大変なことも、嬉しいことも。育休復帰後に起きた3つの想定外
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仕事や体調、心境など、育休明けにはさまざまな変化があります。共働き家庭で想定外の変化が起きてしまったとき、どのように乗り越えればよいのでしょうか? 育休から復帰して働いている先輩ママ・パパに経験談を聞きました。
復帰後の想定外① 体調の変化
4歳と1歳の男の子のパパIさんが、妻の育休復帰後に直面したのは「体調の変化」でした。保育園で流行していた病気が子どもから自分にうつってしまい、妻やもうひとりの子どもにも感染。週末は家族全員で倒れてしまうこともあったそうです。
「もともと子どもの体が弱かったため、保育園ですぐ風邪にかかってしまい、家族中に蔓延することが何度もありました。復帰後数ヶ月経って親子ともにだんだん体が強くなり、現在はだいぶ落ち着きました。結局時間が解決してくれましたが、復帰直後は慌てる事も多かったので、子どもだけでなく家族全員、病気の予防はしっかりしないとですね。」
1歳11ヶ月の男の子のママYさんは、時短制度を使って育休から復帰。2週間ほどで仕事感覚を取り戻したそう。しかし、「1日5時間勤務では仕事が終わりません。会議に出席してメール対応をしていたら、あっという間に保育園へ迎えに行く時間になってしまったことも。パソコンや資料を家に持ち帰り、平日の夜や休日に仕事をするように」なったそう。
「子どもが起きている間はまったく仕事が手につかなかったので、寝かしつけた後、自分の睡眠時間を削って仕事を片付けていました。たまにならよかったのですが、毎日続いてしまって心身ともに疲労状態に……。『ずっと続くわけではない』と念じながら乗り越えましたが、こんなにつらいとは…予想以上でした。」
復帰後の想定外② 仕事の変化
共働き生活をスタートしてから家族で体調を崩しがちだったという冒頭のパパIさんには、プラスの変化もありました。当初はオンオフの切り替えが上手くできず、「オフ」でいたいのに仕事のことを考えてしまう「もやもやしたオン」があったそうです。けれど、上のお子さんが勉強する姿を見ているうちに、気持ちの切り替えができるようになりました。
「4歳になる上の子がひらがなを一文字ずつ学んでいく姿を見て、自分のキャリア形成を段階的に考えられるようになりました。“こ”が書けるようになった息子が、『あ!“た”が書ける!』と言っていたときに、なんだか感動したんです。1つずつ、少しずつできるようになっていくんだ、と。
今は難しくても、子どもが大きくなれば仕事に費やせる時間は少しずつ増えていきます。いつか会社に子どもを連れてきて『仕事ってこんなに楽しいものなんだよ』と伝えられるように、自分も1つずつ頑張っていきたいです。」
また、2歳と5歳の子どもを育てているママOさんは、育休によって価値観が変わったそうです。それまでは目標を一つずつクリアしていく「結果重視型」で労力を惜しまず働いていましたが、育休後は「プロセス重視型」に変わりました。
「自分が後輩にどんな背中を見せれば会社全体の雰囲気がいい方向に変わっていくのかを考えるようになりました。今はそれを意識しながら、クオリティを維持して短時間で効率よく成果をあげられるように努めています」
復帰後の想定外③ 心境の変化
前述の育休復帰後、疲労困憊状態だったママYさん。体は辛くとも心境にはプラスの変化があったそう。それは、自分の人生はまだまだ長いと思えるようになったこと。100歳まで生きるとしたら何をしようかと考え、コツコツ準備を始めているそうです。
「子育てが終わったあと自分が抜け殻にならないように、人生の楽しみを探すようになりました。子どもの支援に一番興味があるので、誰もが幸せな子ども時代を過ごせる世の中づくりをライフワークにしたいと思っています」
またママOさんは、子どものためにも自分が楽しく働かなければと考えるようになったそうです。笑顔で仕事をしていると、その気持ちが子どもにも伝わり、家族の笑顔が増えていくと感じたことがきっかけでした。
「育休から復帰して子どもと過ごす時間が短くなってしまい、申し訳なく思っていた時期もありました。でも、私が楽しく働けばお給料が増えてハッピーセットを買える、そうすれば子どもも私もみんなハッピーになれる!そういう前向きな思考に切り替えたら、気持ちが楽になり、笑顔でいられる時間が増えたんです」
子どものためにも自分がハッピーでいようという気持ちが、仕事と子育てを楽しく両立する秘訣なのかもしれませんね。
この記事は、2019年3月に開催されたイベント「たまひよカレッジ」で盛況を博した「【トークセッション】夫婦で聞きたい!先輩パパママの24時間」の内容を抜粋したものです。
(文・華井由利奈)