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四種混合ワクチン/4種類を合わせた混合ワクチン。4つの病気の免疫をつけることができます

四種混合ワクチン

四種混合ワクチンは、三種混合ワクチンにポリオの不活化ワクチンを加えたもの。ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオから子どもを守る、とても大切なワクチンです。小児科医で国立感染症研究所・感染症疫学センター第3室(予防接種室)室長の多屋馨子先生に、四種混合ワクチンの受け方や受ける時期、副反応、このワクチンで予防できる4つの病気について解説してもらいました。

四種混合ワクチンは感染すると重症化しやすい4つの病気を予防

・定期接種
・不活化ワクチン
・皮下注射

ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ(小児まひ)の4つの感染症を予防する混合ワクチンです。とくに百日せきは子どもに多く、6ヶ月未満で発病すると致死率が高い感染症。大人がかかることもあるため、いつ、どこでうつるかわかりません。生後3ヶ月になったら優先的に受けましょう。

四種混合ワクチンが定期接種になったのは2012年11月。それまでは、ジフテリア・破傷風・百日せきの三種混合ワクチンと、ポリオワクチン(生ワクチン)を別に接種していました。ポリオの生ワクチンはごくまれに手足のまひが出るという副反応が認められることから、2012年9月に単独の不活化ポリオワクチンが定期接種に導入されることになりました。
そして2012年11月から、三種混合と不活化ポリオワクチンを混合した四種混合ワクチンが定期接種となりました。つまり四種混合ワクチンとは、「三種混合ワクチン+不活化ポリオワクチン」ということです。
三種混合ワクチンとポリオワクチンが未接種の場合は、原則として四種混合ワクチンを接種します。

【予防接種の受け方と時期は?】回数が多いので3ヶ月になったらスタートして

<Ⅰ期:4回接種>
3ヶ月~1才の間に3~8週間の間隔で3回接種し、3回目の接種から6ヶ月以上空けておおむね1年~1年半後に1回追加接種するのが標準。

<Ⅱ期:1回接種>
11~12才に二種混合(ジフテリア、破傷風)ワクチンを1回接種します。

接種回数が多いので早めにスタートすることが大切。B型肝炎、ロタウイルス、ヒブ、肺炎球菌(13価結合型)ワクチンと同時接種するのがおすすめです。
追加接種(4回目)も水痘ワクチンの2回目接種などと同時に接種できます。

(小学校入学前に三種混合を任意接種で受けましょう。小学校入学後、百日せきにかかる子どもが増えています。四種混合ワクチンの免疫が低下することによる百日せきの感染を予防するために、MRワクチンのⅡ期を受ける時期に合わせて、任意接種にはなりますが、三種混合ワクチンを受けることを検討してください)

【効果の持続期間は?】4回接種すると5~10年持続

3回の接種でほぼ免疫ができます。さらに免疫が持続するように3回目から1年~1年半後に4回目の接種をすることで、効果は5~10年持続します。11~12才でⅡ期を接種することで、免疫が高まります。

【副反応は?】接種部位が腫れたり、しこりになったりしても、広範囲でなければ心配しないで

接種した部分が赤く腫れたり、しこりになったりすることがあり、回数を重ねるごとに腫れやすくなることがありますが、広範囲でなければ心配ありません。
ただし、接種した腕がひじの関節を超えて広範囲にパンパンに腫れたときや、38度以上の熱が続くときは、予防接種を受けた病院を受診してください。

ジフテリアはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…冬~春
・かかりやすい年齢・月齢は?…乳幼児・小学生など
・主な症状は?…38度以上の発熱、のどの腫れ、犬の遠ぼえのようなせき
・感染力は?…強め
・ママからの移行免疫は?…6ヶ月ごろまで有効

ジフテリア菌に飛沫感染して起こる病気。潜伏期間2~5日を経て症状が出ますが、症状が出ない保菌者になることもあります。

【症状・経過は?】心筋炎などが起こると致死率が5~10%

上気道の粘膜に感染し、のどの痛み、発熱、のどに灰色の厚い膜ができて首のリンパ節が腫れるのが特徴ですが、犬の遠ぼえのようなせきが出て呼吸が苦しくなることもあります。目の粘膜、中耳、陰部、皮膚などに症状が出ることもあります。
増殖した菌から出される毒素により心筋炎が起こったり、気道が閉塞すると命が危ぶまれ、致死率は5~10%といわれます。

【合併症・後遺症は?】心筋炎や神経まひなど重篤な症状が現れます

●合併症
発病 2~3週間後に菌が出す毒素により、心臓の筋肉内に障害が起こる心筋炎や、神経まひを起こすことがあります。また、のどに偽膜(ぎまく)と呼ばれる膜ができて気管支まで広がると、窒息死する危険があります。

●後遺症
菌が出す毒素で神経まひを起こした場合、手足などにしびれやまひが残ることがあります。

【患者数・罹患率は?】予防接種の効果で1999年以降国内での発症者はなし

1945年には、国内で年間約8万6000人の患者が発生しており、約6000人が死亡していました。しかし予防接種の効果により、国内では1999年以降の発症報告はありません。
だからと言って予防接種を受けなくていいわけではありません。海外では現在でもジフテリアによる死者は報告されており、90年代に三種混合ワクチンの接種率が低下したロシアで流行しました。近年では、アフリカ、中南米、アジア、中東および東ヨーロッパで流行が見られています。
予防接種を続けなければ、日本でも流行する可能性があります。

破傷風はどんな病気?

・かかりやすい季節は?…通年
・かかりやすい年齢・月齢は?…予防接種をしていなければだれでもかかります
・主な症状は?…顔のひきつり、口が開かない、呼吸困難、筋肉硬直、けいれん
・感染力は?…病原菌は土の中にいます。病気が人から人へ感染することはありません
・ママからの移行免疫は?…6ヶ月ごろまで有効

土の中にいる破傷風菌が、けがや土いじりなどによってできた傷口から体内に深く入ることで感染します。潜伏期間は3~21日で、菌の出す毒素によって症状が現れます。
新生児がかかった場合は、80~90%の高い確率で死亡するとされています。

【症状・経過は?】かかっても十分な免疫ができないので、何度もかかることがあります

3~21日の潜伏期間を経て、顔のひきつれや筋肉の硬直、けいれんなどが現れます。破傷風菌の感染によるものと診断されたら、抗破傷風ヒト免疫グロブリンや抗菌薬などを注射もしくは点滴で投与して治療します。
人から人にはうつりませんが、かかったあとも十分な免疫を得られないので、ワクチンで予防します。

【合併症・後遺症は?】全身の筋肉が硬直するため呼吸ができず、窒息することがあります

●合併症
全身にけいれんを起こし、重症になると体が弓なり、背骨などを骨折することがあります。また、のどや呼吸するための筋肉が硬直することで、窒息を起こすこともあります。

●後遺症
言葉を正しく発音できない構音障害や、飲み物・食べ物を咀しゃくしたり飲み込んだりするのが困難になる嚥下(えんげ)障害が残ったという報告があります。

【患者数・罹患率は?】日本での発症者の中心は、予防接種を受けていない50才以上の人

発症者の中心は予防接種を受けていない1968年以前に生まれた人、とくに高齢者です。毎年100人以上の発症者が出て、2018年は134人が発症し、5人が死亡しています。50才以上の致命率は約40%、全体では30%とされています。
前述しましたが、人から人にはうつらないので、同居している家族がかかっても、赤ちゃん・子どもにうつることはありません。

百日せきとはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…春~夏
・かかりやすい年齢・月齢は?…0才、5~15才
・主な症状は?…せき、呼吸困難
・感染力は?…非常に強い
・ママからの移行免疫は?…あまり期待できません

百日せき菌が原因。感染力が非常に強いため、家族や周囲の人から感染します。大人でも学校や職場で集団感染することもあります。ママからの免疫は早くになくなるため期待できず、新生児でもかかることがあります。

【症状・経過は?】特徴的なせきが出始めたら抗菌薬でも症状は止められません

潜伏期間は7~10日で鼻水と軽いせきで始まり、続いて、コンコンコンコンという短い特徴的なせきが出るようになります。この時期になると有効な抗菌薬でも症状を止めることができません。
6ヶ月未満、とくに3ヶ月未満は無呼吸になりやすく、チアノーゼ、呼吸停止へと進んで死亡することもあります。

【合併症・後遺症は?】脳症を併発すると重い後遺症が残ることがあります

●合併症
肺炎、肋骨骨折のほか、血液中の酸素が減ることによって発症する脳症(低酸素性脳症)を起こすことがあります。無呼吸を起こすことで死亡することもあります。

●後遺症
ワクチンを受けていない乳児期に発症すると死亡することがあります。

【患者数・罹患率は?】5~15才の小児が多く発症しています。兄や姉、両親から赤ちゃんにうつすリスクがあります

2018年から全数報告の感染症になり、全国の医療機関から報告されています。2019年1月1日から12月29日までに1万6785人の報告がありました。6ヶ月未満が5%、5才から15才未満までの学童期の小児が63%、30〜50代の成人が16%でした。
4回のワクチン接種を完了している小学校入学後の患者数が増えているのも問題です。

ポリオ(小児まひ)とはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…夏~秋
・かかりやすい年齢・月齢は?…乳幼児(大人がかかると重症に)
・主な症状は?…発熱、頭痛、嘔吐、手足のまひ
・感染力は?…強め
・ママからの移行免疫は?…6ヶ月ごろまで有効

ポリオウイルスに感染して手足にまひが起こる病気です。便中に排出されたウイルスが口から体内に入り(糞口感染)、のどの奥か腸で増殖し、症状が現れます。

【症状・経過は?】重症化すると死に至ることもあります

約1~2週間の潜伏期間を経て、風邪に似た症状が現れ、感染した人の約95%は、症状が出ずに自然に治ってしまいます。しかし、重症化して延髄※までウイルスが及ぶと、呼吸中枢が侵されて呼吸ができなくなり、死に至ることもあります。

※延髄:脳幹の一部で、大脳や小脳と脊髄をつなぐ中継点にあります。延髄には、呼吸中枢など生命維持に欠かせない中枢神経が存在しています。

【合併症・後遺症は?】手足のまひが一生残ることがあります

●合併症
感染した人の1~2%は、風邪に似た症状に続いて無菌性髄膜炎を起こすことがあります。また、神経のまひが出た人のうち、呼吸中枢が侵されて呼吸筋までまひして、呼吸ができなくなる人が0.1~2%います。

●後遺症
発症から1年を過ぎても手足のまひや筋力低下が残る場合は、まひが一生涯続く可能性が高くなります。知的障がいは起こりません。

【患者数・罹患率は?】国内での患者はゼロ。でも、海外では感染者が報告されています

1960年に北海道で始まったポリオの大流行を機に、輸入ポリオ生ワクチンの接種に続き、国産ワクチンの接種が始まって患者数が激減。そして80年を最後に、国内では野生株のポリオ患者はゼロになりました。
しかし、2020年時点でパキスタン、アフガニスタンはポリオの常在国。ポリオ自体が絶滅したわけではありません。そのため、常在国、非常在国を含めて、世界では2019年に175人の感染者が報告されています。

ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオは、重症化すると死に至ることもある病気。日本では感染者が出なくなっているものもありますが、海外から持ち込まれる可能性があります。4つの病気の免疫を一度につけることができる四種混合ワクチンは、子どもを感染症から守る強い味方。必ず接種してください。

情報提供/多屋馨子先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

多屋馨子先生(たやけいこ)

Profile
国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室(予防接種室)室長。小児科医。高知医科大学(現 高知大学医学部)卒業。大阪大学医学部小児科講座に入局し、大阪大学医学部附属病院・関連病院小児科、大阪大学医学部微生物学講座・小児科学講座で小児科の臨床、ヘルペスウイルスを中心とした基礎研究、小児感染症学の教育に従事。2001年から国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。02年から国立感染症研究所感染症情報センター第三室(予防接種室)室長。13年から現職。

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