小児科医が今いちばん伝えたい!ことを発信「#インスタ医療団」とは?
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育児中のママに人気のSNS「インスタグラム」で、今、話題になっているのが「#インスタ医療団」。小児科医などを主に医療の専門家が、このハッシュタグをつけて健康に関する情報を投稿するムーブメントが起こっています。火つけ役である小児科医の加納友環先生にお話を聞きました。
よりママたちに届くようインスタグラムにも進出
2018年の11月ごろからインスタグラム(以下、インスタ)に現れた「#インスタ医療団」のハッシュタグ。現在、約300件(2019年1月23日時点)の投稿が集まっています。投稿の内容は、ステロイド外用薬や鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)など、赤ちゃんを育てる親が気になる情報ばかり! このハッシュタグ立ち上げの中心人物の一人が“パパ小児科医(ぱぱしょー)”こと加納友環先生。なぜこのような発信をインスタで始めたのか、加納先生にお話を聞きました。
「インスタより前にツイッターで発信をしていたのですが、いちばん情報を届けたい子育て中のママに届いている実感が持てなかったのです。病院の待合室でママたちの様子を見るとインスタを見ていることが多いので、インスタで情報発信を始めました」(加納先生)
「相談したくてもできない」と悩むママ・パパをサポートしたい
インスタに集まる投稿を見た加納先生は、偏ったものが多いという印象を受けたとのこと。
「たとえば“#ワクチン”を調べると、“#ワクチンの罠(わな)”“#ワクチン不要論”などネガティブなワードが並びます。これを見た人は不安を感じるはずです。ワクチンは適切に接種することが医療のスタンダードなので、ワクチンの必要性を医療者が発信していかなければなりません。けれど、難しい情報は見てもらえないので、わかりやすく伝えることを心がけています」
小児科医に相談したくても「こんなことで受診できない…」と悩むママ・パパたちを、SNSを介してサポートしたいという加納先生。
「ちょっとした情報を知っているだけで育児のストレスは軽減し、しなくてもいい苦労を回避することができます。たとえば、ロタウイルスワクチンは2種類あるとか、ママの乳腺炎(にゅうせんえん)に食事の影響はほとんどないとか。このハッシュタグに誠意ある医療者がたくさん集まって、『#インスタ医療団』でちょっとした情報を調べることがポピュラーになればいいなと思います」
「#インスタ医療団」でいいね!が多かった投稿を紹介
★いいね!1217件:「お餅は何才から?」
加納先生:1才でお餅を食べて窒息しかけた子を診察したことが。お餅は2才から、3才からなど意見がまちまちなので目安が必要だと感じました。
★いいね!1016件:「何科に行けばいい?」
加納先生:「湿疹は皮膚科? 小児科?」「切り傷は外科?小児科?」など迷う人が多いため投稿。ちなみに中学生も小児科で大丈夫です。
★いいね!864件:「受診をスムーズにする受診メモ 仮想のサンプル→」
加納先生:医師に伝え忘れて、あとで不安にならないための予防策。自分以外の人に赤ちゃんを病院に連れていってもらうときにも役立ちます。
※「#インスタ医療団」の投稿は必ずしも医療者とは限りません。アカウントを確認し信頼できる情報か判断を。
ママたちの間で話題になっていることから時事ネタまで、子育てに関するニュースを掘り下げる、ひよこクラブ人気連載「子育てトピックス」。読者に人気のテーマを、毎月ネットでも紹介します。2019年4月号のトピックは、「入園前の予防接種のこと」。こうご期待!(取材・文/ひよこクラブ編集部)。
■監修:加納友環先生
大阪南医療センター・小児科専門医。2 0 0 8 年近畿大学医学部卒業。近畿大学医学部堺病院小児科を経て現職。SNSでは「パパ小児科医」の名で情報を発信中。4才と2才の2児のパパ。
<パパ小児科医(ぱぱしょー)先生アカウント一覧>
インスタグラム:papa_syo
Twitter:@papa_syo222
ホームページ「 ぱぱしょー. com」:papasyo.com