親世代には常識でも今はNGな赤ちゃんの病気・けがのケア5
ばあばやじいじから「そのやり方違うんじゃない?」と言われて「ん?」と思ったことはありませんか? 昔はOKでも、今はNGの育児、結構あるんです。赤ちゃんの病気とけがのケア方法に関する今と昔の違いを、助産師の岡本登美子先生に伺いました。
昔の常識1:頭を打ってもすぐに泣けば大丈夫
<今の常識>
「『すぐに泣いたから大丈夫』という判断は絶対NG! たとえ赤ちゃんが泣いたとしても、頭の中に異変があれば、あとから症状が出ることもあります。頭を打ったら、必ず受診してください」(岡本先生・以下同)
昔の常識2:熱が出たらたくさん着せて汗をかかせて
<今の常識>
「これは、医学的に間違った家庭療法です。汗をかかせても、熱は下がらず、むしろ赤ちゃんが脱水症状を起こす危険性があります。また、温めすぎると熱性けいれんを引き起こす恐れもあるので、厚着をさせすぎないでください」
昔の常識3:けいれんしたときは口の中に指を入れる
<今の常識>
「以前は『けいれんしたら舌をかむから、口の中に指やガーゼなどを入れる』という説がありました。でも、けいれんで舌をかむことはほとんどなく、ママの指やガーゼなどをかませることは、むしろ呼吸を妨げる恐れがあるのでNGです」
昔の常識4:やけどをしたらアロエの葉肉を塗る
<今の常識>
「アロエの葉肉には湿布効果がありますが、薬ではないので、やけどの症状を緩和することはできません。やけどをしたら、何も塗らずに、すぐに流水で冷やしてください。そして、必ず受診を」
昔の常識5:擦り傷に、つばをつける
<今の常識>
「唾液の成分はほとんど水ですが、口腔内には多くの雑菌がいます。傷口につばをつけると、雑菌を植えつけてしまうことに。傷口の汚れは、水道水で洗い流してください」
昭和の時代を知る人にとっては、「そういえば親から言われた~」と懐かしささえ感じるような昔の育児のジョーシキでしたね。赤ちゃんの病気やけがは、緊急受診が必要な症状もあります。赤ちゃんの全身を冷静に観察し、適切な対処をするように準備しておくと安心です。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)