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【医師監修】赤ちゃんの病気を防ぐ!重症化を逃れる!予防接種がある感染症15

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comzeal/gettyimages

赤ちゃんに感染する可能性がある病気の中には、予防接種ワクチンを受ければ、病気やその症状の重症化を防げるケースもあります。該当する15の感染症について、小児科医の山中龍宏先生に解説していただきました。

1 ロタウイルスワクチンで防ぐ…ロタウイルス胃腸炎

「ロタウイルス胃腸炎は、酸っぱいにおいのする白っぽい水様便(すいようべん)が出ます。糞口感染で、潜伏期間は2~4日間です。根本的な治療薬はなく、水分補給をして回復を待ちます。多くは1週間ほどで治りますが、発症中と回復後の1週間は便にウイルスが排出されます。感染力が強く、石けんでの手洗いやアルコール消毒だけでは、完全に感染を防ぐことはできません。予防のために、ロタウイルスワクチンを接種しましょう」(山中先生・以下同)

2 ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンで防ぐ…髄膜炎

「髄膜炎(ずいまくえん)とは、脳や脊髄(せきずい)を覆っている髄膜が、侵入した細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気。細菌性とウイルス性の2種類あり、多くは風邪症候群と同じような症状で始まります。その後、発熱、激しい頭痛、嘔吐、下痢の症状などが見られます。けいれんや意識障害などが起こることもあります」

3 ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンで防ぐ…細菌性肺炎

「細菌性肺炎(さいきんせいはいえん)は、肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、インフルエンザ桿菌(かんきん)、黄色(おうしょく)ブドウ球菌などが原因。発熱とせきが特徴で、呼吸困難やチアノーゼを起こすこともあります。ぐったりしたり、呼びかけても反応がない場合は、一刻も早く受診しましょう。入院治療となり、細菌に対応した抗菌薬を投与して、水分がとれないときは点滴をします。必要に応じて、酸素投与を行うこともあります」

4 B型肝炎ワクチンで防ぐ…B型肝炎

「B型肝炎は、B型肝炎ウイルスを含んだ血液や血液成分との接触によって感染します。親からの感染以外は感染経路が不明なことも多く、赤ちゃんのころにかかるとキャリアー(体内にウイルスを持っている状態)になる可能性があります。キャリアーになってもすぐに発症しないことがありますが、ウイルスを排除することは困難です。慢性肝炎(まんせいかんえん)の場合は、抗ウイルス薬などによる長期治療が必要になります。ママがB型肝炎の場合は、生後すぐから製剤で感染予防処置が行われます。併せて、生後すぐ、1カ月、6カ月に、B型肝炎ワクチンを接種し、予防します。これらは、母子感染の防止策として、健康保険が適用されます。ママがキャリアーでない場合は、定期接種で、生後2ケ月からワクチン接種が可能です」

5 四種混合ワクチンで防ぐ…破傷風

「破傷風(はしょうふう)は、土の中にいる破傷風菌(はしょうふうきん)が、傷口から体内に入ることで感染します。潜伏期間は3~21日で、菌の出す毒素によって、筋肉の硬直(こうちょく)や呼吸困難などを引き起こします。 治療は傷口を洗浄し、抗破傷風ヒト免疫グロブリンや抗菌薬を投与するなどします。感染後も十分な免疫が得られないため、何度もかかる人もいます。人から人へはうつりません。破傷風は、四種混合ワクチンを接種して予防するようにしましょう」

6 四種混合ワクチンで防ぐ…百日ぜき

「百日ぜき(ひゃくにちぜき)は、百日ぜき菌の感染によって長くせきが続きます。潜伏期間は7~10日で、最初は鼻水と軽いせきで始まり、その後『コンコン』と短いせきをしたあと、『ヒュー』と息を吹い込む特徴的なせきが続きます。この時期になると有効な抗菌薬でも症状を抑えることはできません。6ケ月未満、とくに3ケ月未満の赤ちゃんは無呼吸になりやすく、チアノーゼ、呼吸停止へと進んで死亡することもあります。最近は成人がかかることも多く、親から子どもにうつることもあります。百日ぜきは、四種混合ワクチンを接種して予防しましょう」

7 四種混合ワクチンで防ぐ…ジフテリア

「ジフテリアは、ジフテリア菌に飛沫感染して起こります。2~5日の潜伏期間を経て症状が出ますが、症状が出ないキャリアーから感染することもあります。上気道(じょうきどう)の粘膜に起こる病気ですが、目の結膜、中耳、陰部、皮膚などに症状が出ることもあります。増殖した菌から出る毒素でこん睡や心筋炎が起こると死亡の危険があり、致命率は約5~10%といわれます。ジフテリアは、四種混合ワクチンを接種して予防しましょう」

8 四種混合ワクチンで防ぐ…ポリオ(小児まひ)

「ポリオは、ポリオウイルスにより、手足にまひが起こります。便中に排出されたウイルスが口から入り、のどの奥か腸で増殖します。約1~2週間の潜伏期間後、風邪に似たような症状が起こります。感染した人の多くは症状が出ずに、自然に治ります。予防には、四種混合ワクチンか、単独の不活化ポリオワクチンの接種が有効です」

9 BCGワクチンで防ぐ…結核

「結核(けっかく)は、結核菌が肺に感染して起こります。生後すぐにかかることもあり、赤ちゃんの場合は重症になることもあります。また長期間潜伏していた結核菌が、免疫力が下がったときに発症する場合もあります。早期に発見すれば化学療法で治療できますが、治療には半年以上もかかります。結核を予防するBCGの定期接種としての接種は1歳未満、推奨されている接種時期は5~8ケ月です。必ず受けましょう」

10 インフルエンザワクチンで防ぐ…インフルエンザ

「インフルエンザは、ウイルスが飛沫(ひまつ)や接触から感染し、潜伏期間1~4日で発症します。高熱や関節痛など全身に症状が出ます。発症した場合には、インフルエンザ脳症や肺炎を併発して重い後遺症をもたらすことがあります。
病院では、鼻の奥を綿棒でぬぐって検査をし、感染がわかれば解熱鎮痛薬や抗ウイルス薬などが処方されます。6ケ月から予防接種が可能ですが、医療機関の方針によっては、1歳からの接種を推奨しているところもあるので、かかりつけ医に確認を。赤ちゃんの周囲にいる大人やきょうだいも接種することをおすすめします。感染を100%予防できるわけではありませんが、ワクチン接種によって重症化を防ぎます」

11 MRワクチンで防ぐ…麻疹(はしか)

「麻疹(ましん)は、麻疹ウイルスの飛沫感染で起こります。10~12日の潜伏期間後に発熱や風邪に似た症状が出ます。一度下がった熱が再び上がるときに赤い発疹が全身に広がり、高熱やせきなどが1週間以上続きます。発疹が出る1~2日前に口の中に直径1㎜程度の白いブツブツ(コプリック斑)ができます。特効薬はなく、解熱鎮痛薬や鎮咳薬などの対症療法で体力の消耗を防ぎます。1歳になったら、なるべく早くMR(麻疹・風疹混合)ワクチンを接種しましょう」

12 MRワクチンで防ぐ…風疹(三日ばしか)

「風疹(ふうしん)は、風疹ウイルスの飛沫感染で起こります。2~3週間の潜伏期間を経て発症しますが、感染した人の約15%は症状が出ません。発熱、発疹、リンパ節の腫れなどが出ますが、症状は軽く、多くは3日ほどで治ります。予防のため、1歳になったら早めに定期接種のMR(麻疹・風疹混合)ワクチンを接種しましょう。
また、風疹の免疫をもたない妊婦が妊娠初期に感染すると、胎児にも感染し、難聴、心疾患、白内障(はくないしょう)などの障害がある先天性風疹候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)の赤ちゃんが生まれる可能性があります」

13 水痘ワクチンで防ぐ…水ぼうそう(水痘)

「水ぼうそう(水痘[すいとう])は、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスの感染で起こります。2週間の潜伏期間後、かゆみのある赤い発疹が出ます。水疱がかさぶたになるまでは人にうつるので、かきこわさないように要注意。発疹が出て72時間以内に抗ウイルス薬の服用を開始すると、症状が軽く済みます。治癒したあとも免疫力が落ちてウイルスが活性化し、水疱が出る帯状疱疹になることもあります。水ぼうそうのワクチンは、1歳から定期接種で受けることができます。1歳になったら、なるべく早く予防接種を受けるようにしましょう」

14 おたふくかぜワクチンで防ぐ…おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎[りゅうこうせいじかせんえん])は、ムンプスウイルスに感染して起こります。約3週間の潜伏期間を経て、発熱、耳下腺(じかせん)や顎下腺(がっかせん)の腫れが起こります。特効薬はなく、感染しても発症しない場合もあり、知らないうちに人にうつしてしまうことも。無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)を併発することや、まれに難聴(なんちょう)の後遺症を残すこともあります。1歳になったら、なるべく早く予防接種を受けましょう」

15 日本脳炎ワクチンで防ぐ…日本脳炎

「日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを持っているブタを刺したコガタアカイエカを介して人にうつる病気です。ほとんどは感染しても症状が出ませんが、症状が出る場合は、1~16日の潜伏期間後、高熱や意識障害などが出る急性脳炎を発症します。3歳になったら忘れずに予防接種を受けましょう」

予防接種はさまざまな病気を未然に防いだり、かかったとしても軽症で済むことができます。予防接種をしていない場合、中には命を落とす恐れがある病気も。ぜひ、積極的に予防接種のことを考えてみてはいかがでしょう。(文・ひよこクラブ編集部)

監修/【小児科医】山中龍宏 先生

初回公開日 2019/03/26

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