藤井聡太七段の脳もこうして養われた!? “モンテッソーリ”で考える力を身につける!
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藤井聡太七段の驚異的な考える力は、幼いころに受けたモンテッソーリ教育が土台になっているといわれています。モンテッソーリ教育では、考える力を育むために“子ども自身に判断させる機会づくり”を大切にしていますが、これは家庭でも比較的カンタンにできるそうです。モンテッソーリ教育を実践している保育園で園長を務め、モンテッソーリ教師の資格を持つ神成美輝先生にポイントを教えてもらいました。
モンテッソーリ教師が教える! 考える力を育む3つのポイント
子どもは本来、自分で考えて行動することが大好き! そのためモンテッソーリ教育では5ケ月ごろの赤ちゃんにも、遊びを通して自ら考える体験をさせています。そう言うと「えっ!? そんなに早くから?」と驚くママ・パパもいるかもしれませんが、考えるベースづくりは、実は0歳代から始めてOK! 3つのポイントを心にとめながら、子どもの考える力を伸ばしてみませんか。
point1 子どもに考えて選ばせる
0~1歳代で考える力を養うには、まずは2者択一で「どっちにする?」と子どもに選ばせる習慣をつけましょう。「積み木とブロック、どっちで遊ぶ?」「りんごとみかん、どっち食べる?」といった具合に選ばせてOK。また2つだけおもちゃが入ったかごを置いておくと、ママ・パパが言葉をかけなくても、子どもは「どっちにしようか?」と自ら考えるようになります。
2~3歳以降は「〇〇公園、××公園、△△公園どこで遊ぶ?」など、3者択一、4者択一へと選択肢を増やして。
point2 じっくり指先を使う遊びをする
考える力は、頭を使うだけでは養えません。藤井聡太七段は、モンテッソーリ教育を受けていた時代、色紙2枚に切れ目を入れて編むようにして作る「ハートバッグ」を何個も作っていたそうで、幼稚園のころのそうした体験が、藤井聡太七段の考える力の原点になったのではないかといわれています。
指先を使う遊びは、脳を刺激し考える力をはぐくみ、集中力を高めます。そのため0~1歳代は、小さめのボールをつかんで穴に入れたり、2~3歳代になったらミニトングやスプーンを使って豆や小さく切ったスポンジをお皿に移したりするなど、指先を使った遊びにじっくり取り組むといいでしょう。
point3 自分の意見をきちんと言えるようにする
考える力と自分の意見が言える力は密接な関係があります。そのため2語文、3語文が話せるようになったら「ママ(パパ)、お茶!」と言われても対応せずに、「お茶ちょうだい」「お茶ください」と、最後まで言えるように促しましょう。教えるときは「お茶ちょうだいだよね?」と教えたり、「お茶がどうしたの?」と優しく聞いたりしてみて。こうしたやりとりを繰り返すことで、自分の意見をきちんと伝える練習になります。
考える力をはぐくむには実は環境づくりも大切。たとえば、子どもに考えて選ばせることを習慣にするには、目うつりするほどおもちゃなどを置いておくのは避けて。せっかく2者択一で1つ選んでも、すぐに次のおもちゃに目がうつってしまい、遊びに集中できません。そのため子どもの年齢に関係なく、おもちゃは3~4個に絞っておくといいそうです。子どもが考えて、自らの意思で手に取れるような場所に置いておくこともポイントとのこと。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/神成美輝先生
子育てアドバイザー、保育士、幼稚園教諭2種。モンテッソーリ教育を実践している保育園で保育士、園長として勤務し、2012年モンテッソーリ教師の資格を取得。2人の男の子のママでもあります。著書に『モンテッソーリ流“自分でできる子”の育て方』『才能がぐんぐん伸びる男の子の育て方』(ともに日本実業出版社)など。