頑張り屋さんこそ不安がいっぱい! 育休復帰はどう向き合っていく?
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春から育休明けで、職場復帰するママも多いことでしょう。仕事と育児の両立に向け、期待に胸がふくらむいっぽうで、「職場にスムーズになじめるかしら」「子どもが熱を出したらどうしよう」など、不安もつきないことと思います。育休復帰の時期の仕事との向き合い方について育児の専門家・長島ともこさんが解説します。
育休復帰前後のママが抱えやすい悩みは
春は始まりの季節。育休明けで職場復帰するママ、新しく仕事を始めるスタートさせるママにとって、「わが子とべったり」の日々から、仕事と育児を両立する日々へ…と、生活サイクルが大きく変化する時期でもあります。
これは、子どもにとっても同じ。ママの職場復帰に伴い、保育園に入園、先生やお友達との新たな出会いなど、自分をとりまく環境が大きく変わります。
親子そろって新生活への節目を迎えるこの時期、ママは、さまざまな不安や悩みを抱いてしまいがち。
「ママ自身のこと」についてよく聞かれる不安や悩みは
・新しい職場になじむことができるだろうか
・仕事と育児は両立できるのだろうか
・家事がしっかりこなせるのだろうか……など。
「子どものこと」についてよく聞かれる不安や悩みは、
・子どもは園生活になじむことができるだろうか
・子どもが体調を崩したら、どう乗り切ればよいのだろうか
・子どもはママと離れて「寂しい」と思わないだろうか……などです。
まじめで頑張りやさんのママほどくよくよ考え、ネガティブな気持ちになったり、憂うつになってしまう傾向にあるようです。
育休復帰後のママが心がけたいこと5つ
育休復帰後のママが心がけたいことは、以下の5つです。
1 100点満点をめざさない。60点でOK
「仕事も育児も完ぺきにこなそう!」と100点満点をめざすと、子どもに対してだけでなく、夫や自分自身に対してもイライラが募ってしまいます。「今日は時間がないから洗濯ものたたみは明日にしよう」など後回しでOK。肩の力をぬきましょう。
2 「子どもはよく体調をくずすもの」と認識する
子どもは、よく風邪をひいたり熱を出したりします。そのために、仕事を休まざるを得ない状況になることもあると思いますが、「ママがお仕事に行けないのはあなたのせいよ!」「また熱を出して!」と、子どもを責めるのはNGです。「子どもは熱を出すのが当たり前」くらいにとらえ、気持ちをリセット。看病する時はゆったりと寄り添ってあげましょう。
3 罪悪感は極力捨てる
園生活になかなか慣れない、夜泣きが増えた…etc。わが子のネガティブな様子を目にすると、「私が仕事を始めて寂しいからかしら…」など、罪悪感を感じてしまうママもいるようです。しかし、総じて子どもは、適応力、順応力にすぐれています。家でたくさん抱っこしたり園のお話をしたりなど、親子の時間を大切に過ごすことで、子どもの心は満たされます。罪悪感は極力捨てましょう。
4 職場では「常にオープンな姿勢」を心がける
職場では、自分の仕事の進行状況や予定について同僚や上司にこまめに報告するなど、常にオープンな姿勢を心がけましょう。自分をわかってもらうことで、子どもの発熱など突然のトラブルがあった時、周りの人にフォローしてもらいやすくなります。
5 ストレスの少ない働き方を考える
職場復帰してみて仕事と育児の両立が難しいと感じたら、仕事量を減らす、仕事時間を短くするなど、ストレスの少ない働き方について改めて検討し、必要に応じて上司に相談しましょう。仕事と育児は、バランスの取り方も、とても大切です。親子が心地よく過ごせる働き方を考えながら、前に進みたいものです。
夫や近所の人とのコミュニケーションも大切
仕事復帰に伴い、これまでママがやってきた育児や家事をそのまま担うのは難しくなってきます。パパ、おばあちゃん、おじいちゃんなど、周りの家族の手を借りながら、仕事と育児の両立をめざしたいものです。
家事の部分では、朝のゴミ出し、掃除機をかける、洗い物をする…など、育児の部分では、園の送迎、子どもをお風呂に入れる、子どもを寝かしつける…など。協力してもらえそうなことはどんなことか、家族に相談しましょう。
また、子どもが同じに園に通う近所のママ友も、頼りになる存在です。園へのお迎えが遅れそうな時に一緒にひきとってもらうなど、困ったときに助け合えるような関係が築けたら安心ですね。
・ベビーシッターの会社
・地域の子育て支援施設の一時預かりやファミリーサポート
・地域の病児保育施設
・家事代行サービス会社…など、育児や家事をサポートしてくれる施設を調べ、必要なときにすぐに頼める体制を整えておくことも大切です。
出費は痛いですが、長い目で考えると必要な投資ととらえ、気兼ねなく力を借りましょう。
ママにとって、育休復帰は一大イベント。大変なこともたくさんあると思いますが、大切なのは、「適度に肩の力を抜く」「周りの人の力を遠慮なく借りる」ことです。子どもの成長に応じて自分なりのベストバランスを探しながら、仕事、育児を向き合っていきましょう!